フラワーアーティスト /株式会社マサ&アーティスト代表取締役。1985年渡米、ニューヨーク、デンバー”Ks Florist”でデザインを学ぶ。ゴトウ花店帝国ホテル店長を経て、2004年独立。バリのアマンリゾート、アマンダリ、アマヌサ、アマンキラなどのフラワーデコレーション監修やスーパーブランドの装飾や舞台美術なども手掛ける。また、国内外のTV、ラジオ、雑誌等にも数多く紹介されている日本を代表するフラワーアーティスト。また、
〜花をやっている人間だからこその発想がある〜
Q.花の仕事に向かうための創造力は、どこからくるのでしょう?
「花だけにとらわれず、一人のデコレーター
という気持ちで仕事に取り組んでいます」
世界的ブランドのショップ、有名アーティストのステージ、
ハリウッド映画のプレミア上映会など、
一流の現場で花をつくりつづけてきたフラワーアーティスト、
MASSA NAKAGAWAさん。
花の仕事に向かうための創造力はどこから得られるのか。
力強く魅力的なアーティストの思考に触れてみましょう。
| 編集部 |
記念すべき第1回目は、フラワーアーティスト、
MASSA NAKAGAWAさんにご登場いただきます。
こんにちは。
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| MASSA |
よろしくお願いします。 |
| 編集部 |
いきなりですが、インタビューのテーマは「天職」です。
その人にとって天職と言えるのは、
どんな仕事のことなのでしょう。 |
| MASSA |
僕は仕事でものすごく忙しいとき、
忙しいこと自体がとても楽しくなってしまうんです。
「眠れなくてもいいや、楽しいぜ!」という感じで。 |
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結局、寝食忘れて熱中できることが「天職」という気がします。
野球選手であれば、一晩中でもバットを振っていられるとか。
ギタリストなら、気に入ったフレーズができあがるまで
弾き続けることとか、でしょうか。
それを無理やりやらされていたら、とてもつらい話なわけでね。 |
| 編集部 |
ある人には眠らなくてもいいくらい楽しいことが、
別の人にとっては罰ゲームみたいになっちゃう、と。
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| MASSA |
僕は花をやっていて楽しいのですが、
まだまだ磨き込み方が足りないと感じます。
ただ、追求することはとても好きなので、
花を通じて、自分がどんな人間なのかを考える。
仕事をしていて苦痛に感じたことはほとんどないし、
別のことを職業として考えたことはありませんから、
やっぱり花の仕事が天職なのだと思います。
花をつくって観てもらって、良いこと、悪いこと、
いろいろな人に言ってもらえる。
人になんらかの影響を与えられるわけで、
そういうのは楽しいですよ。 |
| 編集部 |
仕事を「やらされている」と、
人はなるべく楽をしようとしますよね。
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| MASSA |
たとえば営業をやっている人が、
「50件まわってこい」と言われて車の中でサボる。
それは与えられたノルマが
自分の仕事観に合ってないからでしょう。 |
| 編集部 |
その道のプロになってお金をいただくために、
必要なものはなんでしょう。 |
| MASSA |
自分がつくったものを見て、
「俺はこれに対して金を払うか?」
と自問する気持ちがあるかないか。
「これだけの金は払えない」と思うのであれば、
その商品は出すな、ということですね。
金が取れるだけの価値があるものを常に出せるかどうか。
当然のことながら、それがプロですから。 |
| 編集部 |
お金の問題とは別に、
プロとアマの決定的な差はどこにありますか。
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| MASSA |
「責任」が違う。
僕がつくるものが、
クライアントのブランドイメージにつながっていく。
仕事に取り組む時には、
想像以上に大きな責任を背負うことになります。
花の技術はある程度まできてしまうと、
みんなそれほど差がないと思う。
スピードが速いとか、
もちろんプロのテクニックとして、それも重要なのですが、
ただしそれらは基本条件であって差別化には至っていない。
そこから先をどうするか、どうしたいか、をどれだけ描いて
自分をブランド化(差別化)していくかがポイントだと思う。
スピードだけでトップブランドから仕事が来るかと言えば、
来ないですよね。 |
| 編集部 |
その仕事を手に入れるためには、
横並びではない、なにかが求められるわけですね。
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| MASSA |
では、なにが違うのか?
技術を超えた先のところで、
クライアントのイメージをはっきり把握できること。
頭の中にあふれてくるものをデッサンして、
プレゼンテーションができること。
僕の場合、花だけにとらわれず、クライアントの商品なども含めて
全体像を把握することに努めます。
クライアントが要求してくるものをデコレーターとして
的確につかむことで、クライアントがイメージしているもの以上を
提案することに基準をおくように努力しています。
それが僕が提供する付加価値でもあるし、
僕のカスタマーデライトのテーマでもあります。
商品をどう飾るのか。
花の感覚を持つ人間は、プロのデコレーターとは
また違った感覚で配置をしていくから。 |
| 編集部 |
いちばん忘れられない仕事は? |
| MASSA |
いろいろあって難しい質問ですが、
MISIAさんのライブステージ上に「森」を再現する
仕事をやらせてもらったことです。
かなり集中して関わらさせて頂いているので、
思い入れもありますし、
僕の上位仕事ランキングではNo.1に位置していますね。
それくらいインパクトの強い仕事でした。
2日で3万人を動員するステージをツアーでまわって、
DVDまで入れれば、トータルで何十万人の人々に、
僕の作品を観てもらえることになる。
素晴らしい機会をいただいたと思います。
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| 編集部 |
なにかを乗り越えたという感覚はありましたか。 |
| MASSA |
一般的に言ってお花屋さんの仕事は、
楽屋にお祝いの花を届けるところまで。
ステージ上の花を手掛けるという発想は、
あまりないと思います。
花の業界でMISIAさんクラスのアーティストの
ステージを飾ったのは、おそらく日本では僕が
はじめてではないかと思います。
でも、これからは僕だけでなく、こういった仕事を手掛ける
フラワーアーティストが増えていくという気がしています。
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| 編集部 |
MASSAさんを先駆者として、
フラワーアーティストの活躍の場が、
もっと広がっていくということでしょうか。
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| MASSA |
花をやっているからこそ出てくる発想というものが、
ほかの仕事のプロに言わせるとあるようで。
たとえば舞台美術家に「おー、そう来るんだ」と
驚かれたりしてね。
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| 編集部 |
へぇー、それは面白いですね。
舞台美術家であれ、音楽家であれ、写真家であれ、
別の分野の人たちから、
フラワーアーティスト独自の視点があると
感じてもらえるわけですか。
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活躍できる仕事場を、自ら拡大してきたMASSAさん。
後編はプライベートにも迫ります。
花のプロは「海の男」、でもあるのですよ。お楽しみに!
つづく