「仲の良い友達といるのに、過剰に気を使ってしまう」
「職場の人に気を使いすぎて、帰宅後にどっと疲れる」
そんな悩みを抱えて、困っていませんか。
周りに気を使って疲れてしまうのは、あなたが持っている長所ゆえのことかもしれません。この記事では、気を使いすぎて疲れる人が一般的に持っている長所を解説し、周りに気を使いすぎないための効果的な対処・改善法をお伝えします。人間関係による疲れでお悩みの方は、ぜひ記事をご覧になり、周りとの接し方の参考にしてください。
「気を使わなくてはいけない」と思っていませんか?
「周りに気を使う」という行為は、コミュニケーションを円滑にする方法の一つです。しかし、その行為が自分を苦しめてしまうこともあります。
前提として、人に気を使う能力があるのは素晴らしいことです。相手の感情やその場の空気を敏感に感じ取り、その場で求められる行動を取るのは、誰にでもできることではありません。普段から周りを観察し、他者の気持ちを大切にしようと努めているからこそ、疲れるほどに気を使ってしまうのでしょう。
確かに、相手の気持ちを察することは人間関係において重要ですが、「気を使うべきだ」と思うことで自分が苦しんでしまうとすれば、それは問題です。
人と接するときに「必ず気を使わなくてはならない」というルールはないのです。おそらく周りの人々も、あなたが苦しむことを望んではいないのではないでしょうか。自分を大切にすることが、本当の意味で他者を大切にすることにつながり、良い人間関係を築くのに役立つこともあるのです。
気を使い過ぎて疲れてしまう人の特徴
気を使い過ぎて疲れてしまう人は、次に挙げるような特徴を持っていることが多いようです。
責任感が強い
周りに気を使いすぎる人の中には、責任感が強く、物事がうまくいくように精一杯努力する人が少なくありません。そのため、さまざまな事態を先読みして予測し、失敗を避けるために気を回しがちになるのです。ほぼ常に気を張った状態になるため、同じ問題に対処していても、他の人より疲れてしまいます。また、失敗そのものよりも、失敗したときに周りから送られる視線を恐れている可能性もあります。
周りの空気を優先する
気を使えるということは、その場の空気を察知し、自分の感情よりもその空気を優先できるということです。気を使うことができる人は、周りの状況や人々の些細な表情をよく見ており、それ自体は素晴らしいことです。しかし、その結果として場の空気や相手の気持ちばかりを優先しすぎている場合は、どうしても疲れてしまいます。
他人から嫌われたくない
家族や友人、同僚などから嫌われたくないという気持ちが強すぎるあまりに、自分の気持ちを伝えられない人もいます。相手と異なる意見を持っていても、対立を恐れた結果、うまく伝えられない人がいます。仲の良い人との関係を壊したくないと考えるのは自然なことです。しかし、人はみな自分のことで精一杯で、案外、他者の言動を気にしていないものです。自分の意見を伝えただけで壊れてしまう関係は、そもそも良好な関係だと言えるのでしょうか。
他人を心配しすぎる
気を使いすぎて疲れる人は、周りの人を過剰に心配しすぎていることもあります。相手が困っていることや不足しているものに気づき、それを埋めるために先回りで行動しているケースがあります。例えば、「同僚が忙しくなるのを心配して、仕事の一部を代わりに引き受けてしまう」などがその一例でしょう。その結果、相手も自分もうまくやっていけるのなら良いのですが、気を使いすぎる人は無理に肩代わりしすぎてしまう傾向にあります。相手のためと思ってやったことが自分にとっての負担になり、疲れてしまうのです。
気を使って疲れてしまわないための対処・改善法
それでは、気を使って疲れてしまわないためにはどうすれば良いでしょうか。ここでは、効果的な対処・改善法を3つご紹介します。
自分で自分を認める
気を使いすぎる人が他人を優先してしまう心理の裏には、「本当の自分を見せたら嫌われてしまうかもしれない」という不安が隠れていることがあります。そのような不安を抱きながらも、本当はありのままの自分で他人に接したいと願う方も少なくないのではないでしょうか。
この問題を解決するためには、まず自分自身が自らの個性を認めてあげることが重要です。自分が自分を受け入れることができたなら、「他人に受け入れられなかったらどうしよう」という恐れも小さくなっていきます。そして、自分だけでなく他人のことも、心の底から認め、受け入れることができるようになるでしょう。
自分の気持ちを伝える
周りの人とのコミュニケーションの中で、自分の気持ちをできるだけ正直に伝えるようにしましょう。特に、自分が嫌なことを断るように心がけると良いでしょう。
そうは言っても、ストレートに意見を表明するのはなかなか難しいものです。そこで、相手を傷つけることなく「No」を伝える技術を知っておくと役立ちます。例えば、『断る理由を伝える』「『申し訳ないですが』『せっかくですが』などワンクッション置いてから伝える」などの方法があります。
相手にも気を使わせている可能性に気づく
周りの人とのコミュニケーションの中であまりにも気を使い過ぎると、かえって相手のほうに気を使わせてしまう可能性があります。相手もあなたと同じように気づかいが得意であった場合、やりとりのあとに「必要以上に気を使わせてしまった」と申し訳ない気持ちになっているかもしれません。また、相手としては真意を知りたくて会話をしていたにも関わらず、気を使うあまり曖昧な言葉しか返さなかったとしたら、相手は不満足でしょう。
そもそも周りの人に心地よく過ごしてほしいから気を使っているのに、逆に相手に気を使わせたり、ネガティブな気持ちを抱かせてしまったりするのでは本末転倒なはずです。人と人とのコミュニケーションでは、自分の意見をはっきり伝えることが相手のためになるケースも少なくありません。思い切って、自分の気持ちや考えを話してみましょう。
まとめ
人に気を使えることは、素晴らしいことです。しかし、気を使いすぎて自分が疲れてしまうのは問題です。
気を使いすぎる人には、共通する特徴がいくつかあります。長所があるからこそ気を使いすぎてしまうという側面もあるのです。まずは、「気を使いすぎる」という部分も含めて、自分の個性を自分自身で認めて受け入れましょう。
その上で、相手に自分の意見を伝えるように努めましょう。相手もきっと、あなたの本当の気持ちや考えを知りたいと思っているはずです。相手を傷つけづらい言い方を学び、他人と異なる意見も表出できるように少しずつ取り組んでみましょう。