- 1. フリーランスの基礎知識
- 1. そもそもフリーランスとは
- 2. フリーランスに向いている人
- 3. フリーランスになると発生する事務作業
- 2. フリーランス初心者にもおすすめな3つの職業
- 1. ライター
- 2. デザイナー
- 3. エンジニア
- 3. フリーランスで仕事を獲得する方法
- 1. クラウドソーシングを活用する
- 2. 求人サイトを利用する
- 3. 知人の紹介
- 4. フリーランス初心者が苦戦するのは仕事探し
- 5. フリーランスになるための準備や注意点
- 1. フリーランスになる前に済ませたいこと
- 2. 退職後に必要な手続きは速やかに行う
- 3. 積極的な情報収集やスキルアップを心がける
- 4. 仕事を切らさないように受注先の確保が大切
- 6. おすすめを参考にしてフリーランスデビューしよう
政府の打ち出す「働き方改革」や、ワークライフバランス、人生の質を表す「QOL」などの考え方から、企業に捕らわれない働き方が近年注目を集めています。より自由な働き方として注目されている「フリーランス」ですが、職業や、向き・不向きな性格など、基本的な情報を解説していきます。
フリーランスの基礎知識
新たな働き方として注目される「フリーランス」は、特定の企業に属さず、一個人として案件ごとに企業と契約し、仕事をします。簡単に言ってしまえば「自営業」であり、「個人事業主」になるということです。
自分自身が社長であり、スタッフなのです。仕事内容も自分で決められるため、手広くなんでもこなす「なんでも屋」のような働き方もできますし、専門的な仕事のみを行う職人のような働き方も可能です。全てを自分で決められる代わりに、すべての責任を自分で負う働き方とも言えます。
そもそもフリーランスとは
フリーランスの語源は「軍に属さない傭兵(freelance)」を指す言葉だったと言われています。雇用主と契約をして戦い、仕事が終わればまた別の場所へと流れていく。仕事の内容が多様化しただけで、現在もその生き方は当時のままと言えるでしょう。
どんな仕事を受けるか、どれだけ仕事をするかは自分次第。報酬や仕事条件の交渉も細やかに行えますし、条件に合わなければ断ることも可能です。そして何より、専門知識や技術など、自分のスキルに応じた報酬を労働の対価として受け取ることができます。会社員と違い、報酬が直接自分自身に振り込まれるのは魅力の1つと言えるでしょう。
働けば働くほど稼ぐことができ、自分の予定に合わせて平日を休暇とすることもできます。依頼主に迷惑をかけない限り、いつ、どれだけ働くのかも自分次第なのはフリーランスの魅力だとも言えるでしょう。
フリーランスに向いている人
会社員とはまるで異なる働き方のため、その人の性質によって向き・不向きが明確に現れます。会社では上手く仕事ができなかったという人が、フリーランスになったとたんバリバリ活躍するようになった、という例も少なくありません。では、具体的にどんな人が向いているのでしょうか?
【 セルフマネジメント能力が高い 】
個人事業であるフリーランスは、仕事の受注から納品まですべて自分自身で管理しなければなりません。きちんと計画を立て、締め切りまでに作業を終わらせることが出来なければ、信用にかかわります。
もちろん職種にも寄りますが、1つの仕事にかかりきりというわけにもいきません。複数の案件を同時進行できるタスク管理能力も重要になって来ます。また、根本的な話ですが、体調管理も仕事のうちです。フリーランスには、体調を崩しても代わりに仕事をしてくれる同僚は当然ながらいません。
これらを総合して、フリーランスは「セルフマネジメント能力」が問われます。簡単に言えば、「夏休みの宿題を最終日までに終わらせられるタイプ」の方は向いていると言えるでしょう。
【 オン・オフの切り替えが上手 】
フリーランスは時間やカレンダーに捕らわれることのない働き方ですので、極端に言えば365日働くことも、365日休むことも自由です。24時間働いても良いですし、日に3時間だけ働くという選択もできます。ここまで言うとさすがに極端すぎますが、いわゆる「勤務時間」を自分で決めることができます。
だからこそ、プライベートと仕事の時間をしっかり切り替えられないと、いつまでも仕事モードのままだったり、ずっとだらだらしてしまったりとメリハリのない生活になってしまいます。会社に勤めていたときは、出社してから退社するまでが「仕事」、それ以外はプライベートと場所で切り替えができましたが、自宅を仕事場とするとこの手は使えません。
フリーランスの中には、自宅とは別の場所に仕事場を借りたり、コワーキングスペースやシェアオフィスなどを仕事場として利用する人もいます。自分なりのオン・オフのスイッチを見つけ、仕事と生活のバランスを保つことが、長く続けられるコツなのでしょう。
【 コミュニケーション能力が高い 】
「1人で仕事をするのだから、他人とのやり取りが少なくて済む」という印象を持つ人が多いようですが、実際は全く逆です。フリーランスは、自分で営業を行い、自分で交渉を行わなければなりません。クライアントの要望を聞き出したり、条件のすり合わせたりと、細かなやり取りがとても重要になってきます。
立場に捕らわれず、いろんな人と交流し、仕事がしてみたいというタイプは向いていると言えるでしょう。反対に、時間をかけてクライアントとやり取りをしたい、信頼関係を築いていきたいという人にもおすすめです。
取引先とのかかわり方も、自分次第ですから、「打ち合わせなどのコミュニケーションは苦ではないけれど、作業は他人のいない静かな場所でしたい」など、仕事内容に応じて環境の切り替えをしたい人は、会社員よりフリーランスの方が働きやすいかもしれません。
フリーランスになると発生する事務作業
すべてが自分の独断で決められる働き方ですが、それはつまり「自分のことは自分で決めなければならない」ということです。
会社に属していたころは総務や経理の担当者が行っていた事務作業も、すべて自分自身で行う必要が出てきます。契約書や請求書の発行を始め、保険や年金などの納付、経費の計算、その他細々とした申請書類や手続きなど、やらなくてはならないことはたくさんあります。
もちろん、専門家に依頼することも可能はありますが、その依頼も自分でやらなくてはなりません。一番の大仕事と言えるのが、年に一回行う確定申告です。最近ではスマートフォンからでも申告が可能になりましたが、それでも複雑な印象がぬぐえません。そもそも「確定申告」は何故必要なのでしょうか。下記で詳しく説明します。
【 確定申告 】
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間、所得に対してかかる税金を計算し、税務署に申告することです。毎年2月中旬から3月中旬までが申告期間となっています。年間20万円以上の収入がある場合、必ず行わなければならない国民の義務です。企業に属している人にとっては、毎年年末に配布される「年末調整」がそれにあたります。
フリーランスは個人事業主なので、事業所得(仕事で得た収入)を申告しなければなりません。基礎控除や医療費控除、経費などを差し引いた所得額が納税対象となります。もしフリーランスとしての事業所得の他に、アルバイトなどで収入を得ている場合は、必ず源泉徴収票をもらいましょう。支払い形態が「給与」か「報酬」かによって、申告の方法が異なるので注意が必要です。
また、事業所得の他に不動産などの不労所得がある場合は、源泉徴収がされていなければ申告の必要があります。不動産収入が事業規模であればまとめて申告ができますが、小規模の場合は別途簡易記帳が必要になります。面倒くさそうなイメージが強いですが、大抵の場合申告すれば還付金があります。ささやかな額かもしれませんが、きちんと受け取っておきましょう。
複数企業から収入を得ていて、どう申告すればいいのかわからないという人は、税務署の相談窓口で聞いてみましょう。申告期限の直前は混み合うので、秋から冬頃がお勧めです。
フリーランス初心者にもおすすめな3つの職業
ある程度会社との信頼関係があれば、リモートワークの延長のような形でフリーランスに慣れる場合もありますが、複数企業との契約をするような場合、やはり、フリーランスとして仕事をするには難しい職種もあるのです。
とりあえず会社勤めから解放されたい、独立したいという人向けの、始めやすく、比較的仕事がとりやすい3つの職業をご紹介します。
ライター
雑誌・書籍の取材や記事制作する記者・ライター、ブログやメールマガジン、コンテンツ記事を執筆するWebライター、広告などに使われるコピーライトを考えるコピーライターなど、ジャンルや媒体によって活躍の場は様々です。小説家もある意味「ライター」の1ジャンルです。
これら執筆業には資格や認定制度がないため、未経験でも始めやすい仕事の代表格と言えます。クラウドソーシングでの業務仲介件数も多く、まったくツテのない人でも仕事の受注がしやすいのも特徴です。最低限テキストデータを作成する環境があれば、今日からでも始めることができます。
デザイナー
Webサイトのデザインやレイアウトを決めるWebデザイナー、広告やカタログ、グッズ、書籍などの紙媒体をデザインするグラフィックデザイナー、そして挿絵やキャラクターを描くイラストレーターが主な職種となります。
画像編集ソフトを始め、ある程度の仕事環境を整えなければならないので、その分初期費用がかかります。実績よりもセンスが求められる業種です。自分の得意なジャンルが分析できていれば、その分野での活躍が期待できます。
どんな仕事を選ぶか、自分をいかに売り込めるか。営業力も大きなカギになるでしょう。
エンジニア
システムエンジニアやプログラマーなど、ITに関する技術職です。
企業から「独立」という形でフリーランスになる人が多い職種と言えます。技術職ですので、会社に属しているうちにできるだけ多くの人脈を作り、フリーランスになってから「外注」という形で仕事を受注するのが一番スムーズな方法でしょう。
仕事環境を作る関係で、ある程度の初期費用がかかります。また、最新の情報・ソフトが必要になるため、継続的な費用も必要になって来ます。
未経験者には少し厳しいですが、経験者であればさほど違和感なくフリーランスに移行できるでしょう。
フリーランスで仕事を獲得する方法
フリーランスは、会社を辞め、名乗ることで誰でも始めることができます。しかし、仕事をしなければ報酬は発生しません。ただの自称フリーランスになってしまいます。個人事業主になった人が仕事を得る方法は主に以下の3つです。
・クラウドソーシング
・求人サイト
・知人の紹介
どれか1つに絞るというよりは、複数の方法を組み合わせて、常に一定の仕事量をこなせるようになれば一人前と言えるでしょう。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、運営会社がまとめて企業から業務を受注し、登録している利用者へ仕事の仲介を行うサービスです。未経験者でも受けられる仕事もあり、小さな仕事からコツコツと実績を積むことで、指名の仕事を依頼されることもあります。また、逆に利用者から企業への提案も行うことができます。
サービスによって、ライティング、デザイン、エンジニア、コンサルなど様々な職種を扱っているので、自分に合ったものを選びましょう。まだ仕事が少ない、フリーランスを始めたばかりの人におすすめです。
求人サイトを利用する
求人サイトと言うとイコール就職というイメージがありますが、フリーランス向けの求人サイト・エージェントサイトもあります。通常の求人サイトでも、「在宅作業」などで検索するとフリーランス向けの案件がヒットすることもあります。
また、こうしたサイトに「業務委託」という形で求人を出している企業であれば、営業をかけてみるのも1つの手段です。
知人の紹介
同業種のフリーランス、企業の知人がいるなら、仕事を紹介してもらうのも良いでしょう。
自分の技能を証明するポートフォリオや、具体的な実績などをまとめておくと、より紹介してもらいやすくなります。企業から独立という形でフリーランスになる人は、会社にいるうちに、できるだけ人脈を作っておいて仕事を頼まれやすい関係性を構築しておくことも非常に大事です。
会社での働きぶりを知られているので、通常の紹介よりも仕事の依頼が来やすく、むしろ積極的に仕事を振ってくれる人もいます。
フリーランス初心者が苦戦するのは仕事探し
フリーランスになりたての人が一番苦労するのは、やはり仕事を得ることです。会社にいれば何かしら仕事が回ってくるものですが、個人授業主ともなればそうもいきません。常に営業や売込みを行うことが必要になってきます。
また、在職中にどれだけ人脈を作ろうとも、タイミングよく依頼が来るとも限りません。最初は多方面に営業や売込みを行いながら、クラウドソーシングサイトなどで仕事を探すのがおすすめです。
また、取引先もできるだけ多く持っておいた方が安心です。選択肢が増えれば、条件の合わない仕事を断ることもできるようになります。ただ、取引先が増えるに連れて仕事の時間が増えていき、プライベートとの両立や品質の担保など様々な問題も出てくるので注意も必要です。
フリーランスになるための準備や注意点
フリーランスはいつでも始めることが出来ますが、始める前に必ず行う大仕事があります。
それは「退職」です。
会社を辞め、個人事業主として独立する必要があります。もちろん退職に関する手続きや引継ぎなども大変ですが、会社を辞める前と辞めた直後、やらねばならない手続きやしておくべきことがいくつかあります。
後になってから「しまった!」とならないよう、退職前から時系列で紹介していきます。
フリーランスになる前に済ませたいこと
フリーランスになると、多くの人が気にするのが「社会的信用」です。企業に属している人なら、余程のことがない限り毎月一定の収入が保証されます。しかし、フリーランスにはその保証がありません。
これらの契約はなるべく会社在職中に済ませておきましょう。また、すでにローンがある人は、支払い計画の見直しが必要になるかもしれないので注意してください。
退職後に必要な手続きは速やかに行う
退職後には様々な事務手続きを行う必要があります。特に急いで行う必要があるのが「健康保険」と「年金の切り替え」です。これらは退職後14日以内に行う必要があります。
健康保険は、国民健康保険に切り替えるか、会社の健康保険や協会けんぽの任意継続が選べます。年金は厚生年金から国民年金へと切り替わります。どちらも役所での手続きが必要です。
もう1つ手続きとして必要なのが開業届です。
実は出さなくてもフリーランスとして働くことはできるのですが、所得税の控除額が大きくなるため、出しておいた方が良いでしょう。これは税務署での手続きになります。
退職後に行う手続き
◆ 健康保険の切り替え(役所にて退職後14日以内)
◆ 年金の切り替え(役所にて退職後14日以内)
◆ 開業届の提出(税務署にて、出来るだけ早めに)
積極的な情報収集やスキルアップを心がける
常に求められる人材になるには、積極的な情報収集やスキルアップが必要です。会社にいると何をしなくても業界の情報が耳に入ってきますが、自宅などそれらから遠い環境で仕事をしていると、最新の情報に疎くなってしまいます。
取引先からそれとなく聞き出したり、勉強会やセミナーなどに参加し、新鮮な情報に触れるようにしましょう。また、同業者が集まるイベントは人脈を広げるチャンスでもあります。フリーランスになりたての時は特に、積極的に参加する機会を作ると良いでしょう。
仕事を切らさないように受注先の確保が大切
業種によっては繁忙期や閑散期が偏っていることもありますが、できるだけ常に何かしらの案件を持っているようにしたいものです。フリーランスは働けば働いただけ収入がありますが、仕事が切れれば収入が途切れてしまう危険性があります。
どんなに小さな仕事でも、初めは受注先は多く持つのがおすすめです。たとえ最初は小さな仕事だとしても、クライアントから認めてもらえれば、やがて大きな仕事を依頼される場合もあります。仕事が途切れそうな時は、自身で営業活動に力を入れたり、クラウドソーシングを利用したりしてみるのも良いでしょう。
おすすめを参考にしてフリーランスデビューしよう
「ブラック企業」の問題が話題となり、生活の質を表す「QOL」が叫ばれる時代。
「自分らしく仕事ができる」フリーランスという働き方は高い評価と期待がかけられています。フリーランスは自分で働き方を決め、仕事を決める自由を得る代わりに、大きな責任を負うことになります。それでも、自分の仕事がダイレクトに評価されることから、特別な達成感を得ることもできます。
また、会社員時代はなかなか上がらなかったお給料もフリーランスの場合は、仕事をすればした分だけ、対価としてお金が返ってくるので、より一層仕事に臨む人も多いでしょう。
自分のスキルを活かしたいという向上心はもちろんですが、会社勤めに閉塞感を感じている人も、フリーランスに向いているかもしれません。ただ、フリーランスは会社員と比べると、安定した収入はないので、毎月が勝負です。それでも、ストレスフリーな生活を手に入れることができたり、自分の自由な時間を好きな時に確保しやすいなどの、フリーランスのメリットは非常に多いです。
ぜひ、これからフリーランスを目指される方は今回紹介した記事を参考にしてみてください。
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