目次
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  1. 1. タイの日本語教育機関数と学習者数
  2. 1. 日本語教育機関数は第8位
  3. 2. タイの日本語学習者は増加傾向
  4. 2. タイの日本語教師の募集例
  5. 1. タイ日本語教師 募集例1
  6. 2. タイ日本語教師 募集例2
  7. 3. タイの日本語教師募集の注意点
  8. 3. まとめ

 

日本語教育のニーズはアジア諸国において高い傾向にあり、タイもその例外ではありません。タイは日本人の旅行先としても人気があるため、日本語教師としてタイで働くことを検討している人も多いのではないでしょうか。

ここでは、実際のデータを紐解きながらタイの日本語教育の実情をわかりやすく解説しています。タイで募集されている日本語教師の求人例も紹介していますので、タイを含む海外で日本語教師として働く際の参考にしてみてください。

 

タイの日本語教育機関数と学習者数

 

まずは、独立行政法人国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)が2019年10月に発表したデータを例にとり、タイにある日本語教育機関の数と学習者数を見なから、世界的にタイの日本語教育シーンがどういう状況にあるのかを把握しましょう。

 

なお、調査期間は2018年5月から2019年3月(※一部の国は2019年7月)で、以下は調査の対象に含まれていません。

・組織として実体を伴っていない団体、または活動

・不特定多数を対象として日本語教育をおこなっているWebサイトの管理者または放送局

・短期的に日本語教育の体験活動を実施している団体

・在留邦人子弟(タイに住む日本人の子ども)向け日本人学校

 

日本語教育機関数は第8位

以下は国際交流基金が各142ヵ国を調査した資料より抜粋した日本語教育機関数の順位です。

 

2015年度

順位

2018年度

順位

国・地域名 2015年度
機関数(機関)
2018年度
機関数(機関)
1 1 韓国 2,862 2,998
2 2 インドネシア 2,496 2,842
3 3 中国 2,115 2,435
4 4 オーストラリア 1,643 1,764
5 5 米国 1,462 1,445
6 6 台湾 851 846
12 7 ベトナム 219 818
7 8 タイ 606 659
18 9 ミャンマー 132 400
9 10 ブラジル 352 380

引用元:国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果 (速報値)より抜粋

 

上記によれば、2018年時点でタイにある日本語教育機関の数は659となっていました。2015年には606であったため、3年間で53機関も増えていることがわかります。

1位の韓国(2,998)や2位のインドネシア(2,842)にはおよばないものの、142ヵ国中8位と上位につけており、国土の大きさや日本との関係が良好な点も考慮すると、今後の伸びしろがかなり期待できる状況であるともいえるでしょう。

 

タイの日本語学習者は増加傾向

こちらは、先ほどの資料から各国の日本語学習者の順位を抜粋したものです。

 

2015年度

順位

2018年度

順位

国・地域名 2015年度

学習者数(人)

2018年度

学習者数(人)

1 1 中国 953,283 1,004,625
2 2 インドネシア 745,125 706,603
3 3 韓国 556,237 531,511
4 4 オーストラリア 357,348 405,175
6 5 タイ 173,817 184,962
8 6 ベトナム 64,863 174,461
5 7 台湾 220,045 170,159
7 8 米国 170,998 166,565
9 9 フィリピン 50,038 51,892
10 10 マレーシア 33,224 39,247

引用元:国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果 (速報値)より抜粋

 

教育機関の数では8位のタイですが、2018年度の日本語学習者数は約185,000人で5位となっています。教育機関数ではタイより上位である米国、台湾、ベトナムよりも上位になっており、教育機関の数に比べてタイの学習者数が多い現状が把握できます。

2015年時のデータと比較しても6位から順位が1つ上がり、3年で11,145人も増えていることがわかります。米国や台湾では学習者数が減少に転じているため、タイでは日本語学習者が少ない教育機関に集まっている、とあらためて理解できるのではないでしょうか。

なお、より詳しく知りたい方は、国際交流基金の資料をぜひご確認ください。

 

 

タイの日本語教師の募集例

 

次に、実際の求人情報からタイの日本語教師の勤務条件等も把握しておきましょう。

 

タイ日本語教師 募集例1

 勤務地:バンコク都内、BTS沿線

給与:50,000BTH(月給)

応募条件:学士および日本語教員関連の資格※未経験OK、年齢不問

勤務時間:9時~21時のうち6時間程度勤務

履歴書・職務経歴書:英文レジュメ

 

BTSは「スカイトレイン」とも呼ばれる交通機関で、バンコク市内を走る電車の1つです。朝5時台から24時過ぎまで運行しており、運行間隔も3分~8分と短いため、BTS沿線であれば通勤にも便利な環境といえます。

給与の「BTH」はタイバーツの通貨をあらわし、1バーツは2020年2月現在およそ3.5円のため、日本円に換算すると17万5,000円程度となります。東京で暮らす場合はなり厳しい給与かもしれませんが、タイは物価が上がってきたとはいえ、日本の1/3から半分程度の収入が一般的となっています。15万円以上の収入があれば、日本で月収40万円前後くらいの感覚でタイで生活することが可能です。

履歴書は英語記入のみとなっている場合でも、応募によっては日本語OKの場合もあるので、履歴書を作成する前に確認するとよいでしょう。

 

タイ日本語教師 募集例2

勤務地:タイ王国バンコク都チャトゥチャック区

給与:月給20,000BTH(別途住居手当として8,000BTH支給)

賞与:1ヵ月分支給

応募条件:日本語関連分野の修士号以上の学位・40歳未満(日本語教師未経験者可)

勤務時間:平日8:30~16:30

履歴書・職務経歴書:日本語もしくは英語で作成

チャトゥチャック区は、タイ王国バンコク都行政区の1つです。バンコク中心地よりも少し北寄りで、ドンムアン空港からのバス終着点にもなっており、BTSやMRTなどの電車も利用できるため便利です。普段は静かなエリアですが、週末に開催される「チャトゥチャック マーケット」は有名で、観光スポットとしても賑わっています。

給与は1BTH(バーツ)3.5円で換算すると10万円足らず、1ヵ月分のボーナスを月で割っても10万円を少し超える程度なので、日本で月収25万円程度で暮らす感覚でタイで生活することになります。多少の節約は必要となるでしょう。

タイの日本語教師募集の注意点

タイで募集されている求人の給与にはバラつきがあり、十分な給与のものもあれば現地の人とほぼ変わらない待遇のものもあります。その他手当がつくかどうか、賞与の有無なども加味して、よく選ぶことが大切です。

応募条件として学士または修士であることや、日本語教育関連の資格を提示しているものが多いですが、日本語教師の就業経験については特に問わないものもあるため、比較的ハードルは低いといえます。年齢制限も特にもうけていない求人もありますが、40歳以上の場合は選択肢が狭まる可能性はあるかもしれません。

 

また、履歴書は日本語だけでなく、英語のみしか受け付けてない募集がある点にも注意しましょう。英語の場合はレジュメ形式で、学歴や職歴は新しいものから記入していきます。応募の際には、メール添付するケースが多いようです。

バンコクで住居を決める際に家賃もエリアによって高低差があります。勤務先から自宅までの交通経路や買い物に出かけるエリアなど、実際に働いた場合をイメージするとよいでしょう。

まとめ

 

タイは2018年時点で日本語教育機関数が世界142ヵ国中8位、日本語学習者数は5位となっており、日本語教師が求められている状況であることがわかります。タイの日本語教師の求人では学歴や資格、年齢などは問われる一方で、就業経験については言及していないものも見つけられます。

給与についてはバラつきがあり、履歴書が日本語か英語かといった点も募集によって異なるため、詳細条件をよくチェックして選びましょう。