〜日本語教師への道〜
子どもへの日本語教育は、未来がある!
日本語教師を目指したきっかけを教えてください。
前職は百貨店で洋服の販売の仕事に携わっていましたが、ここ10年間ほどは専業主婦をしていました。子どもが小学校に入って時間ができたので、何か仕事をしたいなと思っていました。
日本語教師という仕事は、行きつけのネイルサロンのネイリストさんに勧められて初めて知りました。たまたま、その方がヒューマンアカデミーのネイリスト講座の修了生で、私が外国に興味があることも知っていたので「日本語教師をやってみたら?合うと思いますよ」と勧めてくださり、パンフレットを取り寄せたのがきっかけです。
ヒューマンアカデミー以外のスクールなどは検討されましたか?
20代の頃、(株)FM仙台でアナウンサーの仕事をしていた時に、ヒューマンアカデミーのアナウンスライセンス講座で講師をしていたことがあるんですよ。そんなご縁もあってヒューマンアカデミーの良さを知っていたので、他の学校はまったく考えませんでした。
アナウンサーの後、コンピューターソフト会社のインストラクター、百貨店での接客の仕事を経験し、人と話すことには慣れていると思っていましたが、普段何気なく使っている日本語の難しさを改めて実感しました。でも、学んだことは人に教えたくなるようなことばかりでしたね。まだまだ吸収しなければならないことがたくさんあるので、これからも長く楽しみながら働ける仕事だなと思いました。
現在のお仕事はどのような経緯で始められたのですか?
江戸川区で今年度の4月から外国籍児童の日本語学習を支援する新事業を試験的にスタートするということで採用していただきました。
現在は、小学生に生活言語を教える「放課後にほんご広場」を担当しています。全12回の授業で、「わかる」「わからない」や具合が悪い時やケガをした時の自分の状態など、「こんな時にどうするか」を考えながら日常会話を身につけ、日本人の友達ができるようになることが目標です。まったく日本語がわからない子も、日本人の友達ができると日本語力がぐんと伸び、1ヵ月くらいでかなり日本語が話せるようになります。そのスイッチがおもしろいです。
「放課後にほんご広場」に来る生徒はどのくらいいますか?
清新ふたば小学校には100人近く外国籍児童がいますが、「放課後にほんご広場」に来ているのは1割程度です。「日本人の小学校に入れているだけでも本人は大変なのに、放課後まで日本語の授業を受けさせるのは可哀想だ」と考えている親御さんが多いようですね。
そんな子どもさんが家で気軽に見て学べるように、「放課後にほんご広場」を10分に凝縮した「にほんご ひろば」というオンライン日本語講座を開設しました。
オンライン日本語講座「にほんご ひろば」
田久保さんにとって日本語教師の魅力とは何ですか?
「子どもの日本語教育は未来がある。」それが、私のモチベーションになっています。子どもの吸収力や成長には目を見張るものがあります。どんなに失敗しても、トライして、友達に助けてもらって、時には喧嘩して笑い合って、成長していく姿を一緒に見られるのは、子どもの日本語教育 ならでは。苦労や労力は大人以上にかかると思いますが、その何倍もの感激があります。
日本語が上手になることよりも、日本語が使えないことで「できなかった」「仲間に入れなかった」ことがないようになってほしい。知りたいのにできないといった消化不良を抱えたままの子どもたちはたくさんいるんですよ。それを1個ずつ消化してあげることで、やっとひとつ前に進めると思うんです。
日本語を自分の武器のひとつとして身につけてほしい。その思いをとても大切にしています。