Interview／やさしくて・おもしろい「日本語教師」を目指しています

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今回はヒューマンアカデミー名古屋校の日本語教師養成講座修了生で、現在日本語教師として名古屋福徳日本語学院で教壇に立たれている朱宮裕子さんに日本語教師のお仕事についてインタビューしました。

日本語教師を目指したきっかけは

日本語教師には十年以上前から興味がありましたが、勉強が相当大変と聞いており、会社員だった私には無理と諦めていました。数年前に退職し自分の会社を立ち上げましたが、コロナ禍で動きにくい時期だったため、これはじっくり勉強するチャンスだと考え、日本語教師養成講座を受講することにしました。そしてちょうどそのころ日本語教師になった知人から「ヒューマンアカデミーで養成講座を受けて良かったですよ。」と聞いて、オンライン説明会に申し込み、その後学校に説明を聞きに行って、その場で申し込みました。

日本語教師養成講座の授業を受けた感想は

近眼ということもありますが、受けるからには一生懸命勉強しようと思い、いつも一番前の席に座り、自分でも驚くほど真面目に受講しました。シェークスピアを当時の言葉で披露してくださった先生、「試験は合格すればいいのです。良い先生になるのはそれからです」とおっしゃった先生、ご自身の失敗談含め、リアルな日本語教育の現場の話を聞かせてくださった先生など、魅力的な先生がたくさんいらっしゃいました。この先生みたいな授業がしたい、と思った先生はおもしろいけれどとても厳しくて、特に教育実習ではこてんぱんに叩きのめされましたが、それだけにその先生から修了証をいただく際「よくがんばった」と言われて涙が出ました。

一緒に受講した人たちとも仲良くなったし、勤務している日本語学校にはヒューマンの卒業生もたくさんいて、ヒューマンで勉強して良かったと思っています。

日本語教師の実際のお仕事はどうでしたか

教育実習のときの学習者よりずっと優しくて(笑)、ヒューマンではあえて手ごわかったのだなと気づきました。私自身は文法が苦手なので、学生たちが「自動詞、他動詞」「て形、ます形」などを理解しているのを見ると尊敬します。学生たちにとって「やさしくておもしろい先生」でありながら、いかに日本語の力をつけていくかが教師の腕の見せ所と思い、自分が国語や英語を勉強したときのやり方や苦労を思い出しながら授業をしています。例えば漢字の「難」を「草冠・口・夫、旁は漢字の誰と同じ、だから口がくさい夫は誰で難しい」と少々ふざけて紹介しましたが、皆が笑って意外ときっちり覚えてくれました。

授業で習ったことを雑談の中に織り込んだり、教科書にはないけれどアルバイト先で日本人が使いそうな言葉を教えたりもしますが「先生の話していたことがJLPT(日本語能力試験)に出た！」と言われると学生の目的である受験にも貢献できて良かったなと思います。学校の雰囲気もいいですね。必要なときはきちんと注意しますが、とてもあたたかい目で学生たちを見守っています。名古屋福徳日本語学院はヒューマンで開催された学校説明会で出会いました。良い学校で教えることができて幸せです。

日本語教師の仕事の魅力は

魅力は学生たちの明るさです。家族と離れて寂しいでしょうし、国によっては深刻な問題を抱えているところもある。慣れない日本で毎日自炊して洗濯もしてアルバイトに行って宿題もあって、大変なはずですが、挨拶はきちんとするし、授業でも大きな声で発言するし、休憩時間は今どきの若者らしく動画を見たり仲良く踊ったりしています。何より笑顔が素晴らしい。バイタリティや夢、優しさなど、逆に学生たちから教えられることがたくさんあります。私も触発されて、もっと楽に楽しく日本語の力がつくような指導ができるよう、教え方や苦手な文法などを今も勉強しています。教えた学生が卒業した後も日本で元気に頑張っていて、時々連絡をくれたりするのは本当に嬉しいものです。

将来はどんな日本語教師になりたいですか

学生たちにはよく「日本に来たからわかる母国の良さ、日本の良さをきちんと見て、いつか力を持ったときに正しくて優しい判断のできる人でいてほしい」「せっかく高いお金を払って勉強しに来ているのだから、日本語が使えることを武器にしてお金が稼げるようになってほしい」と伝えています。「私には無理」と諦めず、いろいろな可能性を信じて挑戦してほしいので、一人ひとりの希望や個性に合わせて的確なアドバイスができる先生になりたいです。授業が楽しかったし、気づいたらうまく話せるようになっていた、と感じてくれるのも嬉しいですね。私の授業を通じて学生たちが「日本に来てよかった」「日本がもっと好きになった」と思ってくれたら本望です。