目次
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  1. 1. 和柄とは?
  2. 1. 和柄の歴史から見るデザインの特徴
  3. 2. 代表的な和柄の種類と意味、特徴
  4. 1. 工字繋ぎ(こうじつなぎ)
  5. 2. 矢羽根(やばね)・矢がすり
  6. 3. 七宝つなぎ(しっぽうつなぎ)
  7. 4. 千鳥文(ちどりもん)
  8. 5. 亀甲(きっこう)
  9. 6. 松文(まつもん)
  10. 7. 宝尽くし(たからづくし)
  11. 8. 桜散らし(さくらちらし)
  12. 3. まとめ

和柄の入った着物や小物を楽しむには、その種類や意味を知っておくのがおすすめです。

しかし、和柄のデザインに魅了される方のなかには、「なかなか和柄の特徴を学ぶ機会がない」といった声も多い傾向があります。

そこでこの記事では、歴史から見えてくる和柄の特徴や、多くの日本人に愛される代表的な和柄の種類などを詳しく紹介していきます。ぜひ和小物や和服選びの参考にしてみてください。

和柄とは?

 

和柄とは、日本の伝統文様のなかでも、規則正しく並んだものを指す言葉です。

和模様と呼ばれることもあります。

和柄は、伝統工芸品や浴衣の柄、千代紙などに使われています。外国人観光客が日本らしいお土産を買うときに選ぶデザインでもあります。

和柄の歴史から見るデザインの特徴

現在使われている和柄の起源は、平安時代以降のデザインがもとになっています。

それより昔となる飛鳥時代~奈良時代~平安時代の初期にかけては、遣唐使や遣隋使によって唐と隋の影響を強く受けており、ほとんどが日本独自ではない海外風のデザインでした。

これが、平安時代に入ると、唐の文化と日本独自のデザインをアレンジしたものが、貴族の間で流行るようになります。ひらがなも誕生したこの時代には、和柄のデザインも大きく変化したと言われています。

江戸時代には、歌舞伎役者由来の柄も登場し、数々の変化を取り入れながら和柄が発展していくようになります。そして現代にかけて、歴史的なものを継承しつつ、自然をモチーフにしたものが増加してきています。

代表的な和柄の種類と意味、特徴

 

和柄には、現代だけでも数え切れないほどの種類があります。ここでは、多くの日本人に愛される和柄の特徴や魅力などを紹介していきましょう。

工字繋ぎ(こうじつなぎ)

組み合わされた「工」の文字が繰り返される和柄文様です。

工字繋ぎのように基本パターンが繰り返される「繋ぎ」には、絶えることなく長く続くという「不断長久」の意味があります。そしてこの模様には、家の繁栄や長寿を願うときに選ばれやすい特徴もあります。

矢羽根(やばね)・矢がすり

矢羽根とは、矢の上部につけるワシやタカなどの羽根を意匠化したデザインです。

矢は「的を射る」という意味を持つことから、古くから縁起のいい柄として使われてきました。1970年代後半になると、人気少女マンガ「はいからさんが通る」の影響で、卒業式に矢羽根の着物に海老茶色の袴を着る女子学生が増えるようになりました。

七宝つなぎ(しっぽうつなぎ)

複数の円の円周を四分の一ずつ重ね、上下左右に連続させた和柄です。輪違い繋文と呼ばれることもあります。

人によっては、中央部が光る星、重なり部分が花弁のように見える場合もあります。四方どちらへも永遠に模様が続き、縁起も非常にいいことから、子孫繁栄や夫婦円満などを想起させる縁起柄となっています。

千鳥文(ちどりもん)

群れになって飛ぶ千鳥を文様化した、非常に可愛らしい和柄です。波千鳥と呼ばれることもあります。

2羽の千鳥の仲睦まじい光景から、夫婦円満や家内安全といった願いが込められます。また、現代の洋服にも多く使われる千鳥格子は、和柄の千鳥文をさらに単純化したものだと言われています。

亀甲(きっこう)

正六角形を左右上下につなぎ合わせた和柄です。

もともと中国から日本に伝わった亀甲は、平安時代から鎌倉時代に流行った文様だと言われています。正六角形で亀の甲羅をあらわすこの和柄には、長寿吉祥の願いが込められています。また、亀甲が二層になった場合、子持ち亀甲と呼ばれることもあります。

松文(まつもん)

寿命が長い松の木は、古くから神の宿る木と信じられていました。

こうした願いの背景には、四季を通じて落葉しない特徴も大きく関係しています。松には、和模様だけでなく門松のように年神様の目印になる魅力もあります。そして松文は、延命長寿や開運招福の願いが込められる人気の和柄になっています。

宝尽くし(たからづくし)

以下のような縁起のいい宝物を散らしたこの和柄は、室町時代から吉祥文として定着する長い歴史があります。

  • 打ち出の小槌
  • 如意宝珠
  • 隠れ蓑 など

 

この和柄に散らされる縁起物の種類は、地域によって異なります。名称の「尽くし」とは、同じカテゴリで異なるモチーフを集めたことを意味します。ほかには、貝尽くしなどの和柄もあります。

桜散らし(さくらちらし)

花びらや桜を全体に散らした和柄です。

季節問わず使われるこの文様は、平安時代以降さまざまな歌に詠まれています。そして、3月~4月の春の時期になると、桜をよりリアルな写実的にデザインした和柄がたくさん登場します。一般的には、繁栄や五穀豊穣、開運招福などの願いが込められることが多いです。

まとめ

日本の和小物や着物に欠かせない和柄には、長い歳月をかけて変化を遂げ続けてきた歴史があります。

そして、同じデザインが繰り返される和文様は、初めて和服などを着る人にもコーディネートしやすいところが大きな魅力です。縁起の良さでも喜ばれる文様となりますので、着物選びの際には、ぜひ和柄に注目してみてください。