目次
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  1. 1. イライラしがちな人が「怒り」について知っておきたいこと
  2. 1. 原因がわからない怒りはいずれ再発する
  3. 2. 怒りにうまく対処することが重要
  4. 2. イライラ・怒りの感情を抑える5つの方法
  5. 1. ゆったりした呼吸を意識する
  6. 2. 6秒間数える
  7. 3. タッピングを行う
  8. 4. 状況を面白がる
  9. 5. 「4マス整理」を行う
  10. 3. どうしてもイライラが消えないときは
  11. 4. まとめ

嫌な出来事や不安によって生じるイライラは、人間の誰もが抱く自然な感情です。しかしながら、イライラなどのネガティブな想いを長く抱え続けていると、仕事に集中できなくなるだけでなく、体の方にも不調が生じやすくなると言われています。

 

そこで今回は、イライラと関わり合いの深い「怒り」の基礎知識やイライラを抑える方法、こうした手段を実践しても怒りが消えないときの考え方などを確認していきます。

イライラしがちな人が「怒り」について知っておきたいこと

最初にお伝えしたいのは、イライラの原因になる怒りは「決して悪いものではない」ということです。怒りのホルモンには、人間が何かを頑張ったり、挑戦をしたりする上で欠かせない「やる気のエネルギー」になる特徴があります。

 

例えば、会社の上司から嫌なことを言われ続けて怒りがこみ上げてきた場合、そのエネルギーの質や量が適度なものであれば、転職などへの新たな挑戦をするやる気に変わることもあります。

 

一方、上司からの叱責の原因が全て自分にあると捉えて、ネガティブな感情を抑えすぎると、今後の対策につながるポジティブな感情までもが失われる可能性も出てくるのです。

原因がわからない怒りはいずれ再発する

ここでひとつ注意したいのは、イライラや怒りの原因がわからない場合に、抑えた感情が再び噴出して長期的に自分を苦しめるようになるということです。例えば、先述の例のように怒りの原因が会社や上司にあるとわかれば、「会社を辞める」や「怒られないように工夫する」といった対策を見つけることで、ネガティブな感情は一時的に消えやすくなります。

 

一方、自分が会社でイライラする理由が全くわからない場合は、「上司が怒る」や「同僚から意地悪をされる」といった出来事がある度に、怒りなどの感情が再燃しやすくなるのです。

 

したがって、ネガティブな感情に適切な対処をするためには、「自分は何に怒っているのか?」という原因を明確にする必要があります。

怒りにうまく対処することが重要

最初にご紹介したとおり、怒りがもたらす影響は人によって大きく異なります。

 

そして、怒りが新たなチャレンジや自己成長へのエネルギーになると考えると、原因をきちんと把握した上で、うまく対処する方法を身につけるのが理想となるでしょう。

イライラ・怒りの感情を抑える5つの方法

 

職場のようにあからさまに感情を出せないシーンでイライラや怒りが生じたときには、以下の方法を使って気持ちをコントロールするのがおすすめです。

ゆったりした呼吸を意識する

ネガティブな感情から脱するためには、深く息を吸い込み、体全体に酸素を行き渡らせるイメージをしながら吐き出す呼吸がおすすめです。

 

新鮮な酸素が体内に取り込まれると、イライラによって疲れた脳もリフレッシュしやすくなります。また呼吸には、「息を吸うこと」と「吐くこと」に意識を集中させることで、怒りの原因から一時的に距離を置けるメリットもあります。

6秒間数える

人間の怒りをコントロールするアンガーマネジメントによると、怒りのピークは6秒で終わるそうです。

 

これは、神経伝達物質のノルアドレナリンによって生じる興奮状態が、体内をめぐって落ち着くまでに6秒かかるメカニズムに関係しています。

 

ですから、何らかの嫌なことで怒りが湧き上がりそうになったら、その場ですぐに反論するのではなく、意識の中で6秒カウントしてみてください。こうした意識をすることで、イライラによる人間関係の悪化なども防ぎやすくなります。

タッピングを行う

タッピングとは、トラウマ治療などで精神医学の分野でも使われる手法です。指の先で手の甲や肩などの皮膚に触覚・圧覚刺激を与えていくと、気持ちが開放されやすくなると言われています。

 

児童心理学などの分野では、不安や恐怖を抱えた子供を落ち着かせるために、タッピングを紹介する専門家も見受けられます。具体的な部位ややり方などは、実践するセラピストなどによって方法が少し異なりますので、実践時には注意をしてください。

状況を面白がる

イライラや怒りが生じやすい人は、人間関係トラブルなどに対して自分を責めたり、被害者意識を持ちやすかったりする傾向があります。この癖に気づいたときには、自分にストレスを与える状況を敢えて面白がるという考え方に挑戦してみるのもおすすめです。

 

例えば、上司から怒られたときに「同じことばかり何度も言って、この人は大丈夫なのかな?」と面白がれるようになると、自分の個性や能力の低さを責めてしまうこともなくなります。また、不快な状況を面白がれるだけの精神的余裕があると、ストレスを恐れず新たな挑戦などもしやすくなるでしょう。

「4マス整理」を行う

イライラなどのネガティブな感情が多い人は、「その問題が重要か?否か?」と「自力でコントロールできるか?できないか?」で気持ちの棚卸しをする4マス整理を行ってみましょう。

 

この作業を実践すると、さまざまな怒りに対して「自分がコントロール可能で、重要度が高いものだけ対処すれば良い」という結論を出しやすくなると思います。また、4マス整理で「重要度が低い」とわかったイライラ対象は、状況を面白がる方向で対処をしても良いでしょう。

どうしてもイライラが消えないときは

 

自身でコントロールできない怒りやイライラは、以下のような体や脳の病気が原因で起こることもあります。

 

・更年期障害(男女とも)

・月経前症候群

・高次脳機能障害

 

この中で非常にわかりやすいのは、生理の前だけ不安やイライラの生じる月経前症候群です。

 

この病気の人は、生理の1週間前~生理が始まる頃までの期間限定で、気持ちが不安定になる傾向があります。そして生理が終わると、何事もなかったかのように普段の穏やかさやポジティブな気持ちが戻ってくるのが一般的です。

 

また、人によっては、子供の頃のいじめや虐待体験などによるトラウマが原因で、急に過去の記憶や怒りが湧き上がってくることもあります。ですから、体に全く異常がなく、当ページで紹介した方法を実践してもイライラが止まらない場合は、心理カウンセラーなどによるカウンセリングを視野に入れても良いかもしれません。

まとめ

イライラや怒りは、やる気のエネルギーに転換できる場合もあります。ですが、その原因がわからない場合は、後々ネガティブな感情が再燃することもあるため、注意が必要です。したがってイライラが生じたときには「自分はなぜ怒っているのか?」をきちんと把握した上で、適切な対処をするのが理想となります。

 

ただし、イライラが更年期障害や高次機能障害などの病気によって生じていたり、その人の過去に何らかのトラウマなどがあったりする場合は、一般的な感情を抑える方法では全く効果が出ないこともあるかもしれません。

 

こうしたときには、イライラを抑える方法に詳しい心理カウンセラーに相談をしてみてください。