日本文化の特徴といえば、独特な感性を持つ日本語が挙げられるのではないでしょうか。
季節や天候を表す言葉など、数多くの美しい日本語が存在し、外国人からも人気となっています。
しかし数多く存在する日本語だからこそ使い方が難しく、訳すのが困難であるともいえるのです。
この記事では、外国人にとって訳すのが難しい言葉や、日本文化を学ぶうえで欠かせない言葉についてご紹介します。
外国語に訳すのが困難!美しい言葉とその意味5つ
日本語には数多くの言葉が存在し、美しさもありながら難しさも感じる言語となっています。
特に天候や状態を表す言葉は数え切れないほどあり、それらすべてを外国語に訳すのはなかなか困難かもしれません。
たとえば雨が降っている様子を表す言葉にも「ざーざー」「しとしと」「ぱらぱら」などたくさんの表現ができてしまいます。
他には、どのような表現が難しく感じるのでしょうか?
ここでは外国人が訳すのが困難だと感じる日本語について、詳しくご紹介します。
もったいない
日本では当たり前のように使われている「もったいない」という言葉。実はぴったりの意味を持つ英語はないため、海外でも「Mottainai」という言葉が使われています。
しかしこのもったいないという言葉は、
- Reuse(再利用)
- Recycle(再資源化)
- Reduce(ゴミ削減)
に加えて「Respect(限りある資源への尊敬の念)」が追加されたものと定義されているのです。もったいないという言葉は「資源を無駄にしない」という日本の文化が表れた言葉ではないでしょうか。
【例文】まだ買ったばかりの服を捨てるなんて、もったいないよ。
わびさび
美しい日本語として紹介されることの多い「わびさび」という言葉ですが、日本人でも意味を知っている人は少ないのではないでしょうか?
わびさびは日本独自の美意識を表す言葉で、質素で簡素な美しさという意味合いがあります。
とても抽象的で、日本人だからこそ感じることのできる美しさという言葉であり、外国人に説明するには難しい言葉です。
【例文】この日本庭園にはわびさびを感じることができる。
切ない
日本ではドラマや音楽などでよく使われる「切ない」という言葉ですが、この言葉も外国人には説明しづらい言葉となっています。海外の言葉では「切ない」を表す言葉がありません。
そのため「胸をギュッと締め付けられるような寂しい気持ち」という言葉は、やはり日本語でしか表現できないのではないでしょうか。
【例文】秋の静けさは切ない気持ちになる。
一人称
実は日本語ほど一人称が豊富な言語はありません。日本語でいう「私」「僕」「俺」がすべて英語の「I」で済んでしまいます。
しかし日本語の一人称はどれを使うかによって自分の印象が変わるため、一人称のイメージは大切です。プライベートでは「俺」と言っている人でも、仕事の場では「私」を使っているなど、使い分けも珍しくありません。
外国人にはこの習慣がないため、一人称の違いを説明するのは難しいといえます。
初心
「初心忘れるべからず」という言葉は日本人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この「初心」という言葉も日本独自のものになります。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏はこの言葉を「日本にある素晴らしい言葉」と絶賛しました。たしかに海外には初心という言葉はないため、日本人の独特な感性が作り出した言葉といえるでしょう。
【例文】初心にかえって学び直すことにした。
日本文化を学ぶのに欠かせない言葉の持つ力
日本語や日本の文化を学ぶうえで欠かせないのが「言葉の持つ力」です。
ここでは日本語を楽しむために知っておきたい言葉をご紹介します。
わざわざ⇔せっかく
「わざわざ」と「せっかく」は、意図的に何かをするときに使用する同じ意味を持った言葉になります。しかしこの2つの言葉は以下のような違うニュアンスを持っているため、注意が必要です。
- わざわざ:あとに続く事柄が労力を要するもので、本来は必要ないものとされている
- せっかく:あとに続く事柄が望ましいものとされている
このような違いがあることから、同じような意味を持つこの2つの言葉は文章で入れ替えることができません。そのため、そのときの状況によってふさわしい言葉を選ぶことが必要とされるのです。
擬態語のキラキラ
日本語にはオノマトペが豊富という特徴があります。すべて同じ意味のように聞こえる擬態語でも、その種類によって様子が変わって見えるということがあるため、注意が必要です。
たとえば星が光っている様子をあらわす「キラキラ」「ピカピカ」といった擬態語を比べてみましょう。「キラキラ」は慎ましく光っている様子に感じますが「ピカピカ」はキラキラよりも光が強い印象を受けます。このように同じ星が光っている擬態語でも種類によって様子が違って聞こえるのです。
そのほかにも雨の呼び方は400語こえ
季節や天候をあらわす呼び方が数多くあるとご紹介しましたが、特に雨の呼び名は400語以上も存在し、雨の多い日本らしい情緒がうかがえます。
「今降っている雨はなんて言うんだろう」と調べてみるのもおすすめです。
まとめ
この記事では、外国人にとって訳すのが難しい言葉や、日本文化を学ぶうえで欠かせない言葉をご紹介しました。
日本語には、外国語にはない独自の文化が確立されており、外国語で説明できない面白さがあります。
日本の文化や歴史と合わせて楽しむことができるのが、日本語の魅力ではないでしょうか?
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