パワースポットとしても人気の神社ですが、国内で暮らす日本人にも、日本文化とのつながりは意外に知られていないものです。
また、初詣などでお参りをしながらも、このスポットにどのような神様が祀られているかを知らない人もいることでしょう。
そこでこの記事では、神社の具体的な定義や実際に祀られている多彩な神様などをご紹介しながら、日本文化と神社との関わり合いについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
日本文化との関わり合いが深い「神社」とは?
神社とは、日本固有の宗教である神道の神々を祀る施設です。
全国に10万社以上という数は、日本人がそれだけ神々を身近に感じていたことを意味します。
一般的な神社の造り
神社には、参拝場所としての役割があります。
そのため、一般的な神社の敷地には、入り口の鳥居から始まり、参道、手指を清める手水舎(てみずしゃ)があります。そして最も奥にある本殿は、神様が宿る大切な場所となるため、人の目に触れない配慮がなされています。
神社と日本文化の関わり合い
日本人が神社に行く最も大切な理由は、毎日の感謝の気持ちを神様に伝えることです。
神社には、神道に入信をしていなくても、以下の行事や風習によって多くの人が訪れます。
- 初詣
- 結婚式
- 七五三 など
また、家内安全や無病息災、合格祈願といった願いを持った人が集うだけでなく、パワースポットとしての側面も持ちます。そのため、この国における神社は、神様の家でありながらも、人々の心の拠り所として日本文化に根付いているのです。
神社に祀られている多彩な神々
神社と日本文化や、日本人との関わりの深さを紹介するために、実際に祀られている多彩な神々の特徴を見ていきましょう。
天神地祇(てんじんちぎ)
天神地祇とは、土着の神である国津神(くにつかみ)と、高天原に住む天津神(あまつかみ)のことです。
国津神の代表は大国主命(おおくにぬしのみこと)、天津神の筆頭は天照大神(あまてらすおおかみ)となっており、日本国内にはこの二柱の他にも数えきれない神様が祀られています。八百万の神様の最高神である天照大神を祀る伊勢神宮には、大神宮という社号がつけられています。
皇室や氏族の祖神(そしん)
伊勢神宮に祀られている天照大神などには、皇室の祖神という側面もあります。天兒屋根命(あまのこやねのみこと)も、有名な藤原氏の祖神です。また、パワースポットとしても人気の高い平安神宮には桓武天皇と孝明天皇、大分県の宇佐神宮には応神天皇といった、かつての天皇が祀られています。
偉人の霊
神社には、以下のように古い時代に活躍した偉人も多く祀られています。
- 徳川家康
- 佐久間象山
- 東郷平八郎 など
偉人のなかには、神として祀られる人と祀られない人がいます。このあたりについて、正確な規定やルールは明らかにされていません。一般的には、神社を作った人や時代によって変わってくると言われています。
動物や自然
神社では、富士山などの山々や森、滝、岩などを神格化することがあります。
たとえば、京都府にある伏見稲荷神社のお稲荷様では、眷属(けんぞく)と呼ばれる不思議な力を持つ生き物を神のお使いとして祀っています。よく勘違いされますが、キツネではないのですね。
他には、龍などの想像上の動物も縁起がいい象徴とされています。
異国の神様
日本の神社には、海外から渡ってきた神様も懐広く受け入れる特徴があります。
たとえば、稲荷信仰と混同されやすいインドのダキニ天や牛頭天王、方位神などは、有名な異国の神様です。また、陰陽道や道教といった神道以外の神様も多く祀られていることが、日本の神社に外国人などの多彩な人が訪れる理由にもつながっています。
怨霊
多くの人が恐れる怨霊も、一部の神社で祀られています。このことを、御霊信仰と呼びます。
日本では怨霊を神社に祀ることで怒りなどを鎮めて、祟りから逃れようとするのです。こうした信仰によって、怨霊は人々に平穏を与える神になると考えられています。
怨霊信仰で代表的なのは、無罪の罪によって憤死した早良親王や、不慮の死を遂げた大宰府の菅原道真です。彼らは怨霊でもあり偉人でもあります。そして、菅原道真を祀る天満宮は、学問の神様として、学生などから愛される神社になっています。
まとめ
神社という場所には、日本固有の宗教である神道の神々だけでなく、先人や天皇の祖神、怨霊といった非常に多彩な神々が祀られています。
また、神社には、毎日の感謝の気持ちや願いを神様に伝える場所という役割もあることから、さまざまな祈願や初詣、結婚式といった年中行事でたくさんの人が訪れているのです。
たくさんの自然や木々に囲まれる神社には、癒やしやパワースポットとしての側面もあります。誰もが気軽に訪問できるスポットなので、まずは近場から、神社と日本文化のつながりに触れてみてはいかがでしょうか?