BRIDAL
COLUMN#3

ブライダル業界の繁忙期と閑散期って?

前回のコラムでは、ウエディングプランナーの日常業務について、結婚式の舞台裏を少しだけご紹介しました。

今回は、ブライダル業界の繁忙期と閑散期についてお話していきます。
さて、今の時代、自分たちの希望する時期に行うことができる結婚式。私自身は、9月に結婚式を開催しました。
ちなみに、私の親世代が結婚する頃は、春・秋の結婚式が一般的だったようです。
その理由としては、やはり気候の良い時期だからということでしょう。

今は、本当に様々な時期の結婚式にご招待いただくことが多いですよね。5月、7月、11月、1月・・・それぞれの季節によって、結婚式の良さがあります。
ある年には2月の結婚式に土日連続で出席したこともあります。プランナー時代の先輩の結婚式と高校時代の後輩の結婚式だったのですが、まさか2月の土日に連続でご招待いただくとは思いもしませんでした。
でも、もし日にちが重なっていたら、どちらかにしか出席出来なかったかもしれないので、日にちがずれていてホッとしたのを今でも覚えています。
それを親に話すと、今はだいぶ変わったのねえとなります。実は、その通りで、1970年代に結婚式を挙げた親世代の感覚と、今のカップルの感覚とはかなり変化してきています。

実は、ブライダル業界にも、繁忙期と閑散期というものがあります。まさに、繁忙期とは、結婚式の予約が多く入りやすいトップシーズンのことです。閑散期は、その逆で、予約が入りづらい時期のことをいいます。
簡単に、わかりやすく気候で表すと、過ごしやすい春・秋が繁忙期。そうでない夏・冬が閑散期ということになります。
私がレストランウエディングのプロデュースを担当していた頃は、多い時でひと月に最大10組の担当、少ない時で3組のお客様を担当しました。もちろん、個人によっても担当組数が違いますので一概には言えませんが、繁忙期と閑散期の違いをわかり易くご説明するとそれ位の差があります。
先程の私の経験談では、一般的に2月の閑散期と言われる時期に、土日連続で2組の結婚式に招待されたということで印象に残っているのですね。

ちなみに、年明けの1月2月は、結婚式の閑散期ではありますが、会場見学に来られるカップルのご案内が多く、会場側はその対応に慌ただしくしている時期でもあります。
では、なぜ1月2月は、会場見学に動き始めるカップルが多い時期なのでしょうか。理由としては、年末あたりの時期にお互いの親御様へご挨拶に行ったり、顔合わせをしたりして、年内に2人の婚約が整うカップルが多くいらっしゃいます。そうすると、次のステップとして、親御様からも、結婚式はどうするのという話になる場合が多いようです。それを受けて、ご本人たちとしても、じゃ早速、年明けから式場探しを始めようかという流れになるため、この時期に会場見学されるカップルが特に多くなるのです。
現に、某ブライダル雑誌は、1月号に関しては、載せる各会場情報量も多くなるため、いつにも増して分厚くなっているので、試しに本屋さんでご覧になってみてください。

ブライダル業界としては、その閑散期にいかに予約を入れていくかという課題があります。繁忙期に関しては、特別な対策をせずともお客様のご希望が多いのが現状です。なかなか予約が入りづらい閑散期にいかに予約を獲得していくかということで、会場側は夏・冬のシーズン特別プランなどを打ち出し、その時期の魅力を伝えることに注力しています。
旅行会社のパンフレットをイメージしていただくと、よりわかり易いかと思います。旅行会社のパンフレットには、日にちに応じて、『S』や『A』『C』などの区分があります。何かというと、予約が入りづらい日はお得な価格にし、そうでない日は、割引なしという設定ですよね。
結婚式においても、それと同様です。

今のカップルと親世代を比較すると、結婚式を夏・冬に行うことへの抵抗感が薄れているのは、実際に打ち合わせをしていて感じます。もちろん人にもよりますが、今のカップルは、自分たちの記念日や好きな時期を大切にし、そういうところから結婚式の時期を決定していかれる場合も多くなっているという現実もあります。ちなみに、私が担当させていただいたお客様の中には、『いいイチゴの日』ということで、11月15日をご自分たちの記念日に選ばれたお客様もいらっしゃいます。季節から選んだわけではなく、ゴロ合わせから結婚式のお日にちを決定されました。それも楽しいですよね。結婚式という皆さんの前でご夫婦になる記念日を忘れない工夫、これも大事なことです。

こちらのお客様の場合は、ゴロ合わせの日にちがたまたま気候の良い時期でした。もしも、それが夏や冬だった場合、どうでしょうか?ご招待する方のことを考えて、皆さん、だいたい一瞬迷われます。やっぱり、夏だと来る人が大変かなあとか。
じゃ、それだとなかなか決定されないのでは?と思われるかもしれませんが、実はそうではないのです。
最終的にカップルは、何をもって会場を決めるかというと、『総合的判断』なんですね。
当たり前のようで意外に見落としがちなところです。

さあ、次回は、『会場決定におけるお客様心理とプランナー心理』について、詳しくお話していきます。お楽しみに!


PROFILE
山本 優貴Yuki Yamamoto 山本 優貴

ゲストハウスやプロデュース会社のウエディングプランナー及び責任者、その後に婚礼システム会社での法人営業を経てフリーランスに転身。
現在は、ブライダル系専門学校での講師やセミナー講師、また式場にて経営管理サポートや自身もフリープランナーとして大好きな結婚式に携わっている。
仕事をする中で、2度の産休・育休を経験し、「ママでも諦めない!」をモットーに、大好きなブライダルの仕事と子育てを上手く両立できるよう、業界内の働き方の多様性を目指し、日々奮闘中!

2014年度 BIA主催ザ マスターオブブライダルコーディネーターコンテストにおいて見事グランプリ獲得。

※全国のブライダル業界に従事する方々から、知識・経験・品格を兼ね備えたコーディネーターを選出するコンテスト