12月の一大イベントでもあるクリスマス。早いところでは、ハロウィンが終わった後の11月中旬頃からクリスマス装飾を見かけることもあります。日本で過ごすクリスマスといえばチキンにケーキ、恋人とのデートといったイメージがありますが、実は世界のクリスマス事情とはかなり違うことをご存知でしょうか。
ここでは、海外の人が驚く日本ならではのクリスマスのお約束や、海外のクリスマス事情についてご紹介します。世界のクリスマス事情を理解して、文化交流に役立ててみてくださいね。
海外の人はびっくり? 日本のクリスマス事情
日本で当たり前のようにおこなっているクリスマス行事の中には、海外の人から見ると驚かれたり、不思議がられたりするものがあります。そのうち、代表的なものを3つご紹介します。
家族よりも恋人と過ごす日本
日本でのクリスマスの過ごし方としてポピュラーなのは、恋人と過ごすクリスマスデートでしょう。友達とクリスマスパーティーを開いても、「来年は恋人とクリスマスを過ごす!」という決意表明の場になることも多いのではないでしょうか。メディアでもクリスマスのデートスポットや彼氏・彼女に渡すプレゼント特集など、恋人と一緒に過ごすのが当たり前といった雰囲気があります。
日本ではロマンチックなデートイベントの一つであるクリスマスですが、本来はキリストの誕生日を祝うもの。欧米などのキリスト教国では家族で過ごす人が多く、新年を祝う日本のお正月のようなイメージで捉えられているのが一般的です。
キリスト教の行事としてのクリスマスというよりも、華やかな飾りつけやご馳走といった賑やかな雰囲気を楽しむ日本のクリスマススタイル。昭和初期の頃からクリスマスパーティーを開いたり、飲んで騒いだりする風習はあったようですが、現在のように恋人と過ごす人が増えたのは、1980年代に発行された女性雑誌の特集がきっかけになった、という説があります。
「たとえ恋人がいても、クリスマスは家族で過ごすもの」という感覚を持つ海外の人から見ると、日本人が恋人とクリスマスを過ごすと聞くと「家族がいるのになぜ?」と不思議に感じるのかもしれません。
フライドチキンもOKな日本のクリスマスチキン
フライドチキンは、日本のクリスマスで食べられる代表的なメニューの一つですが、これも海外では驚かれます。欧米のクリスマスに食べられるメニューといえば、チキンではなくターキー(七面鳥)が一般的。ファストフードのフライドチキンに行列ができたり、デパート地下の食品売り場などで、まるでターキーのようにフライドチキンが並べられたりしているのを見ると「クリスマスといえばターキー」という感覚を持つ海外の人はびっくりするようです。
ショートケーキも日本だけ
クリスマスケーキも、フライドチキンと同じくらいクリスマスの食卓に欠かせないメニューの一つ。日本でクリスマス用のケーキといえば、ふわふわのスポンジに生クリームと苺が乗った「ストロベリーショートケーキ」が主流ですが、これも実は日本独自の文化です。
クリスマスにホールサイズのストロベリーショートケーキケーキを食べる風習ができたきっかけは、洋菓子店の不二家が元祖といわれており、海外ではケーキ以外のお菓子を食べる国もあります。そもそも「ショートケーキ」という英語には「サクサクした食感のビスケット生地を使ったケーキ」という意味合いがあり、大正時代に不二家が始めて販売したクリスマス用のショートケーキ自体が、日本独自のものであるといえるでしょう。
これ知ってた? 色々な世界クリスマス事情
上記のように、海外の人から驚かれることも多い日本のクリスマスですが、世界各国でもクリスマス事情には様々な特徴があります。世界のクリスマスでは、どのような食べ物や過ごし方が一般的なのでしょうか。
一大イベント!期間も長いアメリカのクリスマス
キリスト教国であるアメリカのクリスマスは日本のお正月のイメージで、国をあげての一大イベントとなります。クリスマスを祝う期間も長く、11月末から1月までクリスマスムードが漂っています。クリスマスイブより、クリスマス当日の方が盛り上がるのも日本と違うところ。恋人と過ごすのではなく、家族と過ごすのが主流です。
トナカイをもてなす イギリスのクリスマス
イギリスもアメリカと同様、クリスマスは大きなイベントとして扱われ、クリスマス休暇も2週間程度取られるのが一般的です。イギリスを含む欧米では、飾りつけを施したクリスマスツリーのそばに、トナカイのためのお水とニンジンを置いてもてなす風習もあります。朝には水が飲まれた形跡とニンジンがかじられている形跡があるのだとか。
また、サンタクロースは日本やアメリカでは「サンタクロース」ですが、イギリスでは「ファザークリスマス」と呼ばれます。ツリーのそばには、サンタさん用のお菓子も置かれます。家族で食べるクリスマスケーキは、ドライフルーツ入りのパウンドケーキに似た「クリスマスプディング」を準備するのが主流です。
肉禁止?魚を食べるイタリアのクリスマス
イタリアでは、クリスマスこれはカトリック信者の多い一部の国では、「クリスマスイブには肉を食べない」という風習が残っているためだそう。25日のクリスマス当日には、美食の国イタリアらしくお腹いっぱいお肉を食べますが、イブの魚料理も実は結構豪華だったりします。
祝う期間や休暇の長さ、家族で過ごすところなどは、アメリカやイギリスと似ています。また、クリスマスに食べるケーキはミラノ発祥の伝統菓子「パネトーネ(パネットーネ)」が主流です。
悪いサンタがでてくる?ドイツのクリスマス
ドイツは、クリスマスのカウントダウンに使われる「アドベントカレンダー」発祥の国とされています。現在でも、12月1日から1日ずつカレンダーの窓を開き、クリスマスの到来を心待ちにする家庭が多いのです。
また、ドイツのクリスマス文化として有名なのが「クネヒト・ループレヒト」と呼ばれる悪いサンタクロース。言うことを聞かない悪い子どものもとにやって来て、お仕置きをするといわれています。ドイツの伝統的なクリスマス菓子「シュトーレン」は、近年日本でもよく見かけるようになりました。
まとめ
フライドチキンや苺のケーキなど、日本では当たり前のものが海外では驚かれたり、海外でも国によって微妙に変わったりするクリスマスの祝い方。違いはあっても、クリスマスを特別な日だと感じる点では同じです。海外のクリスマス文化を取り入れてみたり、海外の人に日本式のクリスマスを紹介したりして楽しいクリスマスを過ごしましょう。