目次
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  1. 1. ベトナムってどんな国なの?
  2. 2. ベトナム社会主義共和国の激動の歴史
  3. 1. 戦争と歩んだベトナムの歴史
  4. 2. ベトナムに多大な影響を与えた偉人
  5. 3. ベトナムの歴史的な遺跡・建造物
  6. 1. タンロン王城遺跡
  7. 2. 古都ホイアン
  8. 3. ミーソン聖域
  9. 4. まとめ

 

かつてフランスの植民地であったベトナムは、アジアとヨーロッパがミックスされた独特の雰囲気を持ち、観光旅行先としても人気のある国です。技能実習生として来日するベトナムの人々も多く、都心で働く姿を見かけることも珍しくなくなってきています。

ここでは、そんなベトナムの概要や歴史の成り立ち、有名な建造物や遺跡などについてご紹介しています。ベトナムの基本情報が理解できるわかりやすい内容となっていますので、ベトナムを知る際の参考にしてみてください。

 

ベトナムってどんな国なの?

 

ベトナムの正式名称は「ベトナム社会主義共和国」、英語表記は”Socialist Republic of Viet Nam”です。南シナ海の西側に位置し、面積はおよそ33万平方キロメートルで、日本の約0.88倍となります。人口はおよそ9,300万人で(2017年)、南北に長い国土です。首都ハノイがある北部では中国やラオスとの国境に、ホーチミンのある南部ではカンボジアとの国境にも面し、雨季と乾季を持つ温暖な気候が特徴です。

 

ベトナムは、国全体の3/4が山岳地帯で、豊かな自然に囲まれています。そのせいもあってか、ほとんどの人口がハノイとホーチミン周辺に集中しており、近年の経済成長で土地の価格が高騰傾向にあるようです。トムヤムクンをはじめとするベトナム料理やハノイのタンロン遺跡、中部地方に位置する王朝時代の建造物「フエ」など、多くの世界遺産を持つ国でもあります。

 

ベトナム社会主義共和国の激動の歴史

 

次に、ベトナムの歴史についても見ていきましょう。現在は社会主義国として独立しているベトナムですが、過去には中国やフランスの植民地にされ、戦争とともに変遷をたどった国でもあります。

 

戦争と歩んだベトナムの歴史

ベトナムが完全な独立を成しえた時期は1976年と比較的最近で、それまではさまざまな国からの干渉を受け続けてきました。古くはベトナム王朝として歴代の王室を持っていたにもかかわらず、長らく隣国である中国の支配下に置かれてきた過去があります。19世紀に入り、ようやく中国の支配から解放されたのもつかの間、ほどなくフランスの介入によってハノイが占領され、ベトナムは事実上のフランス植民地となります。

 

長年のフランスによる統治はベトナムのフランス化をもたらしましたが、虐殺や宗教弾圧など、悲しい歴史も生み出しました。第2次大戦中はドイツや日本からの干渉も受け、終戦後に指導者であるホーチミンが組織するベトミン(ベトナム独立連名)の民族運動によって、独立に向けて舵を切ることになります。

 

しかし、その後も独立を阻止しようとするフランスとの間に起こったインドシナ戦争や、ベトナム国内での南北対立、アメリカの干渉によるベトナム戦争など、大きな戦争を経験しなければなりませんでした。アメリカの攻撃に辛勝したベトナムは南北統一を経て、1976年にようやく「ベトナム社会主義共和国」として独立を果たし、現在に至っています。

 

現在では、さまざまな文化が融合するエネルギッシュな国として、近代化が進んでいるベトナムですが、ベトナム史における戦争の影響はあまりに大きく、現在もその爪痕は消えることなく残されているのです。

 

ベトナムに多大な影響を与えた偉人

ベトナムの歴史上、多大な影響を与えた人物についてもご紹介します。

 

ヴォー・グエン・ザップ:第2次大戦後のベトナムにおいて、稀代の名将と呼ばれた軍師がヴォー・グエン・ザップです。フランスとアメリカという2つの大国による攻撃から、アジアの小国であるベトナムを勝利へと導いた功績は大きく、ベトナム国民はもちろん、周辺のアジア諸国にも大きな影響を与えることとなりました。

 

ホー・チ・ミン:ベトナム初代大統領にして、南北統一を果たしてベトナムを独立させた指導者、政治家であり、「ベトナムの父」と称されることもあります。ベトナム南部の主要都市名であったサイゴンが、独立後にホーチミンへと改称したのも彼に由来しています。ベトナム史を語るうえで、なくてはならない偉人の1人でしょう。

 

ベトナムの歴史的な遺跡・建造物

 

最後に、ベトナム国内にある歴史的な建造物や遺跡についてもご紹介します。

 

タンロン王城遺跡

ベトナム北部のハノイにあるタンロン王城は、かつて王朝として栄えたベトナムの遺構が今も残る重要な遺跡として、世界遺産にも登録されています。政権交代の際に解体され、現存する建造物はわずかであるものの、歴代の王朝が築いた城跡が地中に層となって残っており、ベトナムの歴史が体現された非常に貴重な遺跡です。

 

古都ホイアン

ベトナム中部の都市ダナンからほど近い場所にある古都ホイアンは、2世紀頃に栄えたチャンパ王朝時代の都市です。古くから貿易が盛んであったため、異国情緒漂う独特な街の雰囲気を味わうために訪れる観光客も多いエリアとなっています。

 

ミーソン聖域

ミーソン聖域も、チャンパ王朝時代に建造されたレンガ作りの遺跡です。ベトナム戦争の爪痕により、損傷した箇所の修復作業は現在も続いていますが、美しい彫刻や碑文など、歴史が垣間見える貴重な遺跡が数多く存在しています。

 

まとめ

ベトナムは東南アジアに位置する南北に長い社会主義国家で、面積や人口など、日本と似ている部分もあります。現在では近代化も進み、さまざまな文化を内包する魅力的な雰囲気を醸している国でもありますが、その歴史に刻まれた数々の戦争による影響抜きには語れない部分も多いのです。