私たちにはさまざまな感情があります。晴れやかな気分のときもありますが、気分が沈んでどうしようもないときもあります。そのようなときは「できるだけポジティブでいよう」と思うものですが、マイナスな気分をプラスに切り替えるのは簡単なことではありません。
本記事では、ネガティブな感情が及ぼす3つの悪影響や、ネガティブな感情をコントロールする方法をご紹介します。ぜひ、気分がすぐれないときの参考にしてください。
ネガティブ感情が及ぼす3つの悪影響
ここでは、ネガティブな感情が及ぼす悪影響のなかから、代表的な3つをご紹介します。
不快感
怒りや不安などのネガティブ感情は、「この状況にいてはいけない」という危機感を察知して鳴らされる本能的なアラームです。その場所に居続けると危険なことが起こったり、過剰なストレスがかかったりしかねないときに、そういった事態を避けるために脳が知らせているのです。ネガティブな感情が出てきたときに不快感を覚えるのはそのためです。
血圧を高める
先述したようにネガティブな感情(「この状況にいてはいけない」というサイン)が出ると、血圧が上がることもあります。そうすると心拍数も上がるので、不快感を覚えます。
ストレスの増加
ネガティブな感情は、ストレス増加の原因にもなります。ストレスを溜めたままでいると不健康になるばかりか、脳の老化を早めるともいわれています。健康に長生きするためにも、ネガティブな感情のコントロール方法を覚えておくことをおすすめします。
ネガティブな感情をコントロールする4つの方法とは?
ネガティブな感情をすべて排除するのは、残念ながら不可能です。しかし、ネガティブな感情に飲まれてしまうのはもっといけません。ここでは、ネガティブな感情をコントロールする4つの方法をご紹介するので、気分が落ち込んだときなどに実践してみてください。
感情を書き出す
ネガティブな感情が出てきたときは、ノートなどに感情を書き出してみましょう。
そうすると、自分が今どのような精神状態にあるのか、どのような感情なのかを客観的に把握できます。状況を冷静に受け止めることができると、感情に飲まれてネガティブになることもありません。
また、書くことで感情を吐き出してしまえば、気持ちがすっきりすることもあります。感情を書き出すときには、できるだけ詳しく書きましょう。
ポジティブな部分に注目する
ネガティブになった原因のなかに、ポジティブな要素を探しましょう。
「あんなミスをしてしまったけれど、その後しっかりと謝れたのは良かった」など、どのようなことでも構いません。「失敗してものすごく叱られたけど、泣かないで笑顔で挨拶できた」でもOKです。ネガティブなことばかりに目がいきそうなときこそ、ポジティブな要素を探しましょう。
「自分には何もできない」「何をやっても失敗ばかり」とすべてを否定するより、「ダメなところもあるけど、いいところだってある」と、前向きに考えることができます。大切なのは、自分を全否定する状況を作らないことです。自分を肯定できる要素を探しましょう。
感情の原因を探る
ネガティブな感情が出てきた原因を探るのも、感情をコントロールするには有効な手段です。「なぜネガティブな感情が出てきたのか」を客観的に整理していくと、理性的になれるでしょう。
また、原因を探っていくうちに「あのときはこうしたほうが良かったのでは」という改善案も発見できます。改善案が見つかれば、ネガティブな感情が出てくる原因をなくすこともできるかもしれません。
失敗を活かす
ミスが原因でネガティブな感情が出てきたときは、「次にミスをしたときにどう対処するのか」を考えます。
大切なのは「どうしたらミスをしないか」に重きを置かないことです。
ミスをしないように気をつけるのも大事ですが、力を入れ過ぎると、同じようなミスが起きたとき、「こんなに注意していたのに、またやってしまった」とネガティブに考えがちです。
「何ごとにもミスは付きもの」というくらいの前提でいれば、ミスをしても不必要に落ち込むこともないでしょう。失敗をネガティブな感情の原因にしないことが大切です。
ネガティブ感情にならないコツ
ここでは、ネガティブな感情にならないコツをご紹介します。
思考パターンを増やす
ネガティブな感情は、「思い込み」が原因になることが多いです。思い込みというのは、例えば、「こういうときはこうしなければ」「私には絶対にできない」といった決めつけです。
この思い込みを減らすのに有効なのが、思考パターンを増やすことです。例えば、「絶対に無理!」と思うような状況に直面したとします。これまではあきらめていたかもしれませんが、まずは「無理」という「思い込み」を捨ててみましょう。
そして、その問題を乗り越えた人の体験談などを聞き、「そんなやり方もあるんだ」「とりあえずやってみようかな」と考えてみるのはどうでしょう。いろいろな考え方や見方ができるようになると、ネガティブな感情になる状況も減っていきます。
ポジティブな人の近くにいる
ネガティブな感情をなかなか改善できないという方は、意識してポジティブな人の近くにいるようにしましょう。できるだけ多く接するようにして、ポジティブな人がどのような考え方や行動をしているのかを観察します。同じ映画を観ても、「こんなに感想が違うのか」と驚くこともあるかもしれません。
ポジティブ思考の人と接しているうちに、ポジティブな感情はごく自然なものだと気付くはずです。
まとめ
ネガティブな感情はストレスを増やし、健康にも悪影響をおよぼします。しかし、ネガティブな感情をすべて排除することはできないので、上手につきあい、コントロールする必要があります。「私にはできない」「絶対に無理」という思い込みを捨て、「とりあえずやってみよう」くらいの軽い気持ちで取り組んでみれば、ネガティブな感情を減らすきっかけにもなります。大切なのは、失敗を恐れない気持ちです。
ネガティブな感情は、上手にコントロールすれば逆境に立ち向かう心理的強さなどを得られるきっかけを作ってくれる感情でもあります。また、危機を教えてくれる重要な感情でもあるので、ゼロにする努力をするのではなく、受け入れたうえでコントロールして、上手に対処していきましょう。
今回ご紹介したネガティブ感情にならないコツは、簡単に実践できることばかりなので、気持ちがすぐれないときなどに気軽にチャレンジしてみてください。