仕事にストレスは付きものです。日々の業務に楽しく取り組むことができている場合でも、一切ストレスを抱えないでいるというのは難しいのではないでしょうか。
今回は、仕事で抱えるストレスの中でも「人間関係ストレス」に着目して、その対処法・解消法を考えていきます。また、普段からストレスの少ない人間関係を築いておくためのポイントもご紹介します。職場の人間関係でお悩みの方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
仕事では人間関係のストレスが溜まりがち
仕事で抱えうるストレスはさまざまです。業務内容や労働時間、仕事の進め方や給与額など、仕事の中で感じるストレスの原因は人によって異なるでしょう。
その中で、複数の調査において何度もランキング上位に食い込んでいるストレスの原因があります。それは、「人間関係のストレス」です。上司、同僚、部下、顧客や取引先など、仕事をするにあたっては多くの他者と関わることになります。そのような人間関係の中で、ストレスを抱えてしまう人が多いのです。
(参考にした調査データ)
チューリッヒ生命:ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査2017
同2018
同2019
エン・ジャパン:「ストレス解消」についてのアンケート 2016
蓄積された人間関係ストレスへの対処法
それでは、仕事をするうちに溜まってしまった人間関係ストレスには、いったいどのように対処すべきなのでしょうか。ここでは、ストレスをうまく解消して心を健康に保つためにおすすめの方法を4つご紹介しましょう。
誰かに話す
まずは、身近な家族や友人と会話をしてみましょう。悩んでいることについて誰かに話したり、愚痴を言ったりしているうちに、自分の頭の中が整理されます。問題の解決案が自然と思い浮かぶこともありますし、相手からアドバイスを受けることもできます。
また、悩みとは関係のない楽しい雑談をするのもおすすめです。特に、つい仕事のことばかり考えてしまうという人にとって、関係のない会話をすることはストレス発散に役立つでしょう。
しっかり休養する
ストレスが溜まっているときには、休養することも大切です。食べたいと思うものを食べ、じゅうぶんな睡眠をとりましょう。
身体が休まっていない状態だと、物事に冷静に対処するのが難しくなりがちです。心と身体はつながっています。しっかりと身体を休めることによって気持ちが前向きになり、打開策が思いつくこともあるのです。
好きなことに打ち込む
じっと休んでいるよりも、好きなことに取り組むほうが、ストレス解消に効果的な場合もあります。
身体を休めてもストレスが減らないときは、趣味などに打ち込む時間を積極的に設けましょう。自分の好きな活動に集中することで、心身ともにすっきりリフレッシュすることができるでしょう。
働く環境を変える
自分ではどうにもできないストレスもあります。また、ストレス解消の手段を試してみても、蓄積されるストレスが多すぎて追いつかないということもあります。
そのような場合は、思い切って環境を変えることが一番です。転職する、部署転換を申し出るなど、ストレスの原因となる環境を変えるために行動しましょう。
仕事においてストレスの少ない「良い人間関係」を築くには?
蓄積されたストレスを解消することも大切ですが、そもそもストレスの溜まりにくい人間関係を築いておくことも重要です。そこで、職場において良い人間関係を築き上げるためのポイントをご紹介します。
信頼関係を築く
職場で関わる相手との間に、信頼関係を築くことが大切です。お互いに信頼がある相手とであれば、いつでも円滑なコミュニケーションを取ることができ、伝えにくいことであっても素直に伝達しあえるような関係が築けます。
信頼関係を構築するためには、次のような方法が役立ちます。
- 相手が話すスピードやリズムを合わせる
- 立ち居振る舞いを相手に似せる
- うなずきや相槌を相手と合わせる
- 相手が話す内容に共感する
- 相手と同じ言葉や表現を使う
これは、自分に似た相手に好感や安心感を抱くという人間の性質を利用した手法です。苦手な相手と話すときにこのような関わり方を心がけると、だんだんと打ち解けられるようになっていきます。一度試してみてはいかがでしょうか。
積極的に傾聴する
会話をするときには、積極的に傾聴することを心がけましょう。人は誰でも、相手に承認してもらいたいという思いを抱いています。しかし、仕事をする中でそのような機会はそれほど多くないのが現状です。
そこで、徹底的に「聞き役」に回る機会を設けてみてください。その際には、相手の話の内容に何か思うところがあっても、すぐに反論したりアドバイスをしたりするのではなく、ひとまず耳を傾けます。このように傾聴する機会を作ることで、相手は「この人は信頼できる人だ」と感じやすくなるため、良好な関係を築きやすくなります。
こうしてあらかじめ良い関係を築いておくことによって、自分の意見やアドバイスを相手に聞き入れてもらいやすくなるのです。
笑顔を大切に
基本的なことかもしれませんが、笑顔を心がけることは大切です。会話をする前に、相手に対して怖い印象や暗い印象を与えてしまうと、その後のコミュニケーションにも影響が出てしまいがちです。逆に、いつもニコニコしている人とは、コミュニケーションが取りやすいような気がしませんか。
また、笑顔でいることは、自分自身の感情にもポジティブな影響を与えてくれます。人は、楽しい感情を感じてから笑顔になっていると思いがちですが、逆に笑顔でいるからこそ楽しい感情が湧いてくるということもあるのです。笑うのが苦手だという場合は、作り笑いでも構いませんので、笑顔でいる時間を作ってみましょう。その積み重ねが、良好な人間関係につながることでしょう。
自己肯定感を高める
「とにかく相手に合わせる」というコミュニケーションで成り立つ人間関係は、上辺ではうまくいっているように見えても、本当の意味で良好な人間関係とは言い難いでしょう。相手に共感するのは大切ですが、それは自分の意志を持った上でおこなってこそ意味があるものです。
そこで重要なのが、自己肯定感を高めることです。自己肯定感とは、そのままの自分を認めて受け入れ、自分に価値を感じ、自分の存在を肯定する感覚です。人と比べずに、ありのままの自分を尊重することができてこそ、それと同じように他者を尊重することができます。
例えば、自分の業績を人と比べて落ち込み、自分の価値まで見失ってしまいがちな人は、同じく業績の悪い同僚や部下のことを必要以上に叱ってしまいがちです。仕事上の課題を指摘する際に人格まで否定してしまうと、良い人間関係を築くことが難しくなります。逆に、仕事上の課題とは別に自分の価値を認めることができる人は、同僚や部下に対しても同じように接することができ、建設的なアドバイスができるでしょう。まずは、自分自身をありのまま受け入れるように努めてみましょう。
まとめ
仕事をする中で、職場の人間関係にストレスを抱える人は多いようです。人間関係でストレスを溜め込んでしまったら、身近な人に話したり、趣味に打ち込む時間を作ったりと、ストレス解消につながる行動を取ってみましょう。
また、普段からストレスの溜まりにくい人間関係を築いておくことも大切です。笑顔や傾聴姿勢を大切にして、信頼に基づいた関係を作り上げるように努めましょう。職場の人間関係を改善することは、スムーズな業務進行にもつながるはずです。