BRIDAL
COLUMN#8

結婚式当日の朝~プランナーのきもち~

今日は、今まで一緒に打ち合わせをしてきた大切なお客様のご結婚パーティの日。
夏らしい気持ちの良い青空。晴れて良かったと心から思う。
と言っても、天候は当日になってみないとわからないことも多いから、雨なら雨の良さを伝える、とっておきのトークがある。
「神様がお二人の一生分の涙を流してくれているのですよ。」とか
「雨は恵みの象徴。天からの贈りものなんですよ。 」とか。
これは、ヨーロッパでの言い伝えや、キリスト教での教え。

私たちウエディングプランナーは、どんなことがあってもお客様に悲しい想いをさせてはならない。それどころか、私たちに求められることは、その真逆。
お客様の期待以上のものをご提供すること。
だから、雨=マイナスの要因になることはないのだ。
マイナスのことでも、全てプラスに言い換えることが必要とされる仕事でもある。

今日、私が担当するお二人は、私の想像もしないようなハードルを乗り越えて、ようやく今日の日を迎えられた。
結婚式会場を探していらしたのは、なんと2年前から。それから今日までの間、本当に色々なことがあり、先日は、新郎様のお父様が他界されるという出来事まで。そのため、お母様はご欠席されるとのご判断になった。
きっと、新郎様が一番見ていただきたかったであろう親御様が、今日は近くにいらっしゃらない。致し方ないご決断だったので、新郎様は決して言葉には出されなかったが、本当はどんなお気持ちだったろう?
出席なさるはずだったお母様は、どんなお気持ちだったろう?

私たちウエディングプランナーは、新郎新婦だけでなく、お二人の周りの方のお気持ちまでも想像する。その方のお気持ちなんて、勿論、当人にしかわからない。その当人でさえ、自分の気持ちに気付いていないことがある。皆さんにも、言われてみて初めて気付いた自分の気持ちは、今までなかっただろうか?

私たちウエディングプランナーは、お客様がご自分でも気付いてなかったお気持ちを、会話や表情、ちょっとした仕草から引き出し、それを形にするプロフェッショナルである。
結婚式のプランニングとは、お二人が大切にされる方々のことを心から考えるのと同時に、周りの方の気持ちになってみること。
私は、子どもが生まれてからは、今まで以上に親の気持ちにフォーカスしてプランニングするようになった。
有難いことに、娘の親の立場、息子の親の立場を想像することが困難でなくなった。だからこそ、新郎様にもお手紙で気持ちを伝えることの大切さを説く。

今日のパーティーテーマは『For Wedding〜大切なあなたのために〜』
あなたとは、結婚をする大事なパートナーであり、お世話になった方々であり、今まで愛情一杯に育ててくれた家族である。
元々涙腺の緩い私、今日は涙せずに笑顔でお披楽喜を迎えられるだろうか。このコラムを書きながらも、目にうっすらと涙が。あぁ、危ない危ない。

皆さまの笑顔と想いが詰まったウェディングパーティーになりますように。
さあ、これからお二人の人生の記念日に立ち会ってきます!

次回は、『私の履歴書vol.1~私がウエディングプランナーを目指したキッカケ~』をお話しします。お楽しみに。


PROFILE
山本 優貴Yuki Yamamoto 山本 優貴

ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!

2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテストにおいて見事グランプリ獲得。

※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト