目次
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  1. 1. 守備範囲の広いインフラエンジニア
  2. 2. オンプレミスとクラウドの違い
  3. 3. クラウド時代のインフラエンジニアに必要なスキル
  4. 4. インフラエンジニアに求められるもの
  5. 5. インフラエンジニアになるには
  6. 6. まとめ

守備範囲の広いインフラエンジニア

IT業界では一口にエンジニアと言っても、業務内容の異なるさまざまなエンジニアが存在します。なかでもインフラエンジニアはシステムの基盤・土台・下部構造を表す「インフラストラクチャ」の構築、企画提案、設計、運用、保守、など守備範囲は多岐に渡っています。システムは階層構造になっているので、上から順に並べてみました。

・アプリケーション

・ミドルウェア

・OS

・仮想化レイヤー

・物理サーバ

・ネットワーク

プログラマーが担当するアプリケーションより下の部分がインフラエンジニアの領域です。システム構築のプロジェクトがあった場合にアプリケーションは一からプログラミングして作るのに対して、インフラエンジニアは既製品のサービスやソフトウェアを調達して、パラメーターを調整したうえで組み合わせて使います。インフラエンジニアの守備範囲は広いものの、実際の工数はプログラマーよりも格段に少なくなっています。

オンプレミスとクラウドの違い

ここ数年でソフトウェアなどの情報システムを自社で保有、自社内の設備で運用する「オンプレミス」から、自社サーバを持たない「クラウド」への移行が急速に進み、コストパフォーマンスの高さや工期の短さから企業の半数以上が導入しています。それぞれでインフラエンジニアの領域も異なり、オンプレミスではすべてを管理するのに対して、クラウドでは業者が提供するインターフェイスが元になっています。インフラエンジニアが扱う機器もオンプレミスは数多く、ネットワークで言えば「L3スイッチ」、「L2スイッチ」、「ファイアウォール」、「WAF」、「IPS」、「IDS」の他にサーバ自体も調達する必要があり、耐障害性の高いハードディスクを永続的に記憶するための「ストレージ」も使用します。クラウドの場合はクライアントにそれらが用意する必要がないので、道具としてのパソコン一台あればインフラの仕事ができるのです。今のところは医療・自治体・金融などの保守的な企業はオンプレミス、アプリ開発やWebサイト制作の世界は大半がクラウドという図式が成り立っていますが、将来的にはクラウドの比率が高まる可能性があります。

クラウド時代のインフラエンジニアに必要なスキル

インフラエンジニアに必要な知識のなかにネットワークやセキュリティなどがあり、国家資格では「ネットワークスペシャリスト試験」や「情報処理安全確保支援士」が相当します。しかし、クラウド全盛期の今となっては、クラウドに特化したスキルがあればたいていのことができます。また、システム側は「Linux」のサーバが多いので、オペレーションやどういう構造なのかをわかっておく必要もあります。一方、オンプレミスではシステムの規模がどうしても大きくなるためにドキュメンテーションの比重が高く、設計書やパラメーターシートを書く必要があります。それらを踏まえ、総合的なバランスが取れたインフラエンジニアが完成されるまでには10年という一応の目安があります。だからといって難しいことは何もなく、未経験でもパソコンをさわれるくらいのスキルがあって、指示してくれる人さえいれば業務の一部分を担うことができます。

インフラエンジニアに求められるもの

インフラエンジニアには製品やサービスの表層的な知識だけでなく、ネットワークやシステムの基礎的な知識とある程度の経験も大事です。運営・保守に入ってからセキュリティ事故やサーバが落ちた際は、普段は指示通りに動ける人でも対処できないことがあるのです。そもそも運用・保守の段階で起こることを把握できていないと設計もおぼつかないため、インフラエンジニアには経験値とそれに基づく判断力が求められます。学び続けることが当たり前の世界ではありますが、経験値が備わっていれば新たな技術にも素早く対応できるのです。

インフラエンジニアになるには

インフラエンジニアになるためには情報工学系の大学や専門学校を経て新卒で入るというのが順当ですが、インフラそのものを学ぶ学校はプログラマーほど多くはありません。しかしインフラエンジニアが必要とする「応用技術者試験」や「ネットワークスペシャリスト試験」の資格を取得できる学校は多く、クラウドサービスのなかでもトップシェアの「AWS( Amazon Web Services)」を学ぶ学校も増え始めています。インフラの現場で求められているのは新しい技術を学び続けることを楽しめる人、もしくはインフラに取り組むための固い意志が備わっている人のどちらかです。

まとめ

数年前からインフラエンジニアが手作業で行っていることをプログラミングで行うという流れもあり、インフラエンジニアのニーズは今後、先細りするのではないかという声もありますが、実際は次々と新たなニーズが生まれています。加えてクラウドの劇的な普及により仕事の内容もどんどん変化しており、インフラエンジニアの未来はさまざまなニーズにどれだけアジャストできるかが大きな鍵を握っています。