目次
[ 非表示 ][ open ]
  1. 1. リーダーとマネージャーの違い
  2. 1. リーダーとは
  3. 2. マネージャーとは
  4. 2. リーダーとマネージャーに必要な能力と役割について
  5. 1. リーダーに必要な能力と役割
  6. 2. マネージャーに必要な能力と役割
  7. 3. リーダーとマネージャーに上下はない
  8. 4. 会社の役職における上下関係
  9. 5. まとめ

仕事における役職で、課長や部長などのほかに、リーダーとマネージャーという言葉はよく耳にするはずです。しかし、リーダーとマネージャーの役割にどのような違いがあるのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか?今回は、リーダーとマネージャーの役割と必要な能力の違い、役職におけるリーダーとマネージャーの関係について解説します。

リーダーとマネージャーの違い

一見すると似たように感じるリーダーとマネージャーですが、存在意義に大きな違いがあります。

リーダーとは

リーダーとは、組織や集団の中で先頭に立ち、周囲を指揮、先導して組織の方向性を示す存在のことです。歴史上の人物を例にすると、坂本竜馬やナポレオンなど、周囲を統率して革命を起こした人物をイメージするとわかりやすいでしょう。

個性や価値観が人それぞれで異なる組織において、全員が同じ方向性を目指すためには、リーダーは必要不可欠な存在といえます。

マネージャーとは

マネージャーとは、組織に属するメンバーが、本来持っているパフォーマンスを最大限に発揮できるように、役割分担や成長をサポートする存在のことです。組織におけるマネージャーというと、ホテルなどの支配人や部活動などの雑務担当者、企業の管理職などに該当します。

リーダーとマネージャーに必要な能力と役割について

リーダーとマネージャーの存在意義と同様に、それぞれに求められる能力と役割も異なります。組織におけるリーダーとマネージャーに必要な能力と、やるべき仕事は次の通りです。

リーダーに必要な能力と役割

組織内のリーダーに求められる能力と役割は、メンバー全員が共感する方向性やビジョンを示し、全員が同じ方向を向くように組織を一体化させることです。そして、方向性にブレがないかを確認し、過程で発生した問題点を把握、改善することもリーダーとして必要な仕事になります。

 

ビジネスにおけるリーダーは、既成概念にとらわれない、新たなイノベーションを起こす革新的な行動力も必要です。新しいことは失敗や困難が待ち受けていますが、それを恐れない勇気とパワーがリーダーに必要な要素といえます。

 

また、リーダーはただ指示をするだけではなく、リーダー自身が率先して行動することも重要です。その姿勢を積み重ね、「リーダーについていく」という意識がメンバーに芽生えてこそ、リーダーとして認められた証しになります。

マネージャーに必要な能力と役割

組織のマネージャーに必要な役割は、リーダーよりも多岐に亘るのが特徴です。マネージャーに必要な役割は、主に次のことがあります。

 

・組織の規律や秩序に沿った業務に導く

・方向性から逸脱しないように管理する

・メンバーの適正を把握した人員配置

・目標を達成するためのモチベーション管理

・部下の育成や能力開発

・部下の能力管理

・目標達成や業績向上を図る

 

リーダーは自らが道を切り開くとすると、マネージャーは規律や方向性に沿うように、管理して導くことが大きな役割です。ひとりひとりの適正を活かす人員配置や、部下の育成、モチベーション管理など、リーダーが率いる組織の成長になくてはならない存在といえます。

 

そして、マネージャーに求められる能力は、論理的思考とコミュニケーション能力があります。

 

人に物事をわかりやすく伝える能力である論理的思考は、リーダーが示す組織の方向性や目標、プロジェクトの内容などを広く伝達するための必須スキルです。誰もが理解できることが条件になるため、より高い論理的思考が求められるでしょう。

 

コミュニケーション能力は、部下の育成やモチベーション管理など、人との関わりが多いマネージャーに欠かせない能力です。相手と意思疎通がスムーズにできると、人を見極める力も身に付くので、適正に合った人員配置がより的確になるでしょう。

 

また、リーダーやメンバーだけでなく、経営陣と意思疎通がしやすくなります。マネージャーは経営陣の意思を把握した上で、目標達成の戦略を立てて事業を推進することも重要な仕事です。高いコミュニケーション能力が備わっていることは、結果的に組織全体の成果を上げることにもつながります。

リーダーとマネージャーに上下はない

リーダーとマネージャーはそれぞれの役割が異なるため、どちらが上か下か、という概念はありません。

 

リーダーは先頭に立って誘導しますが、マネージャーは後ろから指揮を執るという違いがあります。つまり、リーダーの行動に秩序を与えることで、組織を上手く制御、活用することがマネージャーの重要な役割です。

 

部活動を例にすると、キャプテンがリーダーで、監督がマネージャーというとイメージしやすいでしょう。これをビジネスに置き換えると、キャプテンと監督では役割がまったく違うため、上下の関係性は成立しないのです。

 

しかし、リーダーとマネージャーの本来の「役割」に上下はありませんが、組織内の「役職」は上下関係が存在します。この点がリーダーとマネージャーはどちらが偉いのか?という発想につながる要因といえるでしょう。

会社の役職における上下関係

役職は、仕事の役割や責任を明確にするのに役立ちますが、役職の階級による上下関係がよくわからないこともあるでしょう。近年は外資系企業以外でも英語3文字の役職が普及しつつあることも、役職の上下関係をさらに複雑にしている要因といえます。

 

そこで、一般的な企業で用いられている日本語の役職と役割を、下から上の順に並べると次のようになります。

 

役職名(同じ格や近い各) 主な役割
主任(チーフ・サブリーダー) 担当業務において指示や指導を受けず、自分で仕事を完結できる

 

係長(リーダー・班長など) 担当業務を自己完結し、現場組織の最小単位である「係」を監督する

 

課長(マネージャー・チームリーダーなど) 組織の中堅的な部門である「課」を管理、監督する
室長(グループリーダーなど) 組織内の「室」という単位を監督する
次長(部長代理・補佐・シニアマネージャーなど) 部長と課長の中間で部長業務を補佐する
部長(支店長・ゼネラルマネージャーなど) 組織内の下位組織を束ねる、「部」の組織長
執行役員 取締役の指揮のもと、業務執行の責任・権

限を持つ人物

取締役 組織の代表権は持たないが、経営の責任・権限を持つ人物(取締役内の階級は、常務→専務→副社長・COOの順)
代表取締役(CEO・頭取など) 社長にあたる役職で、株式会社の代表権を所有する。

株主総会や取締役会などの決議に基づき、契約を行うことができる

会長(同等:名誉職) 元社長が就任し、会社に影響を及ぼす立場。ただし、実質的な権力は所有しない

 

ご覧の通り、リーダーとマネージャーの役割に上下はないものの、組織の役職ではリーダーが下で、マネージャーが上の立場に該当します。マネージャーの業務は経営や業績に直結することもあり、企業内の組織ではリーダーよりも格が上になることが一般的です。

 

また、英語3文字の役職もいくつか登場しましたが、よく使われる名称は次のものがあります。

 

・CEO…最高経営責任者(社長や取締役とは異なる)

・COO…最高執行責任者(ナンバー2の役職に該当)

・CFO…最高財務責任者(お金の管理の責任者)

・CTO…最高技術責任者(IT関係の社内責任者)

・CMO…最高マーケティング責任者(宣伝部長と同等)

 

これらは外資系企業で正しく活用されており、日本のベンチャー企業などでは、ただの名称に過ぎないというケースもあるようです。

まとめ

リーダーとマネージャーは似て非なるもので、求められる役割や能力がまったく異なります。リーダーは組織の方向性を示し、先頭に立ってメンバー全員を同じ方向に導く役割です。一方、マネージャーは組織の規律を守った上で、部下の育成やモチベーション管理、目標達成など、幅広い業務を担います。どちらの役割も組織にとって必要不可欠な存在であり、どちらが上か下かという概念で語ることはできません。

役職においては業務内容と責任を持つ範囲が異なるため、マネージャーが上、リーダーが下になります。どちらにせよ、役職ごとに役割や責任が異なるため、役職は「誰が偉いか」という立場を示すものではないことを理解することが大切です。