COLUMN#14
【現役ウェディングプランナーインタビューvol.1】異業界からブライダル業界へキャリアチェンジ!
今回は、高輪にありますボンボンボンラフェメゾンでブライダルマネージャーとして活躍する柳野麻由美さんにご協力いただき、このインタビューが実現しました。柳野さんは、協力的なご主人と共に、2人のお子さんを育てながら、ウェディングのお仕事を続けて来られました。
今までこのお仕事を続けて来られた秘訣や、今後ウェディング業界を目指す方々へ向けての良いアドバイスなどを私、山本が伺ってきました。
ウェディング業界を目指す方だけでなく、転職活動にお悩みの方にも是非、ご覧いただけたら参考になるのではないでしょうか。
本日は有難うございます。今回は、柳野さんのお仕事観や家庭との両立についてもお話を伺えればと思っております。まず、早速ですが柳野さんはウェディングプランナーになって何年目になるのですか?
はい、こちらこそ宜しくお願い致します。プランナーになってからは、2019年1月で11年目になります。
11年ですか!ウェディングプランナーのお仕事も長く続けられるような環境が整ってきたということでしょうか。もうすっかりベテランさんですね。では、柳野さんがこのお仕事を目指された理由について教えていただいいても良いですか?
はい。実は、ブライダル業界に入る前は自動車メーカーで受付をしていました。
20代前半で、お客様が来なければ毎日時計とにらめっこをする日々で。1分経過・・・2分経過・・・と、ただただ時計を見つめている時間が多く『なんとなく』時間を過ごしていました。定時ジャストで上がり、その後はスポーツジムに通ったり、友人と飲みに行ったり、自由に過ごしていたのですが、ある時そんな生活に飽きてしまったのです。今思うと、「ただただ時間が過ぎるのを待つ」という素敵な仕事だったのですが・・・笑
その時の私には「この仕事は結婚してから、ママになってもできる!今しかできない仕事をしよう」と思い、求人サイトを見ていたときに目に止まったのがブライダル業界でした。
求人欄に「サプライズが好き・人を喜ばせることが好き・計画を立てるのが好きな人募集」と書かれており、全てにあてはまった私は、ブライダル業界まっしぐら。転職活動を経て、今に至ります。
なるほど。どれも当たり前のことですが、やはりそれをちゃんと言葉にして伝えてくれていた、また伝えられる環境であったことは大変恵まれた環境でしたね。この言葉は、私も常に子ども達や後輩に対して使っている言葉で、なんだかとても身近に感じられました。挨拶1つとっても、相手に伝わっていなければ挨拶したことにならないんだよ、とかは我が家でも頻繁に伝えています。評価に関しても本当にそうですよね。評価は、相手からの見られ方・受け止められ方であって、自分で決定することではないと私も感じています。例えば、自分では良い意味で『謙虚』だと思っていても相手からは『あの人はマイナス思考』だと評価されてしまう。『謙虚』と『マイナス思考』という言葉だけ聞くと、自己評価と他己評価の間に、大きな乖離が生まれてしまいます。自分が他者からどのように見られたいか、ウェディングプランナーをしていく上では、自己プロデュース力も重要になってくるというところですね。
柳野さんにとっては、大学の部活動がそれほどまでに大きな影響を与えてくれたんですね。良い部活、そして良い仲間に恵まれた大学時代だったんだなぁと想像できます。さて今は、ゲストハウスのマネージャーとしてどんなお仕事をされていますか?簡単に業務内容を教えていただけますか?
ブライダル全体の数字管理をしています。主に、
・数字(売上・成績)管理
・出勤管理
・会社の利益UPのための対策・共有・実施
・現場のスタッフが働きやすい環境を作ることを心がけ問題提議・解決・改善
・スタッフの近況変化の観察 等です。
働きやすい環境整備、重要ですよね・・・マネージャーという責任者の立場だからこその業務ですね。柳野さんは、今でこそ責任者をされていますが、ブライダル業界に入った当時は現場のプランナーを長くされていたと伺っています。実際にこの仕事に就いてみて、その当時の大変なこと、またやり甲斐について教えてください。
ブライダル業界における大変なことは置かれる立場によっても異なるとは思います。新規営業の時には獲得数・成約率など、強制的なノルマはなくともやはり数字はプレッシャーとなり、ついてくるものだと思います。
結婚式の打合せ担当をしている時には、【お客様にとって一生に一度のご結婚式】【1日のために約300万円を出してくれていること】へのプレッシャーが常にありました。担当結婚式前日の夜、布団に入り目をつぶると「あれやったかな?」「これ確実に手配できてるかな?」となかなか寝付けないものです。
しかし、それらのプレッシャーを背負いながらもここまで続けて来られた理由があります。
私にとっては「カップルにとって血の繋がりもなくあかの他人である私が、お二人の一生に一度の結婚式という、その大切な一瞬・瞬間に立ち会わせて頂けていること」でした。
いい大人が、感動の涙を流している瞬間に立ち会えることなんて、普通にOLさんをしていたらまずないことです。毎週・毎週、いい大人が感動の涙を流している瞬間に立ち会えることは私自身の心をも豊かにしてくれていました。どんなに朝早く・夜遅くても、やはり感動の涙を見ると吹っ飛んでしまいます。そして、一緒に泣きます。最近も、サービスの子に泣いているのを見られ冷やかされました。(笑)
今まで、本当にいろんなカップルがいましたが、1組1組の大切な瞬間に立ち会わせて頂いたからこそ、自分自身も家族を大切にしようと思うことができました。
柳野さんもそうですが、ウェディングプランナーの方が家庭を持つと、本当にご自身のご家族を大切にされている方が多いなと感じます。特に、お子さんへの愛情が周りにもわかる位、お子さんへの愛を感じることも見ていて多いです。家族を大事にするって良いですよね。
私も、今、仕事をさせてもらっているベースにあるのは、『家庭』です。幸せな家庭があるからこそ、この仕事が出来ていると日々、感謝しています。逆に、仕事をしているから家庭が幸せでなくなってしまっては、本末転倒ですしね。自分の中の優先順位を間違えないことは大事だと、私は過去の出来事から教訓として学びました。
さて、次回はインタビュー後編です。子育てをしながらウェディングプランナーを続けていらっしゃる柳野さんに、『このお仕事を続けていく秘訣』を伺っていきたいと思います。どうぞお楽しみに!
- PROFILE
- 山本 優貴Yuki Yamamoto
ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!
2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテスト※において見事グランプリ獲得。
※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト