目次
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  1. 1. キャリアアップとは?
  2. 1. スキルアップとの違い
  3. 2. 転職することがキャリアアップというわけではない
  4. 3. 部署異動や転勤をしてキャリアアップを行うメリット
  5. 1. 社内でのポジションや立場を上げることができる
  6. 2. 目標ができることでモチベーションアップにつながる
  7. 3. 別のスキルを要求される部署に異動することで様々なスキルを得ることができる
  8. 4. まとめ

「もっと仕事の幅を広げたい」「他の業務にもかかわってステップアップしたい」仕事に対して意欲的な人ほど、キャリアアップの手段として、一度は転職を検討したことがあるのではないでしょうか。近年では終身雇用にこだわる考え方も淘汰されつつあり、キャリアアップを目的とした転職は珍しくなってきています。

しかし、転職だけがキャリアやスキルを上げる唯一の手段というわけではありません。縁あって入社した会社であれば、転職せずにキャリアアップする方法を模索するのも1つの方法です。

ここでは、キャリアアップの定義や転職との関係にくわえ、部署移動や転勤など、社内制度を活用したキャリアアップのメリットについてご紹介しています。

キャリアアップとは?

そもそも、「キャリアアップ」にはどのような意味があるのでしょうか。

英語の”Career”には、仕事や職業における「経歴」「職歴」といった意味合いがあります。「キャリアを上げる」ということは、自分が生涯において携わる仕事について経験や知識を増やし、より高い地位で働くことを目指すものです。

任される業務や担当が増え、地位や役職が上がれば、給与や報酬も比例して上がっていくこととなります。

スキルアップとの違い

キャリアアップについて語られる場面では、「スキルアップ」について言及されることもあるでしょう。キャリアアップとスキルアップは、「自分の能力を上げる」という意味では似ていますが、厳密にことなります。

キャリアアップは、上記のように仕事上の経歴を高めると同時に、地位や報酬も引き上げる、という意味合いで使われます。これに対して、スキルアップは「仕事の技能や質を高める」という点に限定されるため、役職や給与の向上が含まれないときに使われることが多いのです。

たとえば、海外取引に必要な力を磨く目的でビジネス英語を学ぶことは、スキルアップの一環であるといえます。その努力によって業績が認められ、好条件でヘッドハンティングされたり、チームリーダーや主任からマネージャー、課長へと昇進したりすれば、その時点で「キャリアアップ」といえるわけです。

転職することがキャリアアップというわけではない

業種や社内規定にもよりますが、同じ会社に勤めながら飛躍的なキャリアアップをはかるのは、簡単な道のりでないケースも多いでしょう。「キャリアアップのためには転職が必須」というイメージが強くなるのも、同じ会社で地位を高めることの難しさからきているのかもしれません。

しかし、転職したからといって、必ずしもキャリアアップに成功するとは限りません。現在よりもよい待遇で入社してはみたものの、微妙なルールの違いや連携の取りにくさなどから、思うように力が発揮できず成長が滞ってしまうケースもあります。それだけでなく、社風が合わずに短期間で転職を繰り返し、キャリアダウンしてしまうケースも少なくないのです。そういった意味で、キャリアアップを目的とした転職は、失敗したときのリスクが大きいといえるでしょう。

 

会社によっては転職だけではなく、社内制度を利用してキャリアアップをはかれる会社もあります。転勤や部署移動が可能な会社であれば、現在のポジションとは違うポストへつくことによって、自身の仕事の幅を広げられる場合があるのです。

社内間での配置変えなら職歴が変わることもなく、転職よりも失敗したときのリスクを抑えることができます。異動できる部署や支店の有無など、会社の規模によっては社内制度を利用できない場合もありますが、中小規模の会社でも、子会社や関連会社への出向といった選択肢が利用できるケースもあるでしょう。

 

転勤や異動は会社からの辞令を待つだけでなく、自分から願い出てもよいのです。キャリアアップのための前向きな提案であれば、会社側も真摯に検討する可能性は高まります。転職を決断する前に「ほかの部署が管轄している仕事にもかかわってみたい」「本支店へ異動して、自分の力を試したい」と声を上げてみて、社内制度の利用が可能か確認してから転職を検討しても遅くはないでしょう。

部署異動や転勤をしてキャリアアップを行うメリット

最後に、部署移動や転勤など、社内制度を利用してキャリアアップすることによるメリットについてもご紹介しましょう。

 

社内でのポジションや立場を上げることができる

会社によっては、特定の人物をキャリアアップさせる目的で、あえて小さな部署や地方の支店へと社員を異動させるケースがあります。反対に、本店や大きな支店など多忙な部署へと転勤する、いわゆる「栄転」のパターンなどもあるでしょう。

同じ会社で別の部署へと異動することにより、経営状況や運営体制について、より深く知る機会へとつながります。社内外の人脈も増え、今まで気づかなかった問題点やアイデアが生まれるきっかけになるかもしれません。

転勤と同時に役職が上がるケースもありますが、転勤や異動を経験したのちに一定の業績を上げれば、将来的に大幅なキャリアアップを達成する足掛かりとすることもできるでしょう。

目標ができることでモチベーションアップにつながる

新しい職場に慣れるため、または結果を出すためには、明確な目標設定と努力が欠かせません。部署移動や転勤による環境の変化は、転職した場合に感じる新鮮さや、身の引き締まる思いに通じるものがあります。

キャリアアップに対して意欲的な人は、現在担当している仕事に対して「長年同じ業務で居心地よい反面、物足りなさがある」「ぬるま湯のような環境にずっと浸っていてもよいのか」といった不満や焦りを感じることも多いのではないでしょうか。

新しい環境に身を置くことで、1から周囲との関係を構築したり、特に業績不振の店舗を建て直す使命があったりする場合には、達成するべき自己の目標や会社から希望されている目標ができることによって、これまで以上にモチベーションを保ち、さらに精力的に働く要因にできるでしょう。

別のスキルを要求される部署に異動することで様々なスキルを得ることができる

転職による環境の変化は、多くの場合前職と同じポジションでのスタートとなるのが一般的です。企業側でも、その人が現在持っているスキルを活かして働いて欲しい、という要望を持って採用するケースが多いでしょう。

その点、社内での部署異動や転勤では、時にまったくことなる管轄の部署や業務を任されるケースもあります。はじめのうちは、自分がこれまで培ってきた能力を活かしにくかったり、勝手がわからず戸惑ったりすることもあるでしょう。しかし、別のスキルを要求される部署では、そういった困難以上に、得られるものが大きいのです。

たとえば、営業の前線で新規獲得をメインに活躍していた人であれば、その後のフォローアップや契約に関する手続きなど、「自分の仕事のその先」についてはよくわからない、という場合があります。逆に、会計や税務、人事など社内業務を主に担当している人であれば、営業における交渉や根回しといった点には疎くなりがちです。

今までとは別のスキルを要求される部署へ異動すると、そういった自分の知らない場所で行われている業務についてのスキルが身につき、総括的な視点で仕事に携わることができるようになります。

様々なスキルを得ると同時に、マネジメントやキャリアアップに必要な多角的視点を持つことができるようになるのです。

まとめ

キャリアアップとは、自分の持っている仕事のなかで、地位や報酬も含めて内容を高めるという意味合いがあり、単に業務上の技術を磨くスキルアップとはことなります。キャリアアップのために転職をするのも選択肢として悪くありませんが、部署異動や転勤など、社内制度を利用できる会社であれば、転職しなくてもキャリアアップをはかることは可能です。

異動をきっかけに社内での地位が上がることや、モチベーションアップや大幅なスキルアップをかなえる可能性もあるため、転職を検討する前には、1度現職で異動願いを申し出てみるのもよいでしょう。