目次
[ 非表示 ][ open ]
  1. 1. 厳しい上司は「優れた上司」か?
  2. 1. 優れた上司はたいてい厳しい
  3. 2. 厳しい上司が全員優れているとは限らない
  4. 2. 部下に厳しい上司の心理とは
  5. 1. 1. 部下の成長を期待している
  6. 2. 2. 自分の保身を優先している
  7. 3. 3. どう接したらよいかわからない
  8. 3. 厳しい上司との上手な付き合い方
  9. 1. 1. 部下の成長を期待してくれる上司との付き合い方
  10. 2. 2. 自分の保身を優先する上司との付き合い方
  11. 3. 3. どう接したらよいかわからない上司との付き合い方
  12. 4. まとめ

同じ職場で働く上司と部下。その関係は実にさまざまです。中には厳しい上司の下で、日々悩みながら働いている方も少なくないでしょう。

 

「頑張っているつもりなのに、上司が厳しい。評価されていないのだろうか」

「いつも厳しい上司の、本当の気持ちを知りたい」

 

そんなふうに思っている方に向けて、この記事では、部下に厳しい上司の心理を解説します。上司の気持ちについて理解を深め、職場における人間関係の改善につなげましょう。

厳しい上司は「優れた上司」か?

 

「厳しい上司こそ、部下のことをきちんと考えている優れた上司なのだ」という言説を目にすることがあります。果たしてこれは正しいのでしょうか?

 

ここでは「厳しい上司」と「優れた上司」の関係について解説します。次の記述にもとづいて、ご自分の上司をもう一度観察してみましょう。

優れた上司はたいてい厳しい

部下を優秀に育てるためには、どうしても厳しさが求められる場面が出てきます。

 

部下が間違ったことをしたときにしっかりと指摘できず、見過ごして曖昧に流してしまうような上司は、上司として優れているとは言えないでしょう。他人の間違いを指摘したり、厳しいことを言ったりするのは、決して気持ちのよいことではありません。それでも、優れた上司は部下のためを思って誤りを指摘し、さらに必要であれば厳しい言葉を使うこともあるのです。

 

したがって、部下のことを本当に考えている優れた上司は、必要なときには厳しさを見せることが多いと言えます。

厳しい上司が全員優れているとは限らない

ただし、部下に厳しく接する上司の全員が、上司として優れた人であるとは限りません。必要のない厳しさを見せている上司もいるのです。単に感情をセーブできないだけである場合もありますし、組織内での自らの立場を守ることばかりを考えて、部下を過剰に責め立てる場合もあるでしょう。

確かに、優れた上司の中には厳しさを見せる人が多いですが、厳しいからといってその上司が必ず優れているとは限らないのです。

部下に厳しい上司の心理とは

 

上司は、どのような心理から部下に厳しく接するのでしょうか。ここでは、代表的な3つのタイプを取り上げて解説します。

1. 部下の成長を期待している

まず1つめは、先ほど「優れた上司」として説明したように、部下のためを思い、また部下の成長を期待する気持ちから厳しい態度を取っているタイプです。

 

このタイプの上司は、部下の目標を高めに設定することが多いです。そして、目標達成に向けてのヒントを与えつつも、部下が自ら考える機会を与えてくれることが多いでしょう。もし部下がなんらかのミスを犯したときには、口調こそ厳しいかもしれませんが、感情的に叱りつけたり、人格を否定したりはしません。問題点を冷静に指摘した上で、次への課題や対策を一緒に考えてくれることでしょう。

 

さらにこのタイプの特徴として、周りにだけでなく自分にも厳しいということが挙げられます。上司自身、高い目標に向かってストイックに努力を重ねていることが多いです。

2. 自分の保身を優先している

2つめは、組織内での自分の立場に固執するあまり、部下に厳しく接しているタイプです。たとえば、売上目標の達成が危ぶまれる場合などに、具体的な対策を考えることをせず、とにかく部下に厳しくすることで目標達成を目指すような上司がここに当てはまります。

 

このタイプの上司は、部下をただ責めるだけで、具体的なアドバイスをしてくれないことが多いです。また、ひどいときには、上司自身の失敗を部下に押し付けることもあります。

 

そして1つめのタイプとは対照的に、自分自身には甘い人が多い傾向があります。

3. どう接したらよいかわからない

3つめは、部下を持った経験が少なく、どう接してよいのか迷った結果、部下に厳しく当たってしまうタイプの上司です。このタイプの上司は、自分の指導経験不足を悟られたくないと思うあまり、必要以上に部下に厳しくしてしまうのです。

 

また、上司自身が、厳しい上司のもとでしか働いたことがないケースも考えられます。部下への接し方や指導の方法として、それ以外のやり方を知らないのです。

厳しい上司との上手な付き合い方

部下に厳しい上司と上手く付き合う方法を、前段落のタイプ別に解説します。

1. 部下の成長を期待してくれる上司との付き合い方

1つめのタイプの上司は、部下のためになるアドバイスをして、成長へと導いてくれます。したがって、上司の指導を信頼してついていくのがよいでしょう。

 

ただし、いくら優れた上司の言うことであっても、すべての指導を盲目的に受け入れる必要はありません。不明な点や納得できないことがあれば、自分から積極的に質問してみましょう。本当に部下のことを考えている上司なら、どんな質問にも誠実に答えてくれるはずです。

 

上司のアドバイスや指導を活かしながら、さらなるスキルアップを目指しましょう。

2. 自分の保身を優先する上司との付き合い方

自分の立場ばかりにしがみつく上司を持ってしまった場合、上手く交わしてその場を切り抜ける方法を身につけるのがおすすめです。このタイプの上司が見せる不条理な厳しさをまともに受け止めてしまうと、精神的負担が大きくなってしまいます。あまり真正面から争わず、その場だけを取り繕う方向で付き合うほうが無難です。

 

仕事で困ったときには他の上司や同僚にもアドバイスを求め、職場で孤立しないよう工夫しながら、自分の信じる道を進みましょう。

3. どう接したらよいかわからない上司との付き合い方

指導経験が少ない上司を持ったときは、しばらく様子を見守ってみましょう。時間が経つにつれて部下との付き合い方を学び、気持ちよく接することができるようになる可能性もあります。

 

また、部下からもコミュニケーションを積極的に図り、自分の考えを伝えるよう努力するのも効果的です。間違っていると思うことは、思い切って伝えてみてもよいでしょう。

まとめ

優れた上司は、部下のためを思って厳しい態度を取ることがあります。しかし、厳しい上司の全員が部下のためを思って厳しくしているわけではありません。中には、自分の保身のために厳しくしたり、部下との接し方がわからずに厳しい態度を取ってしまったりする上司も存在します。

 

厳しい上司と上手く付き合うためには、その人がどのような心理から部下に厳しく接しているのかをしっかりと見極めることが大切です。もし、自分のためを思って厳しくしてくれていると感じられるのであれば、上司の指導を信頼して付いていくとよいでしょう。しかしそうでない場合には、上司に盲目的に従う必要はないかもしれません。それぞれのタイプに合わせて上手に対応し、円滑な業務の遂行につなげていきましょう。