毎日疲れているにもかかわらず眠れない日が続くと、「眠れていない」という状況に焦ってしまい、余計に眠れなくなってしまうことがあります。ストレスを軽減するためには睡眠時間だけでなく、睡眠の質を意識することが大切です。
そこで今回は、良質の睡眠をとるための方法について詳しく解説していきます。眠れないほどのストレスに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
眠れないことにストレスを感じている人が多い!
眠れないことがストレスの要因となっている人は、非常にたくさんいます。ここでは、睡眠不満の原因や睡眠不足になりやすい人の特徴などについて見ていきましょう。
9割以上の人が睡眠に不満を感じている
2016年に株式会社フジ医療機器がおこなったアンケート調査では、97.1%もの人が自身の睡眠に対して何らかの不満を抱えているという結果が得られました。睡眠に不満を感じている人のなかには「寝ても疲れがとれない」「なかなか寝付けない」と回答している人も多いため、眠れない場合は特に、快眠を確保するための工夫をする必要性があるといえるでしょう。
睡眠の不満の原因トップはストレス
株式会社フジ医療機器のアンケート調査(2016年)によると、20代から50代のすべての世代で、睡眠に対する不満の主な原因が「ストレス」と回答した人は50%を超える結果となっています。
また、2006年に大正製薬がおこなったアンケートにおいても、「ストレスで眠れないことはありますか」の質問に対して、「ストレスで眠れないことがある」と回答している人は、「よくある」と「たまにある」を合わせると全体で48%にも上るのです。
ストレスは交感神経を活性化させて、副交感神経を抑制します。イライラするなどして交感神経が優位に立つと、脳が活動状態になってしまうため、結果として睡眠の妨げになってしまいます。
ストレスにより睡眠不足になりやすい人の特徴
真面目な人や責任感が強い人は、ストレスが原因で睡眠不足になる恐れがあります。このようなタイプの人は布団に入ってからもあれこれと考え込んでしまうことが多いので、疲れていても脳が興奮状態になりやすく、睡眠不足に陥りやすいです。
ストレスのリセットには深い睡眠が効果的!
深い睡眠をとることができれば、ストレスも軽減されていきます。ここからは、深い眠りがもたらす効果について紹介します。
深い眠りによってストレスが軽減される
眠りには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」と呼ばれるものがあり、私たちはおよそ90分の周期でこのふたつの眠りを交互に繰り返しています。レム睡眠は浅い眠りにあたり、体をリラックスさせるために欠かせないものです。そのため、レム睡眠のときには、寝返りを打つなどの肉体的な活動は見られません。
一方、ノンレム睡眠のときは大脳皮質が休息しており、この深い眠りのタイミングでストレスは取り除かれていきます。ノンレム睡眠は、脳の疲労を回復させるために非常に重要です。就寝後はこの2種類の眠りが一晩に3~5回出現するので、質の良い睡眠のために、できるだけ深いノンレム睡眠が確保できるような環境作りが求められます。
深い眠りの効果
睡眠は体の疲れをとってくれるだけでなく、脳の健康を維持していくうえでとても大切です。ストレスを軽減して脳をしっかりと休めたい場合は、深い眠りである「ノンレム睡眠」を安定的に確保する必要があります。就寝後の3時間のうちに、一晩にもたらされる深い眠りの8~9割が集中しているようなら、深い睡眠が確保できていると理解して良いでしょう。
深い眠りが十分にとれていると、疲労回復はもちろん、細胞の修復を促進したり体内のホルモンバランスが整いやすくなったり、生活習慣病が改善したりすることが期待できます。
ストレスを軽減して良質な深い睡眠をとるための方法とは?
良質な深い睡眠をとるためには、ストレスを軽減するための方法を理解しておく必要があります。ここでは、ストレスを軽減するための具体的な方法を6点見ていきましょう。
友人・知人にストレスを相談する
ストレスが溜まっているにも関わらず、自分一人でため込んでしまうのはあまり良いことではありません。友人や知人などにストレスの原因を相談するだけでも心が軽くなり、スッキリとした気持ちになる場合があります。
ストレスの原因への対処をする
眠れないことで悩んでいる人のなかには、具体的なストレスの要因がはっきりとわかっている人もいるでしょう。たとえば、仕事や人間関係など、ストレスの原因が明確な場合は、ストレス要因に対して直接対処してみるという方法もあります。
一例として、職場の人間関係に悩んでいるのであれば、部署移動や転職など、今自分が置かれている環境を変えることによってストレスが緩和される可能性もあります。
ストレス発散方法を試してみる
読書や音楽鑑賞、スポーツなどのストレス発散方法を試してみると、ストレスが軽減することがあります。ただし、ストレス発散方法は人によって好みが異なるため、自分に合ったものをおこなうことが大切です。
腹式呼吸・ストレッチ・瞑想など
眠る前に呼吸を整えたり、軽めの運動で体をほぐしたりすると、質の良い睡眠が確保できることがあります。適度な運動がもたらす肉体疲労は質の良い睡眠につながるので、体の負担にならない程度のストレッチや瞑想などを試してみましょう。
アロマなどの香りでリラックスする
ラベンダーやマンダリン、カモミールなどの香りは、リラックス効果をもたらしてくれるといわれています。ストレスで眠りが浅くなっている場合、これらのアロマオイルをティッシュに2~3滴垂らして枕元に置くなどして、安眠できる環境を作ってみましょう。
生活習慣を整える
生活習慣を整えることでも、良質な深い眠りは確保できます。たとえば、朝日を浴びる、うつ伏せで寝るなどのことに気を付けるだけでも、寝付きの良さは変わってくるでしょう。
ほかに、入浴後1時間以内に布団に入る、高反発のマットを使用するなどの工夫も、眠りの質を高めてくれます。生活習慣を規則正しいものにするだけで睡眠によってストレスはリセットされ、より健康的な生活が送れるようになるのです。
まとめ
眠れないほどのストレスをため込んでしまうと、心身に不調をきたしてしまう恐れがあります。そのため、音楽鑑賞やスポーツなど、自分に合った方法でストレスを発散していくことはとても大切です。
また、眠れない日が続くからといって深刻に悩みすぎてしまうのもあまり良いことではありません。眠れていないという自覚がある場合は生活習慣を整えたり、友人や知人に相談したりするなどして、少しでも安心して眠れる環境が作れるように工夫してみましょう。