フィリピンで日本語教師として働く場合、どのような環境なのかは事前にチェックしておきたいところです。ここでは、フィリピンの概要や日本語教師として働いた場合に想定される現地の環境などについて解説しています。他の国で働く場合の比較や、フィリピンから日本へ働きに来ている人々のバックグラウンドなどを知る際にお役立てください。
フィリピンはどんな国?
国の名前は知っていても、具体的にフィリピンがどのような国なのか、わからない人も多いのではないでしょうか。フィリピンの人口や通貨、宗教や治安などの概要について解説します。
近年人口増加が目立っているフィリピン
フィリピンの人口は2015年に1億を超え、その後も少しずつ増加しています。人口の内訳も若い世代が多く、平均年齢は約24歳となっています。出産可能な年齢の女性が総人口に占める割合も3割程度となっており、この10年間には日本の人口を抜くとも予想されています。
通貨は「ペソ」補助通貨は「センタボ」
フィリピンの通貨単位は「ペソ」です。ペソは南米のメキシコやチリ、コロンビアなどでも使われていることから「フィリピンペソ」と呼んで区別することもあります。2020年3月現在、1ペソは約2円となっており、ペソの下には「センタボ」と呼ばれる補助通貨があります。
国民のほとんどがカトリックを信仰
フィリピンの宗教は国民の9割以上がキリスト教を信仰しています。そのほとんどはカトリック教徒です。過去にスペインやアメリカの統治を受けていたことも影響しているようで、アジアでは唯一のキリスト教国となっています。
治安は年々良くなっている傾向に
一時期は治安について問題視されることもあったフィリピンですが、ここ数年の治安は良くなっているという声が国内外から聞かれるようになってきました。
治安が改善した理由としては、現大統領の厳しいドラッグ犯罪取り締まりが影響しているといわれており、エリアによって危険度の高さは分かれるものの、普段の生活で危険を感じる機会はぐっと少なくなっているようです。
衛生面では多少注意が必要なことも
フィリピンに限ったことではありませんが、世界的に見ても衛生状況の良い日本で長く暮らしてきた人にとって、海外ではどこでも衛生面に気を配る必要があるでしょう。
水道水は飲まない、雨季の食糧保存には注意する、屋台で出される食べ物や飲料に入っている氷など、お腹や消化器官が弱い人は注意する必要があります。
フィリピンの衛生環境はアジアの他国と比べても悪くはなく、フィリピン在留の外国人が居住する地区などは、日本よりも整備が整っているところもあるほどです。
1年を通して暖かい!寒がりやさんには嬉しい気候
フィリピンの気候は「熱帯海洋性」に分類され、1年を通して暖かいのが特徴です。降水量の多い雨季と涼しい乾季に分かれており、乾季は12月から5月頃まで、それ以外は雨が多く暑い雨季となります。
地域によっても少し異なりますが、乾季にあたる真冬でも夜に長袖を着る程度で、基本的には1年中夏の服装でも過ごせるため、寒がりな人には嬉しい気候です。
タガログ語と英語が使われている
フィリピンの母国語はタガログ語ですが、公用語は英語となっており、国民の9割以上が英語を話せます。英語話者の人口総数はアメリカ、インドに次いで世界第3位となっているほど。タガログ語以外にも、セブ島など地域によって170もの言語がありますが、英語が話せれば日常生活でコミュニケーションに困ることはほとんどないでしょう。
フィリピン日本語教師の環境
フィリピンという国の概要がわかったところで、ここでは実際に出ている求人情報をもとに、フィリピン日本語教師の勤務環境を紹介します。募集条件や環境は募集によって異なるため、あくまでも参考程度に確認してみてください。
勤務地
フィリピン国内で募集されている日本語教師の求人を見ると、マニラやラグナ州などの勤務地が多くなっています。マニラはフィリピンの首都で人口も多く、ラグナ州は観光スポットとしても人気のエリアです。
給与
幅は大きいですが、フィリピンの日本語教師求人では、月額8万~15万フィリピンペソ程度の待遇での募集が多く見受けられました。1フィリピンペソはおよそ2円程度なので、16~30万円程度となります。
フィリピンの物価はおよそ日本の1/4~1/5程度となり、地域や住居によっても変わりますが、1ヵ月の生活費は8万円ほどもあれば十分といわれています。給与は勤務先によるので一概にはいえるものではないですが、上記のような額をいただける職場につけば、比較的余裕のある暮らしがしやすいでしょう。
勤務時間と休日
勤務時間は週5日、1日8時間程度の募集が見受けられました。日本とあまり変わりませんね。イースターホリデーや聖母マリアの日といった、キリスト教にちなんだ休日も多いため、比較的休息が取りやすいようです。
どんな生徒が多い?
日本語を学びたいと考えているフィリピンの人々は「日本で働きたい」「日本の企業とビジネスがしたい」と考えている場合がほとんどです。日本人のように、趣味や教養として語学を学ぶというよりも、キャリアアップやスキルアップを目的にしているため、熱心に勉強する生徒が多い傾向にあります。
コミュニケーションは英語か母国語のタガログ語がわからないと難しいですが、素直で明るいフィリピン人生徒との交流は楽しい反面、楽観的国民性のため少し日本語を覚えただけで「何とかなる」と考えてしまう人も少なくないようです。
まとめ
フィリピンは近年人口が増加傾向にあり、若い世代が人口に占める割合も多いことから、海外で働きたいと考える人も増えてきています。英語が公用語のため、英語が話せればコミュニケーションは比較的容易で物価も安いのが魅力です。日本語教師の給与は、職場や能力によって大きく増減するものの、フィリピンは1カ月8万円程度あれば生活できるといわれています。自身の生活スタイルや求人の給与を照らし合わせながら、お仕事を探してみましょう。