目次
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  1. 1. 心理学とは
  2. 1. 心理学は心の科学
  3. 2. 心理学は範囲が広い
  4. 2. 心理学の目的とは
  5. 1. 臨床心理学の重要性
  6. 2. 教育心理学の影響力
  7. 3. 心理学は領域が広く考え方は多様
  8. 3. 多くの人が勘違いしている「ポピュラー心理学」
  9. 1. 学問としての心理学とは
  10. 2. ポピュラー心理学とは
  11. 3. 「心理テスト」と「心理検査」は違う
  12. 4. 血液型診断もポピュラー心理学
  13. 4. まとめ

「心理学」という表現は普段の生活でも時折耳にすることがありますが、本来の正しい意味はご存じでしょうか?

 

この記事では、「心理学」とはどのような学問を指し、どのような「目的」を持つのかを解説します。さらに、心理学と混同されがちな「学問的心理学」と「ポピュラー心理学」の違いも解説します。血液型診断などはどちらに入るか、気になる方も多いのではないでしょうか。

 

「心理学」とは何かを正しく理解し、今後の心理学学習に役立ててください。

心理学とは

そもそも「心理学」とはどのような学問を指すのか、概略を説明します。

心理学は心の科学

心理学とは、人間の感情や行動のメカニズムを科学的に研究する学問です。

英語では「Psychology(サイコロジー)」と表記します。サイコは「心」、ロジーは「学問・科学・法則」を意味するので、一言で表現すれば「心理学=心の科学」といえます。

 

本来、人の心はあいまいで、はっきりと説明できないことが多いものです。

ところが、心が科学的に分析されると「どのような心境のときにどういった行動を取るか、身体はどのように反応するのか」など、心・行動・身体のメカニズムが判明します。

 

つまり、心理学は人(ときには動物も含む)の心と行動・身体の仕組みを、科学的に解明する学問です。

心理学は範囲が広い

心理学には、やや難しい側面があります。「心」とは何かと考えた場合、その対象範囲が広く、主観によって大きく左右されがちです。

 

また、心だけでなく、心の働きが現れた行動も心理学の対象です。無意識、すなわち意識できない心の領域も心理学の対象になります。対象範囲の広さと解釈の多様性が心理学の大きな特徴です。

 

さらに、心理学は目的や対象によってさまざまな分野に分かれます。社会心理学・臨床心理学・犯罪心理学などの各分野に加えて、工学や医学などその他の分野と関連付けた研究も進化しています。

心理学の目的とは

 

科学である心理学の目的は、「人間の心を理解する」ことです。「心理的要因は人間の行動にどのような影響があるのか」というメカニズムの解明が、心理学本来の目的となります。

 

心のメカニズムを学習すると、人間関係の改善法やストレスケア法が身につき、日常生活にも役立ちます。このように、心理学は実生活への貢献が大きい学問です。

 

心理学の目的をより具体的に把握できるよう、ここからは臨床心理学と教育心理学を例に解説します。

臨床心理学の重要性

人間の心を理解し、最終的に人類の福祉に役立てるというのが心理学の目指すゴールです。そのため、人間の心理的障害を解決するための理論・技術を研究する臨床心理学は、心理学のなかでも特にニーズが高い分野といえます。

教育心理学の影響力

教育心理学では、「やる気」とは何か、あるいは「やる気」の出る仕組みなどについて、心理学的視点から解明します。自分自身が受けてきた教育について考える、良い機会にもなるでしょう。

心理学は領域が広く考え方は多様

心理学は「人間の心の理解」が目的ですが、扱う領域・範囲が広く、多面的な考察がある分野です。さまざまな意見や考え方がある奥の深い学問なので、心理学を学ぶ際は、そのことを念頭において基礎的な部分から理解することが大切です。

多くの人が勘違いしている「ポピュラー心理学」

 

心理学を理解する際に忘れてはならないのは、「学問としての心理学」と「ポピュラー心理学」は違うものだということです。

 

日常生活の会話のなかで、この両者はあまり区別されないことが多いようですが、違いはしっかり理解しておきましょう。

学問としての心理学とは

学問としての心理学とは、大学などに代表される研究機関で研究されている心理学を指します。英語表記で「Academic Psychology」と呼ばれる学問であり、日本語に翻訳すると「学問的心理学」となります。

 

学問的心理学は、基礎心理学と応用心理学の2つに大きく分かれます。

 

基礎心理学は、人・動物の知覚・認知・学習・記憶など、基本的な心のメカニズムを研究する分野です。一方、応用心理学は基礎心理学知識を活かし、実際の社会で実践・応用していく分野です。

ポピュラー心理学とは

ポピュラー心理学とは、心理テスト・カウンセリング・サイコセラピーなど、臨床領域が中心となった心理学で、「通俗心理学」とも呼ばれます。例えば、日常生活のなかで人の心や行動を理解・説明する際に引用されがちな知識・理論は、多くの場合ポピュラー心理学です。

 

ポピュラー心理学のなかには、学術的知識を持たない人が発信する情報が多く、それが心理学だと思い込んでいるケースも少なくありません。

 

学術的論考では使われない、概念・理論が多いのがポピュラー心理学の特徴です。「Academic Psychology」と違い、「学術的には証明されていない」分野の心理学となります。

「心理テスト」と「心理検査」は違う

雑誌・テレビ・各種SNSで目にする心理テストの多くは、ポピュラー心理学に分類されます。ポピュラー心理学の心理テストは、占いとの境界が微妙なものが多いようです。

 

学問的心理学にも「心理検査」と呼ばれるテストはありますが、科学的根拠となるよう一定の理論科学的手法のもとで行われます。

血液型診断もポピュラー心理学

血液型性格診断もポピュラー心理学を代表するものです。「○○さんはA型だから几帳面」「B型なので個性的」など、私たちは日常的にあまり意識せず「ポピュラー心理学」を利用しています。

 

ポピュラー心理学のすべてを否定するわけではありません。上手につき合えば、良いコミュニケーションツールとなります。

ただし、あくまでも科学的に証明されていないという前提で楽しみましょう。

まとめ

「心理学」の言葉の意味と目的、学問的心理学とポピュラー心理学の意味の違いを説明しました。

 

一口に心理学といっても、学術的根拠の有無で、その情報にどのように対処するかは変わってきます。例えば、血液型を根拠にした性格判断は日常生活ではよくあるものですが、科学的根拠はなく、あくまでもポピュラー心理学の範疇です。

 

「学問的心理学」と「ポピュラー心理学」をしっかりと使い分けて、学問的心理学の本来の目的から逸脱しないようにしましょう。