毎日の仕事や家事などで、どうしても溜まってしまう疲れやストレス。心身を癒す方法にはさまざまなものがありますが、今回ご紹介するのは、花を使って癒される「フラワーセラピー」です。
本記事では、フラワーセラピーで期待できる効果や実践方法、花の種類による効果の違いなどをわかりやすく解説します。「もともと花が好き」という方も、「花を飾る習慣があまりない」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
フラワーセラピーとは
フラワーセラピーの概要
フラワーセラピーとは、花やハーブを用いて心身のバランスを整えるものです。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を用いて花やハーブに接することで、脳を刺激して活性化します。
ストレスや悩みから開放し、疲れを癒す方法の一つとして、医療施設や介護施設などの専門機関でもフラワーセラピーが取り入れられています。
フラワーセラピーの効果
フラワーセラピーに期待できる効果としてまず挙げられるのがリラックス効果です。生の花を見ると、「α波」という脳波が多く出るとされています。α波は、リラックスしているときほど多く出現する脳波です。したがって、「花を見ていると心が和む」という感覚には、こうした根拠があるのです。
ほかに、花の色で癒やされるカラーセラピーとしての側面や、花の香りによるアロマセラピーとしての側面もあります。
また、ハーブティーやハーブ料理を味わうこともフラワーセラピーに含まれます。ハーブは、イライラを抑えたり消化機能を改善したりと、さまざまな形で心と身体を整えてくれます。
このように、フラワーセラピーにはたくさんの効果が期待できるのです。
フラワーセラピーの方法
それではここで、自宅で取り組めるフラワーセラピーとして、3つの方法をご紹介します。お好みに合わせて、ぜひ試してみてください。
部屋に花を飾る
もっとも手軽にできるのが、自分の部屋に花を飾るという方法です。デスクや窓際など、生活の中で頻繁に目に入る場所に花器を置き、気に入る花を飾ってみましょう。
部屋は、その人の生活、ひいては人生の基本となる場所です。そのような場所に花を飾っておくことで、ストレスや疲れが自然と癒され、日々を生き抜くパワーが湧いてくることでしょう。
このとき、造花やドライフラワーでなく、生命力を感じられる生花を飾るのがおすすめです。
花の精油でアロマセラピー
続いては、花に由来する精油(エッセンシャルオイル)を用いたアロマセラピーです。アロマディフューザーを使用して香りを拡散させたり、お風呂に数滴垂らしてリラックスバスタイムを楽しんだりしてみましょう。
花から作られる精油には、以下のようなものがあります。
- イランイラン:鎮静と興奮のバランスを取ってくれます
- カモミールローマン:安心感を得て、ありのままの自分を受け入れるのに役立ちます
- ジャスミン:恐れを取り除き、素直な感情表現を促します
- ミモザ:傷ついた心を癒し、心を落ち着かせてくれます
- ローズ:穏やかに元気を取り戻させてくれます。アンチエイジング効果もあります
なお上記の精油については、妊娠中の方や小さな子どもへの使用は控えるようにしてください。精油が使えない場合は、生花の香りを直接楽しむのがおすすめです。
花を育てて命と向き合う
花やハーブなどの植物を育てることにも癒し効果があります。
植物に直接触れて、その感触を味わうことがリラックスにつながります。また、土の中に生息する微生物には、ストレスを軽減して心の調子を整える効果があるとされています。
自然の生命力を感じながら、心身の疲れを癒しましょう。
花の色がもたらす効果を知っておこう
先ほどご紹介した中で、特に「花を飾る」という方法では、花の色も重要ポイントの一つになります。色によって、異なる効果が期待できるからです。
ここでは、それぞれの色の花から得られる効果や、おすすめのシチュエーションをご紹介します。状況に適した色の花をセレクトしてみましょう。
赤い花:バラ・カーネーションなど
赤色には、交感神経を刺激し、血行をよくする効果があります。
やる気を出したいときやパワーがほしいときなど、「攻め」の姿勢で物事に取り組みたいときには、赤い花を飾ってみましょう。また、心身の強壮作用があるため、なんとなく気分が沈んでしまうときにもおすすめです。
黄色い花:ヒマワリ・水仙など
黄色には、脳を刺激して集中力をアップさせる働きがあります。頭をすっきりクリアにしたいときには、黄色い花がおすすめです。
さらに黄色には、消化吸収や新陳代謝の働きを高める効果もあります。食欲が湧かないとき、どんよりとした停滞感があるときにも、黄色い花を活用してみましょう。
青い花:デルフィニウム・アジサイなど
青色は、赤色と対照的に、副交感神経を刺激する効果があります。したがって青い花を見ると、心身ともにリラックスすることができるのです。穏やかに過ごしたいときには、青い花を飾るとよいでしょう。
良質な眠りに導いてくれる効果もあるので、神経が昂ぶって眠れない日が続くときには、寝室に青い花を飾ってみましょう。
紫の花:ラベンダー・スターチスなど
紫という色には、直観力や創造力を高め、芸術的センスを引き出す力があります。ひらめきや洞察力を得たいときには、紫色の花を飾るのがおすすめです。
また紫色は、心身を癒し、回復機能を高める効果も持っています。ストレスが溜まってつらいときにも、紫色の花が役立つでしょう。
白い花:ユリ・かすみ草など
白色には、リフレッシュ効果や浄化作用があります。気持ちを切り替えたいときや、心のモヤモヤが取れないときなどに、ぜひ白い花を飾ってみてください。
また、新生活を迎えた人にもおすすめです。白い花が、新たなスタートを支えてくれるでしょう。
まとめ
フラワーセラピーは、花の力を借りて日々の疲れやストレスを癒やし、心身のバランスを整えるセラピーです。生花を飾る、花由来の精油でアロマセラピーを行う、花を育てるなど、自宅でフラワーセラピーを実践する方法はいくつもあります。生活の中に花を取り入れて、健康的な生活を送りましょう。
花を飾る場合には、色にも工夫するのがおすすめです。それぞれの色が、異なる効果を持っています。シチュエーションや求める効果に合わせて、さまざまな色の花を楽しみましょう。