ポジティブ心理学の資格とは？取得を目指して専門知識を身につけよう

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個人や組織を繁栄させるような強み・長所を研究する心理学である、ポジティブ心理学。ポジティブ心理学にも、関連の資格がいくつかあります。

ストレスの多い現代では、メンタルヘルスが取り上げられていることもあり、心理学関連の資格の人気も上がってきています。しかし、心理学に関する資格が多すぎて「どれを取得すれば良いのかわからない」という方は少なくないでしょう。

本記事では、数ある心理学関連資格のなかからポジティブ心理学に関連する資格を10個取り上げ、それぞれの資格概要や取得方法について解説していきます。

ポジティブ心理学とはどういうもの？

ポジティブ心理学は日本でもさまざまな分野で導入されており、大分広まってきたとはいえ、欧米と比べると知名度が低いのが実情です。

ポジティブ心理学が誕生したのはアメリカの心理学者マーティン・セリグマン氏が提唱し、学問として確立されました。誕生してまだ22年しか経っていない心理学のなかでも新しい学問領域です。

「ポジティブ」というだけあり、人間が幸福かつ心身ともに健康な生き方を手に入れるために心理学的にできることを、統計やデータをもとにして科学的に研究を行う学問です。

その研究成果は、ビジネスや人間関係・スポーツなどさまざまな分野で活用されています。

なお、「ポジティブ思考（シンキング）」と混同している人が多くいますが、似て非なるものです。ポジティブ思考というのは、独自の経験や判断がそのベースにあります。そのため、効果があるかどうかには個々によって違います。

ポジティブ心理学は、心理学的統計・データに基づいて検証しており、多くの人に効果があることが実証済みです。

ポジティブ心理学に関する資格10個を紹介

ポジティブ心理学に関連する資格は国家資格や国家検定、公的資格ではなく、すべて主催団体が認定する民間資格です。

とはいえ、専門知識があることの証明にはなるため、多くの人が資格取得を目指して勉強しています。

ここでは、ポジティブ心理学関連の資格について、概要や取得方法を解説していきます。

ポジティブ心理カウンセラー

ポジティブ心理カウンセラーは、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定している資格です。

国内外で研究開発された実証研究やマニュアルを基本として、カウンセリングに応用・実践したものです。講座はカードゲームやチェックリスト、ワークシート、心理テストを使い、ワークショップ形式で行われます。

講義は2日間で行われ、講座修了後に申請することで「認定ポジティブ心理カウンセラーBasicコース（3級）」を取得可能です。

ポジティブキャリアカウンセラー

ポジティブキャリアカウンセラーは、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定しています。

キャリアカウンセリングに関連する心理学をはじめとして、ポジティブ心理学、コンサルティング心理学、コーチング心理学などを活用したキャリアカウンセラーを養成する講座です。

認定レジリエンスカウンセラー

認定レジリエンスカウンセラーとは、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定する資格です。「レジリエンス」とは、ポジティブ心理学における重要な概念の一つで、ストレスから立ち直る回復力・逆境力、克服力という意味があります。

認定講座では、レジリエンスに関するアセスメントや心理テスト、カードゲーム、フレームワークを活用して、ワークシートを取り入れた講義が行われます。

講座修了後は、資格申請すれば「認定レジリエンスカウンセラー（初級）」を取得することが可能です。

ポジティブ感情カウンセラー

ポジティブ感情カウンセラーは、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定しています。

ネガティブ感情をコントロール・マネジメントするものではなく、ポジティブ感情に転換する手法を学びます。

上記の資格と同じく、2日間行われる養成講座を修了・申請後に取得できる資格です。

マインドフルネスカウンセラー

マインドフルネスカウンセラーは、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定する資格です。

「マインドフルネスカウンセラー」とは、マインドフルネス瞑想やその効果促進を期待できる心理療法・イメージ療法に関わる支援者を指します。

この講座では、ポジティブ心理学を活用したカウンセラー養成を行っています。瞑想だけではなく、ゲームや心理テストなどを使った自己分析などを取り入れ、多角的なワークショップを行うのが特徴です。

講座は2日間行われ、講座修了後は申請することで「マインドフルネスカウンセラー（Basic）」の資格を取得できます。

ポジティブ心理療法士

ポジティブ心理療法士は、一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会が主催・認定しています。

同協会が認定する他の資格と異なるのは、講座修了による認定ではなく、協会が認定する以下の資格（初級）を取得しなければ受験資格が得られない点です。

【必修・選択必修となる資格】

ポジティブ感情カウンセラー（必修）

ポジティブ心理カウンセラー（必修）

マインドフルネスカウンセラー（必修）

レジリエンスカウンセラー（必修）

エンカレッジカウンセラー（選択必修）

など

実際、協会のWebサイトには以下のように明記されています。

【ポジティブ心理療法士®】とは、「ポジティブ心理学」などの肯定的なプロセスを利用した心理療法、ポジティブ教育、ポジティブ感情、カウンセリング、アセスメント、ストレングス、レジリエンス、マインドフルネス、エンカレッジ、メンタルヘルス、メンタリングなどを統合的にマスターされた方に送られる資格です。

引用：ポジティブ心理療法士®

ポジティブ心理学実践インストラクター

ポジティブ心理学実践インストラクターは、一般財団法人日本能力開発推進協会が主催・認定する資格です。

同協会が行っている養成講座を3ヵ月間受講し、認定試験を受験して得点率が70％以上であれば合格です。

講座ではまず、ポジティブ心理学の基礎となる「PERMA-V」などを学びます。基礎を固めたら、ポジティブ感情をアップさせるティッピングポイントやレジリエンス、物事の見方を補正するABCDE理論について学習していきます。

多くの通信講座を運営しているスクールだけあり、無理なく学べるカリキュラムとなっています。

ポジティブ心理学プラクティショナー

ポジティブ心理学プラクティショナーは、Japan Positive Psychology Instituteが認定している資格です。のちに紹介する「ポジティブ心理学トレーナー」の基礎資格となります。

認定講座はヒューマンアカデミーにて、以下のカリキュラムで行われます。

ポジティブ心理学入門
人間関係の構築
ポジティブ感情について
強みを自覚・活用
強みの応用・まとめ

認定団体は、ポジティブ心理学を提唱したアメリカの心理学者であるセリグマン氏が顧問を務めている団体です。彼が開発した診断ツールを活用して強みを発掘し、これまでに研究が行われ効果が実証された手法を用いたワークショップを行います。

ポジティブ心理学ビジネスプラクティショナー

ポジティブ心理学ビジネスプラクティショナーは、Japan Positive Psychology Instituteが認定する資格です。

「ポジティブ心理学プラクティショナー」との違いは、家庭でも活用可能でありながら、リーダーシップやウェルビーイングなど、ビジネス向けになっている点にあります。

2019年度の講座では、2日間のワークショップ形式となりました。事業成長や組織のポテンシャルを引き出す方法、リーダーシップ、ウェルビーイングに関するワークショップ・パネルトークセッションが行われていたようです。

ポジティブ心理学トレーナー

ポジティブ心理学トレーナーはJapan Positive Psychology Instituteが認定を行う資格であり、以下いずれかの資格を認定されていなければ受講できません。

ポジティブ心理学プラクティショナー
ポジティブ心理学ビジネスプラクティショナー

講座は全部で5日間行われます。カリキュラムは以下のとおりです。

※講座はすでに終了しています。

Day1 – 2020.2.22.sat

『ポジティブ心理学を俯瞰する』

– ポジティブ心理学とは？（従来の心理学と比較して）

– well-being＆PERMA

– 代表的ワーク（３つのいいこと　など）

Day2 – 2020.2.23.sun

『ベストな人間関係を創る』

– 感謝と親切

– 毒素と積極的建設的リアクション

– ポジティブコーチング

Day3 – 2020.2.24.mon

『ポジティブ感情の力を活用する』

– 拡張形成理論

– 最高の自分

– ポジティブストーリーテリング

Day4 – 2020.7.4.sat

『強みを自覚し活用する』

– VIA-IS

– ジョブクラフティング

Day5 – 2020.7.5.sun

『しなやかな強さを引き出す』

– 学習性楽観主義

– 逆境から教訓を得る

『最高の人生を生きる』

– 人生の目的と価値観

引用：「ポジティブ心理学トレーナー」6ヵ月トレーニング

講座修了後に行われる認定試験に合格することで、資格が付与されます。

ポジティブ心理学関連資格を取得するメリット2つ

ポジティブ心理学に関する資格を取得すると次のメリットがあります。

専門知識を証明できる

心理学・カウンセリングでは専門知識を要します。民間資格なので資格がなくてもカウンセラーとして活動可能ですが、資格の保有により専門知識を持っている証明になるでしょう。

心理学は、常に新しい知識が出てくる世界です。資格取得後もしっかりと学んで、知識を増やしていきましょう。

自身の仕事に活かすことができる

ポジティブ心理学に関する資格は、自身が本業として行っている仕事に活かすことができます。

心理学関連の資格は、カウンセラーを目指す人のためと思われがちです。

しかし、実際には大学教授や刑務官、法務教官、社会保険労務士など、カウンセリング・心理学関連の知識を求められる周辺分野で働いている人の受講が目立ちます。

それほどに、心理学に関する知識はあらゆる分野で役立ち、これまでの仕事はもちろん、新しい仕事へも活用できるのでしょう。

まとめ

心理学関連の資格は多くありますが、そのなかでも養成講座を受講することで取得できる手軽さから、ポジティブ心理学の資格に人気が集まっています。

資格の取得はポジティブ心理学に関する専門知識を有する証明にもなります。心理学の知識を求められる職業もしくはその周辺で働いている人は、積極的に資格取得を考えてみてください。

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