BRIDAL
COLUMN#12

私の履歴書vol.4~ウェディングプランナーが大切にする3つのこと~

埼玉のゲストハウスに未経験で就職した私。学校では、主に座学での知識は学んだものの、ブライダル業界の現場のことに関しては、右も左もわからない状態。
まさに、今ブライダルのことについて、お勉強されている皆さんと同じような感じです。

ゲストハウスで数ヶ月の研修のあと、新規接客に出してもらえるようになりました。ビッグブライダルフェアで初めてお客様をプランナーとして対応し、自分なりに精一杯やった結果、そのお客様は忘れもしない、私の業界人生で初めてのご成約となりました。
トントン拍子にお話が進んでいき、まさかと自分でもビックリでしたが、私にとって記念となる1組目のお客様でした。初めてなので、どこでどう手ごたえがあったのかもわかりませんでしたが、「お二人のために」という強い思いを持って接客に臨んだことは確かです。

新人ということは明かさずに臨んだ接客でしたが、ご成約時には、「当日まで山本さんに担当してもらえるんですか?」という本当に有難いお言葉をいただきました。ご新郎様からは、「●●(新婦)は、山本さんをお姉さんのようだと思っています。」とも。
この言葉に表れているように、今の私の接客スタイルは、まさに『自分の兄弟(姉妹)のように』です。

お客様は赤の他人ですが、そう思って接客をしてしまったら、ご提案内容も限られたものになってしまいます。今、自分の目の前には、大切な兄弟(姉妹)がいる。その大切な人のために、出来る限りのご提案をしたい。不安な要素は全て取り去って差し上げたい。となると、どうしても感情が入り込んだ接客になります。なぜなら、大切な人を精一杯サポートして、その方らしさの溢れる結婚式を実現してもらいたいと、心の底から強く願うからです。

実は、現在のフリーランスのウェディングプランナーになった理由も、あるお客様との出会いがキッカケでした。これはまた、おって別コラムでお伝えしていきますね。

結婚式はどちらか一方のものでなく、二人のもの

今では、この業界が長くなりましたが、未だに結婚式は、「お二人のために」という信念で創っていることは変わりません。よく、結婚式は女性のものと言われますが、私は決して、そうではないと思っています。「結婚式はどちらか一方のものでなく、二人のもの」なんです。

それに、今は自身が男児、女児の2人の親となり、新たな視点である『親目線』もプラスされました。7歳と3歳の子育て真っただ中。時に、怒りが爆発する時もありますが、男女どちらも可愛い訳です。もし、結婚式が女性のものとなってしまったら、男性の親御様は寂しいんじゃないかなと感じるようになりました。それはなぜか?注いできた愛情は、男女変わらないのに、娘からは「新婦の手紙」があって、息子からは「新郎の手紙」がないんですよ。

だから、私は、必ず「新郎の手紙」をパーティーの進行内でご提案しています。
縁あれば、女性の結婚・出産は、経験値を高め、今までにない提案が出来るようにもなります。経験しているからこそ、様々な人の立場や想いを考えた提案が出来ることも多くなるのではないでしょうか。

人間味豊かなプランナーに

さて、私は、ゲストハウスで少しばかり経験を積んだ後、都内にあるウェディングプロデュース会社へと転職を果たしました。
この会社で私は、新規・施行と両方を担当させてもらうことができました。

運良く、新規会場のオープニングにも立会い、入社3年目でその会場責任者を務めました。
大きな会社ではなかったので、個々の裁量が大きく、今考えると、本当に様々なことに挑戦させてもらえました。

尊敬できる素晴らしい先輩方が多く、私のように出来の悪い後輩も見捨てず、根気強く指導してくれました。同僚も、苦しい時を一緒に戦ってきた心許せる友であり、同時に良きライバルでもありました。

良いウェディングをつくるのは間違いなく『人』なんです。機械ではありません。
辛い時は一緒に苦しみ、嬉しい時は一緒に喜び、悲しい時は一緒に泣いてくれる。そんな人間味豊かなプランナーにこそ、一生に一度の結婚式を任せたくはありませんか?

ウェディングの知識だけあっても、お客様に寄り添える感情を持ち合わせていないプランナーには決してなってはなりません。

私は、温かい『人』に囲まれて、仕事をしてきました。『人』に恵まれたから、なんとか10数年を突っ走ってくることが出来たと思います。
おかけで、今もこうしてブライダル業界に携わっていられています。ここまで続けて来られたのは、本当に有難い限りで、家族含め、仕事上お付き合いのあった周りの方への感謝しかありません。この場をお借りして、本当に本当に有難うございました!!!

あなたが今、ブライダル業界に憧れているキラキラした気持ち。
あなたが、ブライダル業界に入った頃の、期待と不安でドキドキした気持ち。
実際には、もう味わえないかもしれないその時に感じた気持ち、それはこの先あなたの宝物です。

大切にしている3つのこと

私自身が、日頃大切にしている3つのことは、私の精神的な土台でもあり、プランニングに大きな影響を与えてくれているものでもあります。

  1. 【初心】を忘れない
  2. 今自分がこうして大好きなブライダル業界を続けていけることへの【感謝】
  3. 何事も周りの『人』のおかげと思える【謙虚さ】

この3つは、どんな立場になっても、持ち続けていたい想いです。
私の好きな言葉を皆さんにも贈ります。
「実るほど頭を垂れる 稲穂かな」

私もまだまだこれからの夢があります。皆さんに負けてはいられません。結果はどうであれ、後悔しない位の努力をしましょう。お互いに、夢を現実に変えられるように、これからも走り続けましょうね!

次回のコラムでは、『ウェディングプランナーの必須スキル~その③「説得力」とは』をお話しします。お楽しみに。


PROFILE
山本 優貴Yuki Yamamoto 山本 優貴

ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!

2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテストにおいて見事グランプリ獲得。

※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト