- 1. そもそもメンタルヘルスとは?症状例を紹介
- 1. メンタルヘルスは精神の健康状態のこと
- 2. 精神の健康状態だが体としての不調も発生する
- 3. 近年では心身の健康状態という意味でも使われる
- 2. 部下のメンタルヘルス不調に気づいた時の正しい対応
- 1. まずは本人に不調を気づいてもらう
- 2. 産業医やカウンセラーへの相談を促す
- 3. 業務過多の場合は調整する
- 3. メンタルヘルス不調にいち早く気付くためにはケチな飲み屋?
- 1. け「欠勤」
- 2. ち「遅刻・早退」
- 3. な「泣き言を言う」
- 4. の「能力の低下」
- 5. み「ミス・事故」
- 6. や「やめたいと言い出す」
- 4. 部下のメンタルヘルスを健康に保てる環境づくりが重要
- 1. 定期的なストレスチェックテストの実施
- 2. 社内レイアウトの変更で働きやすさを改善
- 3. 福利厚生の充実
- 5. まとめ
メンタルヘルスに不調をきたした部下にいち早く気付き、正しい対応をするのは上司として理想の姿ですよね。しかし、どのように不調に気付けば良いのか、気付いてもどのように対応すれば良いのか知っている方は少ないでしょう。
そこで本記事では、そもそもメンタルヘルスとは何なのかから、部下の不調に気付いたときの正しい対応、素早く不調に気付くコツをご紹介します。部下のメンタルヘルスを健康に保つ環境づくりについても説明致しますので、部下の対応に悩んでいる上司の方々はチェックしておきましょう。
そもそもメンタルヘルスとは?症状例を紹介
そもそもメンタルヘルスとはどういったものなのか、正しく理解している方は少ないのではないでしょうか?正しい対応をとるには、正しい知識が必要。ここでは、メンタルヘルスとは何か、不調にはどのような症状があるのかをご紹介します。
メンタルヘルスは精神の健康状態のこと
メンタルヘルスとは、心の健康のこと。肉体的な健康状態に対し、精神的な健康状態のことを指します。「精神的な病」などのネガティブなイメージを持たれがちですが、“メンタルヘルス”という言葉だけであればそのような意味は全くないので注意しましょう。
精神の健康状態だが体としての不調も発生する
メンタルヘルスとは精神の健康状態のことを指しますが、不調をきたすと精神的な影響だけではなく身体的な症状も出てきます。メンタルヘルスは不調をきたしても自覚しにくいので、以下の様な症状がある場合はメンタルヘルスの不調ではないか疑ってみましょう。
- 不眠・睡眠障害
- 慢性的な頭痛
- 食欲不振・体重減少
- 腰痛・肩こりの悪化
- 慢性的な胃痛
- 風邪をひきやすくなる
- 酒やたばこの量が増える
近年では心身の健康状態という意味でも使われる
本来であれば精神の健康状態のことを表すメンタルヘルスですが、上述したように肉体的な不調としても影響がでるので、近年では肉体的な健康状態も含めた心身の健康状態という意味でも使用されています。
そのため、「メンタルヘルスを重視する」=「肉体面だけでなく、精神面も健康に過ごす」という意識で使われることが多いようです。
部下のメンタルヘルス不調に気づいた時の正しい対応
それでは、上司が部下のメンタルヘルスの不調に気付いた時には、どういった対応をするべきなのでしょうか。間違った対応をしてしまうと、メンタルヘルスの不調を悪化させてしまう可能性もあるので注意が必要です。以下でご紹介する対応方法をチェックしておきましょう。
まずは本人に不調を気づいてもらう
メンタルヘルスの不調は、本人が気付いていないケースが多くあります。さらに、本人が何らかの不調に気付いていたとしても、メンタルヘルスの不調が原因と分かっていないケース、“メンタルヘルスの不調”という言葉にネガティブなイメージを持つあまりに隠しているケースなどもあります。
そこで、まずは本人の自覚を促すため、客観的なデータを本人に示しましょう。ここで注意しておきたいのが、「この頃調子はどう?」というような抽象的な聞き方をしないこと。自覚をしていなかったり不調を隠していたりする場合、「調子は良いです」と答えられてしまい、それ以上の話ができなくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、「遅刻が増えているけどどうした?」「ミスが多いけどどうした?」などの不調の結果から原因を聞きだすこと。具体的な聞き方をすると人は嘘をつきにくくなるので、部下に正直な話をしてもらいたい場合に有効です。さらに、遅刻やミスなどの偽ることのできないデータや事実を出すのもポイント。自分を客観視させることで、メンタルヘルスの不調を自覚させやすくすることができます。
ただし、「メンタルヘルスの不調だろう」と決めつけるような言い方はNG。本人は大きなストレスを抱えている状態なので、これ以上ストレスを増やすことのないように、あくまで「話を聞きたい」という受け身のスタンスで聞くようにしましょう。
産業医やカウンセラーへの相談を促す
本人に自覚させることができたら、産業医やカウンセラーへの相談を促しましょう。しかし、以下のような理由で専門医に相談することを嫌がる人が多いのも事実です。
- この苦しさが相談で解消されるとは思えない
- 周囲に心配をかけたくない
- 今の職場にいられなくなるかもしれないという不安
素人が悩み相談にのっても根本的に解決するのはとても難しいので、根気よく説得を続けましょう。ただし、根気強い説得が本人のストレスになるようであれば経過観察でもかまいません。上記のような不安を抱えているということを慮りながら、本人が自発的に専門医に相談できるように話を進めましょう。
業務過多の場合は調整する
もしメンタルヘルス不調の原因に業務の多さがある場合は、少し減らして負担を軽減させるようにしましょう。しかし減らしすぎると仕事がないことで逆に不安を与えてしまうこともあるので、慎重に調整するようにしましょう。
また、表面的に業務を減らしたとしても、職場での人間関係がメンタルヘルスの不調の原因となっている場合は問題の解決にならないので要注意。専門医の判断に従って、業務をどのように減らすのかを決めると良いでしょう。
メンタルヘルス不調にいち早く気付くためにはケチな飲み屋?
メンタルヘルスの不調は、より早く気付くことが早い回復に繋がる重要なポイントです。そこで、いち早く気付くために必要なのが「ケチな飲み屋」という語呂合わせだと言われています。以下の項目をチェックして、部下の不調に素早く気付けるようにしましょう。尚、下から上にいくほど緊急度は高いので要注意です。
け「欠勤」
欠勤が頻繁にあったり、続いたりする場合や無断欠勤がある場合は注意が必要です。特に休み明けの欠勤は要注意。休日に1日中寝ていて、無気力のため起きることができない状態になっている可能性があります。
ち「遅刻・早退」
欠勤と同じく、遅刻や早退が続いた場合も要注意。仕事に対して無気力になっていたり、仕事にストレスを抱えていて職場環境に耐えきれない精神状態の可能性があります。
な「泣き言を言う」
普段あまり泣き言を言わない人が泣き言を言うようになった場合、メンタルヘルスの不調の可能性があります。
の「能力の低下」
これまでやっていた仕事ができない、仕事にかかる時間が長くなった、という場合は要注意です。
み「ミス・事故」
これまでしたことのなかったようなミスや、業務中であるないに関わらず事故を起こしてしまった場合は注意が必要です。メンタルヘルスに不調をきたし、注意力散漫になっている可能性があります。
や「やめたいと言い出す」
社会人であれば「やめたいな…」と愚痴をこぼすことは、珍しくありません。しかし、これもメンタルヘルスの不調の影響である可能性は大いにあります。ただの愚痴、と処理しないようにしましょう。
部下のメンタルヘルスを健康に保てる環境づくりが重要
上司が部下のメンタルヘルス不調を深刻化させない、そもそも不調にさせないためには、部下のメンタルヘルスを健康に保てる環境づくりを行うことが重要です。ここでは具体的な対策として、3つをご紹介。簡単にできるものもあるので、実践してみて下さい。
定期的なストレスチェックテストの実施
部下のメンタルヘルスを健康に保つためには、不調の早期発見やメンタルの現状を知っておくことが重要です。そこで、定期的にストレスチェックテストを行うのがおすすめ。従業員が50人以上の会社では実施が義務化されていますが、それ以下の会社でも実施すると良いでしょう。
社内レイアウトの変更で働きやすさを改善
職場環境は、社内で受けるストレスに大きく影響します。仕切りをなくして開放感のあるオフィスにするなど、社内のレイアウトを変えるだけで職場は働きやすく、快適なものになり得ます。
観葉植物を飾って緑を感じられるオフィスにするなど、簡単に変更可能なレイアウトもあるのでやってみると良いでしょう。
福利厚生の充実
雇用保険などの法定福利厚生の他に、健康増進や育児・介護支援などの福利厚生が充実していると、メンタルヘルスを健康に保つことに一役買ってくれるでしょう。企業によっては舞台チケットを安く購入できる、旅行に行く際に安く宿泊できる、などの福利厚生もあるので、プライベートでストレスを解消する手助けをしてくれます。
また、家族手当や医療手当などの福利厚生が充実しいていると、安心して働ける環境づくりに繋がります。
まとめ
部下のメンタルヘルスを健康に保つということは、業務の作業効率を上げる結果にもなり、会社全体の利益にも繋がります。部下の精神面にまで気を配るのは難しいかもしれませんが、定期的に行われるストレスチェックテストを上手に活用したり、今回ご紹介した「ケチな飲み屋」を意識して部下の異変にいち早く気付くようにしましょう。
また、そもそも不調にならないような環境づくりも重要です。日頃から部下が上司に相談しやすい環境をつくれるように、「話を聞きたい」という姿勢を大切にしましょう。