今回、ヒューマンアカデミー横浜駅前校にて「日本語教師養成講座」を修了し「日本語教員試験」に見事合格された中川敬子さんに、日本語教師を目指した経緯と試験合格のカギをインタビュー形式でお伺いしました。(2025年2月取材)
Profile
中川敬子さん 44歳/女性
受講講座:日本語教師養成講座(ヒューマンアカデミー横浜駅前校 修了生)
大学卒業後、20代で結婚し専業主婦に。現在は大学生・高校生・小学生の3児の母。2023年7月よりヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座を受講。ボランティアで地域の外国人に日本語を教える傍ら、オンライン日本語教師としても活動し、2024年11月の第1回日本語教員試験に合格。日本語学校(告示校)での就職も決定し、2025年4月からは日本語教師としてのキャリアをスタートする。
国際交流が好きで、日本に暮らす外国人の役に立ちたかった
–中川さん、本日はよろしくお願いします。まず、日本語教師を目指したきっかけは何でしたか?
日本に滞在している外国人の方々が少しでも暮らしやすくなるために、何かお手伝いをしたいと思ったことがきっかけです。
私はもともと国際交流が大好きで、小学4年生からニュージーランドやアメリカの子どもたちと文通をしていました。結婚して子育てを始めると、子どもと同じ幼稚園に通う外国人の親子とよく会話をする機会があり、日本語について質問されることがたびたびありました。日本人なのにそれにうまく教えることができず、もどかしい気持ちがずっとありました。
それから、「子育てが落ち着いたら英語を使って外国人の方々と関わる仕事をしてみたい」と思い、子育て中も英語の勉強をしていたのですが、3年ほど前に末の子と国際交流のイベントに参加しようと検索していたところ、「日本語教師」という職業があることを知ったのです。日本語教師なら「英語を使って仕事がしたい」「国際交流が好き」「日本に住む外国人の方々の役に立ちたい」という私の思いが全部叶えられると思い、ヒューマンアカデミーに問い合わせをしてみました。
-日本語教師のスクールのうち、ヒューマンアカデミーを選んだ理由は何でしたか?
さまざまな資格取得のための講座を開講している大手スクールなので、安心して学べると思ったからです。ただ、最初に説明を聞いた時は、教育実習も含めて420時間というカリキュラムのボリュームに驚き、「私にできるだろうか?」とかなり迷いました。でも、担当の方が「子育てが落ち着いたときに日本語教師をスタートできるために、ちょっと大変だけど今頑張ってみませんか?」と声をかけてくださり、背中を押されて受講を決めることができました。その時の担当者の方には、本当に感謝しています。
講座で学ぶうちに、苦手なパソコンも使いこなせるようになった
-その後、日本語教師養成講座の学習はスムーズに進みましたか?
7月に入学後、すぐに子どもが夏休みに入ってしまい、動画すら視聴しないまま1ヶ月ほど放置してしまいました。気持ちを切り替えて9月から本格的に学習をスタートし、家事や子育てのスキマ時間にコツコツ勉強しました。
実は、私はパソコンが苦手でeラーニングに不安があったのですが、オンライン授業やCBTテスト(オンライン試験)、課題の提出、教育実習とカリキュラムを進めるうちに、ひと通りのパソコン操作ができるようになりました。最初は動画の試聴方法もわからない状態だったのに、最後にはZoomでオンライン授業をしたり、 Wordで教案を作成し、PowerPointを使って教室で対面授業ができるまで上達しました。「パソコンに不慣れな人も無理なく使い方を覚えられるように講座が設計されているんだな」と感心しました。
学習を始めて半年ほど経った2024年4月からは、教育実習に備えて週に1回、日本語ボランティアを始めました。日本語教師の教材『みんなの日本語』をベースに、地域に住む外国人の方に日本語を教えるボランティアです。実際の教室の空気感がわかり、先輩ボランティアの授業を見て学ぶこともできとても役立ちました。受講前は420時間の講座を最後までやり遂げられるか心配でしたが、結果的には1年ほどで無事、全てのカリキュラムを終えることができました。

家事の合間や移動時間も受験勉強に徹底活用し、試験合格へ
-「日本語教員試験」を受験されましたが、理由はございますか?
どうしても告示校で働きたいというわけではありませんでしたが、せっかく日本語教師養成講座で学んだ知識を無駄にしたくなかったので、受験してみました。
実は、「日本語教育能力検定試験」のほうも受けるつもりで、10月の出願はしていました。ですが直前に子どもの風邪が感染してしまってそちらは受験できなかったです。
-試験の学習時間を確保するために、どんな工夫をしていましたか?
日本語教員試験の試験日が11月17日。日本語教師養成講座を修了するのが10月2日でしたので、1ヶ月半ほどしかテスト勉強ができないことは初めからわかっていました。ですから、料理をしながら動画を見る、バスや電車での移動中はeラーニングで使用したプリントを読む、買い物中はスマホのメモにあらかじめ書いておいた重要単語やその意味を頭の中で復唱する、自宅で椅子に座って勉強できる時間があるときは問題集か聴解の練習をする、といった具合に行動別にやることを決めて、徹底的にスキマ時間を活用し、無駄の無いようにしていました。
試験の1週間前に末の子がマイコプラズマ肺炎にかかってしまい、病院通いで忙しく、終盤は勉強どころではない状態でした。それでも最後まであきらめず、試験当日の電車の中でもプリントを見ながら頭に入れていました。
-自分なりに工夫した勉強方法があれば、ぜひ教えてください。
国家資格後の第1回目で過去問がない中での受験だったので、基本的には「日本語教育能力検定試験」の過去問で練習をしていました。そこでわからない知識などは、eラーニングで使用したプリントで復習し、抜けのないように勉強していました。
自分なりに工夫した勉強法といえば、音声・音韻学の「カルタ式トレーニング」ですね。口腔断面図を名刺大のカードにして、その図がどのような種類の音か、図を見ただけで答えられるようになるまで練習するのです。私は音声・音韻学が苦手でしたが、カルタ式トレーニングで何度もくり返し口腔断面図を見て答えを当てることを続けるうちに、図を見て瞬時にわかるようになりました。
また、第1回目の試験だからこそ、日本語教員試験では「日本語教師として大事なこと」や「日本語教育の現場で重視されていること」が出題されるのではないか?と予想しました。そこで、教育実習などで教わったことを自分で改めてノートにまとめてみたところ、それが見事に的中し、試験問題に出てきたのです。

ヒューマンアカデミーの講座には日本語教師に必要なことが全て詰まっている
-ヒューマンアカデミーでの勉強で、試験合格に役立ったことは何ですか?
eラーニングで教わった基本的な内容ももちろん役に立ちましたが、私の場合、Zoomのライブ授業などで先生方がおっしゃっていた「日本語教師に必要な資質」や「実際の現場で必要な判断」などのお話が、とても役に立ったと思います。Zoomの模擬授業や教育実習では、緊張してしまい、つい「教える」ことだけに集中してしまいがちでしたが、「コミュニケーションを通じてコミュニケーションを学ぶ姿勢が大事」だと先生方に教わりました。これは日本語教師として忘れてはいけないことだと思うので、地域のボランティア教室やオンラインで教える時にも常に意識しています。
そのほか、ライブ授業では、実際の教育現場で日本語教師が考えなければいけないことをたくさん教えていただきました。例えば、学習者が興味がなさそうにしている時にどのように惹きつけるか、学習者に発表してもらう時はどのようなことに気をつけたらよいかといったことを、日本語学校で働いたことがない私たちにも具体的にイメージしやすいよう教えてくださいました。こうした実践的な知識はこれから日本語教師として働く際、とても参考になると思いました。私には、ご自身の失敗談として先生方がお話ししてくださったことも、心に残っています。自分もきっとやってしまいそうなことばかりだったので、もし同じような失敗をしてしまったら「先生方も通った道だ!」と言い聞かせて乗り切ろうと思います。
-この春から、日本語学校で働くことが決まったそうですね。
はい。3月に告示校の採用面接を受け、長いこと専業主婦だったのですぐには受からないだろうと思っていましたが、ありがたいことに即座に内定をいただきました。採用担当の方も「登録日本語教員の資格を持っていると、告示校の就職にかなり有利」とおっしゃっていたので、やはり資格を取得していたことがプラスに働いたのだと思います。
-おめでとうございます。最後に、これから受験する方へのアドバイスやメッセージをお願いします。
ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座には、日本語教師になるために必要なことが全部詰まっています。eラーニングで学習したことも、模擬授業や教育実習で学んだことも、全てがつながっています。その意味では、講座修了からあまり時間を置かずに受験した方が、知識がフレッシュな状態で頭に残っているので、いいかもしれません。
私は「日本語教員試験も日本語教育能力検定試験も、日本語教師養成講座で学んだこと全部をしっかり覚えていれば大丈夫」と考えて勉強し、合格を勝ち取ることができました。覚える用語が多くて大変でしたが、毎日少しずつ勉強すれば何とかなりました。皆さんも、すき間時間を上手に利用して頑張ってください!
-中川さん、ありがとうございました。中川さんの益々のご活躍を祈っております。
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