- 1. そもそもリーダーシップとは
- 2. リーダーシップの種類6つ
- 1. 正しい方向性を示しメンバーを引っ張るビジョン型リーダーシップ
- 2. 少人数(5~10人)の組織に多いコーチ型リーダーシップ
- 3. 信頼関係を築くことで目標達成を狙う関係重視型リーダーシップ
- 4. 部下や他の人の意見を汲んでビジョンを定める民主型リーダーシップ
- 5. 部下の教育に最も適した支援型リーダーシップ
- 6. 時と場合によっては悪になりうる強制型リーダーシップ
- 3. リーダーシップを発揮するためには?
- 1. はっきりした目標やゴールを決める
- 2. 一貫したぶれない信念をもつ
- 3. 行動力やコミュニケーション能力が高い
- 4. 分析する能力が他の人より優れている
- 4. まとめ
ビジネスシーンにおいてリーダーシップが取れるかどうかは、マネジメントスキルにおいて重要なスキルの1つです。ひとくちに「リーダーシップ」といってもその種類はさまざまで、先頭に立ち皆を引っ張っていくスタイルや、いわゆるカリスマ性だけがリーダーシップのすべてではありません。
ここでは、リーダーシップにおける6つの種類や、リーダーシップを発揮するために必要な4つの要素などについてわかりやすく解説しています。「自分はおとなしいから、リーダーシップを発揮することはできないのでは」と諦めている人にとって、考え方が変わるきっかけとなれば幸いです。
そもそもリーダーシップとは
リーダーシップとは、複数の人をチームとしてまとめ、目標達成に向けて指導する立場の人、またはその任務を意味しています。人は個々の目的に応じて行動するだけでは、チームワークを高めることができません。また、「3人いれば派閥ができる」という言葉もあるように、チーム内の人数が増えるほど、意志の統一は難しくなっていくでしょう。
企業で役職に就いている人はもちろんですが、一般社員であっても、勤続年数が上がるにつれて後続の部下ができていきます。関係部署や取引先との交渉においても、個人としてではなく企業の顔として振る舞うべき局面は必ず出てきます。
どんな立場であれ「自分の指導を仰ぐ者、従う者」がいる状況の中でリーダーシップをとることは、その人の資質にかかわらず「仕事」として遂行するべき行動です。たとえ「自分はリーダーに向いていない」と思っていたとしても、職場で人に指示を出すポジションにあるなら、1つの方向や目標に向かってメンバーを導き、目標を達成する任務を負っていると考えた方がよいでしょう。
とはいえ、まったく自分に向いていないことを無理にしようとするのは、効率的ではありません。おとなしい人でも、穏やかな人でも、自分の資質を活かしてリーダーシップをとることは充分に可能です。
リーダーシップの種類6つ
リーダーシップにはいくつかの種類があり、その方法やスタイルによって指導方法はことなります。方法が違っても、最終的に目標が達成できれば、仕事としてのリーダーシップは成功であるといえるでしょう。
代表的なリーダーシップの種類には、以下のようなスタイルが挙げられます。
正しい方向性を示しメンバーを引っ張るビジョン型リーダーシップ
自らが目標のビジョンを示し、ポジティブな動機づけによってメンバーのモチベーションを上げていくのがビジョン型のタイプです。経営のトップなど、ビジョン型にはいわゆるカリスマ性の高い人が多い傾向にあります。
つき従うメンバ―の求心力が高い反面、ビジョンに矛盾が生じるとリーダシップも崩れがちです。
少人数(5~10人)の組織に多いコーチ型リーダーシップ
1人1人の考えや意見に耳を傾け、それぞれの個性に合わせた采配で目標達成へ導いていくのがコーチ型の特徴です。適材適所が行き届き、メンバーも活き活きと働くことができるため、少人数の組織では高いリーダーシップを発揮できますが、チームのメンバーが増えて大規模になってくると個別のコントロールが難しくなるというデメリットもあります。
信頼関係を築くことで目標達成を狙う関係重視型リーダーシップ
メンバーとの信頼関係を構築し「〇〇さんにはお世話になってるから」「○○さんが言うなら頑張ろう」といった動機づけで目標達成へ導くのが関係重視型です。義理人情を重視するタイプからは能力以上の成果を引き出せる反面、信頼関係を築くのに時間がかかったり、ドライなタイプには思うように効果が得られない場合もあります。
部下や他の人の意見を汲んでビジョンを定める民主型リーダーシップ
ボトムアップで組織からの意見を広く受け入れ、大筋の流れを個別に提示してまとめるのが民主型です。自分では思いつかない新しいアイデアが生まれたり、「みんながそう思っているなら」と組織が考えることでチームワークを強固にできるメリットがありますが、リスク管理や危機管理といった緊急を要する場面での決断が遅れがちになります。
部下の教育に最も適した支援型リーダーシップ
リーダーシップをとる側の立場が奉仕の心を持ち、部下のサポートにまわるのが支援型リーダーシップです。「上司である」「目上の人である」という立場だけで委縮しがちな新入社員や、能力があるにもかかわらず引っ込み思案なメンバーなどの教育に適したリーダーシップであるといえるでしょう。
時と場合によっては悪になりうる強制型リーダーシップ
トップダウン方式で、強い発言力や時に圧力的な方法でチームをまとめる強制型は、パワハラと受け取られかねない側面がある反面、短期に効果を上げやすいリーダーシップの方法でもあります。積極的な働きかけが苦手な人が多い組織や、従来の体制を大きく刷新する必要がある場面などでは活かされるものの、コンプライアンスや集団的な反発、大量退職などのリスクには充分な注意が必要です。
リーダーシップを発揮するためには?
上記のように、リーダーシップのとり方にはさまざまな種類があり、自分の資質や組織の体制、規模などによっても、ふさわしい方法はことなります。リーダーシップの能力を適切に発揮するためには、以下に挙げる4つのポイントも重視する必要があるでしょう。
はっきりした目標やゴールを決める
「とにかくリーダーシップを取らなくては」と焦ったり、上司らしく、役職者らしく振舞おうと自分に合わない行動を取っても、そこに従おうと考える人は少ないものです。達成するべき目標やゴールをリーダーがまず理解して、部下へ明確に示していくことで、進むべき方向性の共有が可能となります。
一貫したぶれない信念をもつ
「ミスの責任を取る」と言いながら、実際にミスが起きると責任の所在をうやむやにしたり、「個別に意見を聞いて反映させる」と約束したのに取り上げられない、といった行動の矛盾は、リーダーシップにとって致命的となります。
言葉や行動に責任を持ち、特に正解のない局面では信念をもって矜持を周囲に示すことは、リーダーシップや信頼関係の構築において大切なポイントとなるでしょう。
行動力やコミュニケーション能力が高い
民主型や支援型などの柔らかいリーダーシップはもちろん、強制型やビジョン型においても、チームに広く受け入れられるためには、相応の行動力とコミュニケーション能力が求められます。
行動力とコミュニケーション能力は、単に「弁が立つ」、「スピーチが上手い」、といった小手先の力ではありません。目標やゴールに対して迷わない決断力や、人の話に真摯に耳を傾ける傾聴力といった点が重要です。
分析する能力が他の人より優れている
グラフや数値、部下からの聞き取りなど、さまざまな手段で得た情報をどう活用するかは、情報を手にした人の分析力にかかっています。戦略や改善点の洗い出しを適切におこなうためには、木を見て森も見る分析力を身につけましょう。
まとめ
リーダーシップは組織をまとめるうえで不可欠な能力であり、本人の資質にかかわらず「仕事」として遂行されるべき任務です。ビジョンを熱く語ったり、トップダウンで統率するのもリーダーシップの1つですが、丁寧に個別の意見を聞く、奉仕の精神で教育するといった行動もリーダーシップには重要です。
どのようなスタイルであっても、到達するべき目標やゴールを明確にして、強い信念をもって取り組むことで、自分なりのリーダーシップを発揮できるでしょう。