BRIDAL
COLUMN#20

ウェディングプランナー仕事研究②~新規担当プランナー 後編~

皆さん、いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
今回のテーマは『ウェディングプランナー仕事研究②~新規担当プランナー 後編~』です。
前回コラムでは、新規担当プランナーの業務内容や働き方といった視点からお伝えしました。今回は、仕事のやり甲斐やその魅力について、私の経験もふまえながらお伝えしていきたいと思います。

新規担当者の最大の役割とは、新規接客に出て、お客様に『会場の魅力』や『結婚式の価値』を感じていただくことです。そのためには、まずは新規プランナーが、【結婚式】そのもの自体の魅力を言葉で伝えられるようになることが必要です。

「当日は、こんな風にゲストの皆さまの笑顔とあたたかい拍手に迎えられます。こんなに多くの人に支えられていると実感できる日は結婚式以外にはなかなか経験できないことですよ。だからご披露宴の入場時に、自分たちの大切な皆さんがお祝いにかけつけてくれている光景を見て、感極まって涙される方もいらっしゃるんです。私たちもそんな姿を見て、あぁ結婚式して良かったな、この結婚式を機に大事なことに改めて気付いていただけたかな、と思えるんです。」

これは、私が新規接客の時にお客様にお話しする内容です。
結婚式をすることによってお二人にはどんな変化があるのか、今後の結婚生活においてどういう風に絆が深まるのかということ。そして、会場見学の時には、結婚式当日の様子をまるで目の前で見ているかのようにお二人にリアルに伝えます。

時には、ご新婦の気持ちになってお話してみたり、ご新婦のお父様や、はたまたご新郎のお母様の気持ちになってお話をしたりもします。この結婚式をきっかけに、今まで支えてきてくださった周りの方の気持ちに少しでも気付いていただきたいからです。私もそのシーンを頭の中でイメージしながら言葉を発します。例えば、挙式冒頭での『バージンロードを歩く』時のご新婦自身のお気持ちやお隣のお父様の表情、『ベールダウン』時のお母様から娘さんへの温かなお言葉など、その時の情景がまるで目の前に浮かんでくるように、実際の経験を具体的に言葉に落とし込んでいきます。表面上のご案内・ご説明は、今の時代、AIで十分代用できますので『人』である必要はありません。そうではなく、新郎新婦の心に訴えかけるようなご案内をすることに、私たちウェディングプランナーの存在意義があります。こんなご案内をしていると、ご自身の結婚式当日の姿を思い描き、その言葉と重ねて情景をイメージしていただけます。すると、だいたいご新婦の目が潤み、心は『もうこの会場しかない!』となるのです。

『自分たちの結婚式はここでやりたい!』
『プランナーは〇〇さんにお願いしたい!』
と思っていただけるよう、初めてお会いしてからの3時間程度でお客様に会場のファンになっていただけるよう、きめ細やかにお客様をサポートして行きます。

新規接客は、お客様の人生の節目としての大事な結婚式をご提案できる素晴らしい仕事です。
実際に「山本さんだったから決めたんですよ!」と、そんな有難いお言葉をお客様からいただくこともあります。新郎様いわく、「初めは全く決めるつもりはなく試しに会場見学に来ただけ。でも、話しているうちに、ここなら決めてしまっても良いか、と心境が変わったんです。」と仰っていただけた時には、本当に嬉しかったです。決めるつもりがなくても、自分とお客様とのコミュニケーションによって、お客様の心を少しでも動かせたこと、これこそが新規のプランナー冥利につきます。このように、お客様が思い描く結婚式のイメージを膨らませることができ、結果的にそれがご契約に至った時には、心からやり甲斐を感じる瞬間でもあります。

その新規担当プランナーがいなければ、もしかしたらお客様はその会場でご成約をしていないかもしれないのですから。そう考えると、新規担当プランナーの仕事は、想像以上に大きなやり甲斐を感じられるのではないでしょうか。
『結婚式』というお客様にとって新たなスタートラインをご提案できること、なかなか他の仕事では味わえない感動があります。自分も成長できるこのウェディングプランナーというお仕事、もしご興味をお持ちいただけたなら、とても嬉しいです。

次回コラムからは、『ウェディングプランナー仕事研究③~施行プランナーの業務を知ろう~』をご紹介してまいります。是非、ウェディングプランナーという仕事にご興味をお持ちいただけた方は、ご覧になってみてくださいね。


PROFILE
山本 優貴Yuki Yamamoto 山本 優貴

ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!

2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテストにおいて見事グランプリ獲得。

※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト