COLUMN#9
私の履歴書vol.1~ウエディングプランナーを目指したキッカケ~
今回は、私自身のことについて少しお話ししてみようと思います。
ところで、皆さん、周りにいる人がなぜその仕事を選んだのか、気になりますか?私は、ものすごく気になります。
私は、職業柄なのか、話を深掘り深掘りしていく傾向があると自認しています。
そのお相手は、結婚式プロデュースをさせていただいているお客様だったり、学生だったり、仕事のパートナーや仲間だったりと様々です。
もちろん、相手を不快にさせず、気持ち良く話していただけるような配慮はしているつもりです。お互いにコミュニケーションを取りながら、会話の深掘りをしていくと、それが距離を縮めるための手段となるのです。
さて、今回は、そんな【私の履歴書】を恥ずかしながらも、公開してみたいと思います。今でこそ、2014年にコンテストで優勝した経験を活かし、様々なお仕事をさせていただいております。確かに、ここだけを切り取ったら順風満帆に見えるのかもしれません。ですが、そこに至るまで、また優勝してからも、仕事に対して悩み苦しんだ時期がありました。
だからといって、私は、自分が辛かったことや苦しかったことを公に伝えたいとは、これまで一切思いませんでした。でも、それをすることにより、少しでも誰かの役に立ったり、気持ちを楽にすることが出来るのであればと、考えを新たにしました。それも日頃接する学生たちのおかげでもあります。
たった一人でも、このコラムを読んで勇気付けられる方がいらしたら、私にとって、それ程、嬉しいことはありません。
さて、ではここからが本題です。まずは、私がウエディングプランナーになるまでの山あり谷ありをお話したいと思います。それには、まずは私がウエディングプランナーを目指すことになったキッカケからお話ししましょう。
大学3年生の冬頃でしょうか。私は、将来は国語の教員になるために、教職課程を選択し、それに向けて勉強していました。介護実習にも行きましたし、あとは残すところ、4年生での教育実習のみです。
そんな頃、飯島直子さん主演『ウエディングプランナー SWEETデリバリー』(2002年)というテレビドラマが放送されました。私の目に焼き付いているのが、確かその最終回。飯島直子さん扮する加奈子と、ユースケサンタマリアさん扮するトオルの結婚式シーンでした。
そのシーンが、それまでの私の中にあった結婚式のイメージを、根底から覆しました。それは、目に見えるビジュアル的な視点だけではなく、目には見えないマインド的な視点までもです。
『結婚式=白』のイメージから、『結婚式=スカイブルーやライトグリーン=ガーデンでも良いんだ!=場所は会場だけじゃないんだ!』と大きく変わりました。結婚式に対して、私のイメージにはなかったような、カラフルな色を付けてくれたのでした。本当に大切な人たちに見守られながら、その温かい気持ちを心から感じられる結婚式って、最高に素晴らしいものですよね。その気持ちは、それから17年以上経った今でも、色あせることなく残っています。
今の時代は、SNSが身近にあり、結婚式だけではなく、ビジュアルイメージを気にされる方が格段に増えました。結婚式においては、当日のウェディングシーンはもちろん、こだわりのウェディングアイテムや、DIYアイテム、更には、試着した全てのドレスを SNSにアップするなど、それは私が結婚をした10年前には考えられなかった感覚でもあります。それはそれでウェディングに対する意識が、良い意味で変わってきたのかなと思います。ただその反面、周りの人からの『見られ方』を重視するようになり、人と比べてしまいがちな環境でもありますよね。
ただ、それよりも何よりも、結婚する上で大切なこと、それは自分と相手の気持ちです。お2人の気持ちが同じ方向を向いていること、それが一番大事です。結婚する二人が、これから同じ方向を向いて一緒に歩いて行こうという、極めてシンプルでいて当たり前でありながら、つい忘れてしまいがちなこと。でもそれは、時に一番大事なことでもあります。同じ目標があっても、そこに辿り着くまでには、きっと寄り道もするし、立ち止まることもあります。時には、気持ちが不安定になることもあるかもしれません。でも、それで良いと思います。
少しだけ、皆さんの子どもの頃のことを思い出してみてください。学校からの帰り道、田んぼにいるおたまじゃくしが気になってふらっと立ち止まってみたり、花についている実が気になって取ってみたり、友達とふざけて歩きながら次の電柱までかけっこ競争したり。今になると、フッと笑ってしまうような懐かしいことですが、小学校時代、そんな記憶はありませんか?
夫婦も同じで、時に、歩くペースが合っていなかったり、歩幅が揃わないこともあるでしょう。時には喧嘩することもあるかもしれません。でも、そんな2人でも、お互いのことを気に掛けながら、お互いが少しずつ歩み寄りながら、前へ前へと歩いていくことができたなら・・・。
きっと、2人で同じところを目指せそうな気がしませんか?
お互いがお互いを思いやる温かな気持ち。これは、新郎新婦の間だけでなく、新郎新婦とゲストとの間でも同じです。新郎新婦からゲストを、ゲストから新郎新婦を。その間に、この温かな気持ちさえあれば、ちゃんと結婚式は成り立つということを、このドラマから学びました。
それまで結婚式は、結婚式場でやるものという概念がずっとあったけれど、そういうしっかりとした場所がなくても、みんなが祝福してくれる温かい気持ちさえあれば、どこでも結婚式は出来る!そして、そんな結婚式をつくるウエディングプランナーという職業が存在するんだ!その時に受けた忘れもしない衝撃は、私のその後の人生に強く影響を与えました。
その後、私の進路はどうなったのかといいますと・・・次回は、『私の履歴書vol.2~就活難!まさかの転職から学んだこと~』をお話しします。お楽しみに。
- PROFILE
- 山本 優貴Yuki Yamamoto
ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!
2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテスト※において見事グランプリ獲得。
※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト