目次
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  1. 1. メンタルヘルスマネジメントの資格とは?
  2. 1. メンタルヘルスマネジメント検定とは
  3. 2. メンタルヘルスマネジメントⅢ種(セルフケアコース)
  4. 3. メンタルヘルスマネジメントⅡ種(ラインケアコース)
  5. 4. メンタルヘルスマネジメントⅠ種(マスターコース)
  6. 2. メンタルヘルスマネジメントの資格取得には3つのコースがある
  7. 1. セルフケアコース
  8. 2. ラインケアコース
  9. 3. マスターコース
  10. 3. メンタルヘルスマネジメントの資格を取得するためのおすすめ対策
  11. 1. 受験対策講座を受講する
  12. 2. 通信講座を受講する
  13. 3. 参考テキストを活用する
  14. 4. まとめ

この数年、企業ではストレスチェックの導入や働き方に関する改革が進行しており、「働きやすさ」に対する取り組みが重視されるようになりました。その反面、職務や会社全体の組織に対してストレスを抱える人は増加傾向にあることが分かっています。社内で「心の健康管理」に携わる人材育成も急務となりました。ここでは「メンタルヘルスマネジメント検定試験」についてクローズアップし、試験の概要や合格率などに関して紹介してまいります。

メンタルヘルスマネジメントの資格とは?

メンタルヘルスマネジメントとは、企業で働く人たちに心身の不調を未然に防止するための「職場における心の健康管理」を指しています。これは、社会的責任の履行からも企業全体で取り組むべき事案といえるでしょう。その一環として、ストレスチェックの導入などが挙げられます。社員の健康は、労働生産性の維持や向上に深くかかわってきます。

 

もちろん、企業としてだけではなく、個人レベルでもメンタルヘルスに関する自己管理が求められます。中でも、悩みに対し相談に乗れる人材の育成や、心の不調に対する対処方法を伝えられる人材の育成が必要になることでしょう。メンタルヘルスに関して知識を持つことができれば、職場内における自分自身の役割に応じてアドバイスできるようになるほか、未然に防ぐための対策を講じることもできるようになります。この人材の育成は一人でも多いほうが企業にとって大きなプラスに傾くはずです。

メンタルヘルスマネジメント検定とは

メンタルヘルスに関する知識や対処方法を習得したことを形にするために、商工会議所が主催する「メンタルヘルスマネジメント検定試験」があります。この検定試験では、健康増進や疾病の未然防止を柱に、管理監督者(いわゆる管理職系)が統括する部下のケアや、組織単位で取り組む従業員のケアの促進などを学習し、習得することができます。

また、メンタルヘルスというと「産業保健」の観点で検討しがちの事案ですが、人事労務管理の観点も重視しているため、個人だけの問題としてとらえず、組織全体の観点でメンタルヘルスをとらえられるようにもなります。

メンタルヘルスマネジメント検定には3つの受験種別があり、職位や職種などそれぞれの立場に応じた対象種別が設定されています。

メンタルヘルスマネジメントⅢ種(セルフケアコース)

一般社員を対象にしたコースで「セルフケアコース」という別称があります。「セルフケア」という名の通り、組織における従業員個人のメンタルヘルス対策の推進ができることを目的としています。このⅢ種検定試験では、自分自身のストレスの状況やその状態を把握することによって、心身の不調を早い段階で気づくことを第一に挙げています。また、それに対して自らケアを行うことと、第三者や医療の場に助けを求められることを到達目標にしています。

メンタルヘルスマネジメントⅡ種(ラインケアコース)

いわゆる管理職である「管理監督者」を対象にしたコースで、「ラインケアコース」という別称があります。部門内における「上司」という立場から部下のメンタルヘルス対策の推進を行うことを目的としています。このⅡ種検定試験では、部下が心身の不調に陥らないよう普段から配慮できること、万一部下に不調のサインが見られた場合には、安全配慮義務に則した対応ができることを到達目標としています。

この検定の出題内容を見ると、相談への対応や話の聴き方、助言の方法にまで言及しているため、上司としてのメンタルヘルスケアの在り方も習得できる内容ともいえます。

メンタルヘルスマネジメントⅠ種(マスターコース)

経営幹部や人事労務管理スタッフを対象にしたコースで、「マスターコース」という別称があります。社内全体のメンタルヘルス対策の推進を目的としています。この検定試験に合格することで、企業の人事戦略や方針を念頭に置いたうえで、メンタルヘルスケアの計画や産業医や産業保健師などの保健スタッフや専門機関との連携に伴う橋渡しの役目を担うことができます。また、メンタルヘルスに関して従業員への教育や研修といった社内での活動などのプランニングや実施する立場となるまでのスキルが認められます。

Ⅱ種・Ⅲ種の領域では、個人や部門というような小さな集団でのメンタルヘルスに言及する内容でしたが、Ⅰ種では、会社の利益なども尊重しながら、メンタルヘルス対策に関するすべての事柄を統括するまでのスキルが求められます。社内の統括はもちろん、「産業保健スタッフ」など外部の機関との連携にも言及されており、メンタルヘルスに関して幅広い視野を持っていることが認められる試験です。

メンタルヘルスマネジメントの資格取得には3つのコースがある

 

先にも記した通り、メンタルヘルスマネジメント検定には3つの種別があり、それぞれ受験対象者が異なります。では、これらを受験することのメリットや気になる合格率などをまとめてまいります。

セルフケアコース

セルフケアコース(Ⅲ種)は、企業内におけるメンタルヘルスケアの入り口としても受験しやすい内容です。またセルフマネジメントが身についていることが検定によって認められることで、自らのことはもちろん、同僚の不調に気づき、伝えることもできるでしょう。

医療に助けを求めることはハードルが高いと感じてしまうこともあり、状況を悪化させることもありますが、この検定を受けることによって、その重要性にも気づくはずです。

 

Ⅲ種の検定試験は年2回、3月と11月に開催されます。問題構成は選択問題のみで、受験時間は2時間です。配点は100点満点で、70点以上の得点が合格基準となります。

気になる合格率ですが、直近に開催された2019年3月の試験では79.7%。過去の合格率を見ても平均して75%~80%の間で推移しています。

ラインケアコース

部門を統括する立場にある管理職や、部門内において職場環境の改善を図る立場にある人には好適の検定内容です。また、心の健康問題を抱えている復職者に対するサポートにも携わることができるまでの知識が得られるため、より一層働きやすい職場づくりに向けた行動をとれることが期待されます。もちろん、人事関連の統括者と部下の間に立ち、橋渡しの役目が担えるまでのメリットが生まれます。

 

Ⅱ種の検定試験は年2回、3月と11月に開催されます。問題構成は選択問題のみで、受験時間は2時間です。配点は100点満点で、70点以上の得点が合格基準となります。

気になる合格率ですが、直近に開催された2019年3月の試験では48.7%。過去の合格率を見ても平均して50%~60%の間で推移しています。

マスターコース

職場環境の改善を実施する立場にある人や、人事労務部門などで勤務状況や社内評価などをチェックする立場にある方にぜひ受けてほしい検定です。勤怠や社内評価の情報と、培ったメンタルヘルスケアの知識をリンクさせることで、従業員が発する何らかのサインの気づきにつながることも期待されます。また、外部機関とタッグを組んでメンタルヘルスケアの推進に向け実際に行動に移すことで、社員のポテンシャルを高めることはもちろん、自社の労働生産性の維持や向上にもつなげることができます。

 

Ⅰ種の検定試験は年1回、毎年11月に開催されます。試験では2時間の選択問題と、1時間の論述問題が出題されます。配点は選択問題が100点で、論述問題が50点満点です。選択問題と論述問題の得点の合計が105点以上で合格となります。ただし、論述問題は25点以上の得点が必要です。

論述問題とは、実務遂行の中で必要な知識と応用力、また総合的判断力を問うための質問がなされ、記述(文章)による解答が求められるものです。

 

気になる合格率ですが、Ⅰ種の場合は18%~20%台と低い合格率で推移しています。それだけ専門的知識が求められていることが分かるでしょう。また、論述問題に関しては模範解答が掲載されません。2つの問題の合計得点で合否判断がなされるため、選択問題だけではなく、論述問題は演習を重点的に行う必要があるでしょう。

メンタルヘルスマネジメントの資格を取得するためのおすすめ対策

メンタルヘルスマネジメント検定はあくまでも自分自身のスキルを推し量るための「検定試験」です。けれど検定に合格することで、企業のメンタルヘルスに関するガイドラインをより深く理解できるようになります。また自らの働き方についても模索できるようになるでしょう。

Ⅱ種・Ⅰ種の検定に合格することでメンタルヘルスケアに関する社内プロジェクトに召集される可能性や、管理職への道も開けます。

では、検定合格に向けたおすすめの対策をご紹介します。

受験対策講座を受講する

各地域の商工会議所などが主催する座学形式の受験対策講座があります。メンタルヘルスマネジメント検定を主催する団体が行う受験対策講座です。受験範囲の講義と、模試を行い実践的な試験対策も行います。

受験予定者だけではなく、メンタルヘルスに興味を持っている人や、総務や人事を担当する人も受講できる内容なので、積極的に受講することをおすすめします。

通信講座を受講する

Ⅱ種・Ⅲ種の受講内容を中心とした通信講座があります。自宅にいながら学習できる通信講座は隙間時間を使った勉強ができるためおすすめです。教育訓練給付制度の対象となるので、受講料をハローワークに負担してもらいながら受講できるメリットがあります。添削はもちろん、質問を受け付けてもらえるサービスなどもあるので、よりテキストの内容を理解し検定合格へつなげる力を蓄えることができます。

参考テキストを活用する

メンタルヘルスマネジメント検定試験では、公式テキストを出版しています。出題内容が網羅されたテキストで、このテキストの内容から応用問題が出題される傾向にあります。Ⅰ種からⅢ種までそれぞれ刊行されており、書店で購入することが可能です。また、公式テキスト以外の参考テキストも販売されているので、受験概要を知りたい場合や、独学で合格に向けた勉強をしたいと考えている人はテキストの購入を足掛かりにするとよいでしょう。

まとめ

メンタルヘルスマネジメント検定は、自分自身がストレスと上手に付き合うための方法や、会社の仲間を疾病で失わないための事前フォローができるようになるスキルが身につきます。また自社の会社力を上げるための必要な要素にもつながります。Ⅰ種検定合格を目指し、自社のメンタルヘルスケアの意識を高めてみませんか?