- 1. CADオペレーターとしての仕事とは?
- 1. 土木建築の分野
- 2. 家具の組み立て図
- 3. 機械の設計図や部品
- 4. 解析技術
- 2. CADオペレーターになるには資格を取得するべき?
- 1. 独学経験者は、資格取得を推奨する人が多い
- 2. 民間資格ならいらないのでは?
- 3. CADの資格
- 1. 2次元CAD利用技術者試験
- 2. オートデスク認定資格プログラム
- 3. 建築CAD検定試験
- 4. どの資格を取るべき?
- 4. CADの資格を活かせる職種
- 1. 施工管理技士
- 2. 設計者
- 3. アパレルメーカー
- 4. 自動車メーカー
- 5. 資格を取得する方法
- 1. 独学で資格取得を目指す
- 2. 実践しながら、資格取得を目指す
- 3. スクールに通う
- 6. 資格取得後はどうすればいい?
- 1. 働きたい職種を選ぶ
- 2. 派遣として働く
- 3. フリーランスを目指す
- 7. まとめ
CADとは「Computer Aided Design(コンピューター支援設計)」の略称で、CADを操作し、土木建築や機械などの製図を行うのがCADオペレーターの仕事です。CADオペレーターとして働く上で、強みとして資格取得という選択肢があります。本記事ではどのような資格を取得すべきか、資格取得するメリットや取得方法なども合わせて解説していきます。
CADオペレーターとしての仕事とは?
まずは、CADオペレーターの業務から見ていきましょう。CADオペレーターは専用のCADソフトを使用し、さまざまな業界の設計図を作成する仕事です。設計図では、設計技術者の指示のもと、建物や機械などの図面や完成予想図を描画します。
土木建築の分野
土木建築の分野では、測量してきたデータを用いて道路や構造物を施工するために必要な図面を描画していきます。現場が動いていく中でも、頻繁にCADオペレーターの仕事があり、絶対的に必要とされています。
家具の組み立て図
家具は、部材を組み合わせることでできています。部材をどのような手順で組み立てると家具が完成するかを示すのが、CADで作る組み立て図です。部材のみが描かれている設計図もあり、用途などによって書き方が異なります。
機械の設計図や部品
機械の設計図については、部品の一つひとつに規格が設けられており、製造する過程でCADオペレーターが図面を描いていきます。また、部品をどこに取り付けるのかを示す完成予想図も必要です。
解析技術
CADは設計図を描くことはもちろんのこと、解析技術にも使われています。CADでは、設計した構造物の耐圧や、耐熱なども管理することが可能です。部品一つひとつに図面が存在するのは前述で示している通りで、部品を組み立てる前に問題点を解析し、シミュレーションすることにもCADが使われます。
また、温度の伝わり方や負荷がかかる部分を、色によって知ることができるため、完成後のトラブル軽減にも解析技術が役立ちます。
CADオペレーターになるには資格を取得するべき?
CADオペレーターとして活動していくのであれば「資格が必要なのでは」と思う方も多いでしょう。結論として、資格は必ずしも必要ではありません。後ほど詳しく解説しますが、CADオペレーターの資格は民間の資格で、現役のCADオペレーターでも、資格を持っていない方もいるようです。
しかし、資格は技能を有する証として、非常に役に立ちます。また、独学で学ぶよりも基本の操作がしっかりできるようになるので、就職活動や現場での作業などにおいて、有利になることは間違いありません。専門知識を有するCADオペレーターの資格を取得すれば、より企業から求められる人材となれるでしょう。
独学経験者は、資格取得を推奨する人が多い
初心者が一からCADオペレーターを目指すのであれば、資格取得が望ましいでしょう。上述したように資格の取得により、就職活動や職場で優位なポジションで仕事を進めることができ、技術習得の時間短縮にもつながります。
筆者をはじめ、周囲のCADオペレーターも「講座に通えばよかった」という声をよく聞きます。独学で学ぶ場合、壁にぶつかって挫折することも多く、仕事をする前に資格を取得しておけば、その後の業務にもスムーズに入ることができるでしょう。独学で取り組んだ結果「時間がもったいなかった」と後悔している方も少なくないので、講座受講の検討をおすすめします。
民間資格ならいらないのでは?
民間資格と聞くと「本当に役に立つの?」という声も聞こえてきそうですよね。民間の資格だからといって侮ってはいけません。必ずしも必要ではないというだけで、資格を取得することでCADを確実に使いこなすことができるようになります。
CADを操作する基本的な技術を持っていれば、就職した際にも、専門的な知識やルールをインプットするだけで活躍できるでしょう。CADオペレーターの仕事も多いため、近い将来、CADオペレーターは資格を持っていて当たり前になる可能性も十分に考えられます。
CADの資格
ここでは、CADの資格について解説します。前述の通り、CADは民間の資格しか存在しません。CADの資格が必須という職種は少ないものの、独学で学ぶよりは上達が早い傾向にあります。また、現職でCADオペレーターの仕事をしている場合も、資格による学習は仕事へ直結します。資格取得によって、仕事の効率を上げ、同僚に差をつけるというのもよいでしょう。
2次元CAD利用技術者試験
2次元CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が試験を行っている資格です。CADを利用するための知識を持ち、図面を正しく理解して作図を効率的にこなすことができる技能を証明する試験制度です。CADを基本から学べるでしょう。
資格を通じて図面を正しく学ぶ
図面を正しく理解することは、仕事をする上でとても大切です。図面の理解度が高ければ高いほど、作図のスピードがアップし、正確な図面を描くことができます。どの職種にも対応していますので、気になった方はぜひ資格取得を目指してください。
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、その名の通りAUTODESKで取得することが可能です。AutoCADは多くの職場で利用されており、圧倒的に需要があるソフトです。
筆者も長年AutoCADを使っており、年々改良されていて非常に使いやすいと感じています。AUTODESK認定ユーザーになれば、CADオペレーターだけでなく、講師としての道も開けるでしょう。
AutoCADはみんな使っている
AutoCADシェア率は、他のCADソフトに比べて高い傾向にあります。過去にはソフト単体で購入することができていましたが、現在はサブスクリプション化されています。ユーザーが多く、導入している企業も非常に多いため、AutoCADの認定ユーザーという肩書は、民間資格とはいえ侮れません。
建築CAD検定試験
建築CAD検定試験とは、一般社団法人全国建築CAD連盟で取得可能な資格です。名前の通り建築用図面をCADで描く技量を測る資格です。具体的には、実際にある図面をトレースするといった知識だけでなく、実践的な技能を身につけることができます。
土木建築の分野専用
これから就職するとき、建物や構造物を造ることに興味がある方には、建築CAD検定試験がおすすめです。建物にはさまざまな構造があるので、専門的な知識が必要です。また、複雑な仕様の建物もあるので、CADオペレーターとしての技能も向上することが見込めます。
どの資格を取るべき?
では、上記の3つからどの資格取得を目指すべきなのでしょう。もちろん全て持っていれば理想ですが、3つ取得している方は少ないでしょう。
筆者がおすすめする資格は、2次元CAD利用技術者試験です。どの職種にでも応用可能で、基礎からCADの技術を学ぶことができます。現職のCADオペレーターでも、基礎から学んだ方は少ないので、就職などでも有利に働くでしょう。
CADの資格を活かせる職種
ここでは、資格取得によって活かせる職種について詳しく解説していきます。
施工管理技士
施工管理技士は、工事を進めながらCADを使って書類を作成していきます。発注図が誤っていることも珍しくないため、そのたびに修正していかなければなりません。工事数量の変更によって、新たな図面の作成業務も出てくるので、資格があると書類の作成スピードも上がり円滑に現場を回すことができます。
設計者
設計の分野であれば、設計者とCADオペレーターは切っても切り離せない関係といえます。所内に有資格者がいれば、図面の作成スピードも上がり、多忙な業務での生産性向上が望めるでしょう。
アパレルメーカー
アパレルメーカーでは、デザインを担当することになり、型紙の作成や三次元データでの試着などを行います。高度な技術なので、有資格者であれば問題なく仕事を進めることができるでしょう。
自動車メーカー
自動車メーカーでのCADの仕事は、自動車の設計が主な仕事になります。CADの資格があれば、設計した車をシミュレーションさせることが容易になるでしょう。正確な図面を作成するスキルが求められます。
資格を取得する方法
ここでは、CADの資格を習得する方法について、解説していきます。
独学で資格取得を目指す
教材を購入し、自宅で学習することも可能です。独学と聞くと難しそうと思う方も多いかもしれません。しかし、最近では動画で操作方法を詳しく解説してくれているので、参考にすると上達が早いでしょう。まずは、人の真似をするところから始めてみてください。
実践しながら、資格取得を目指す
未経験からでも、CAD業界に就職することは可能です。CADオペレーター専用の求人サイトも存在しますので、興味のある方はぜひ登録してみてください。職場で実践しながら、着実にCADのスキルを身につけることができるでしょう。
スクールに通う
資格取得を支援してくれるスクールも存在します。スクールでは独学や実務とは異なり、専門の講師が基礎からみっちり教えてくれます。ヒューマンアカデミーでは、入学から就職活動までをプロが徹底的にサポートしてくれるので、就職まで安心して学習できるのが魅力です。CADオペレーターの職種に就きたいのであれば、スクール選びの際に就職内定率もチェックしてみてください。
資格取得後はどうすればいい?
資格を取得しても「どうしたらいいかわからない」という方のために、ここでは、資格取得後の選択について解説していきます。
働きたい職種を選ぶ
職種を選ぶといっても「どんな職種があるのかわからない」と感じる方が多いかもしれません。前述の通り、CADオペレーターという職種は非常に幅が広い仕事です。まずは興味がある分野でチャレンジできないか検討してみましょう。例えば「建物を造ってみたい」「車の設計をしてみたい」など、関心が高いことであれば楽しく働くことができるはずです。
派遣として働く
派遣社員も選択肢の一つです。派遣社員のいいところは、いろいろな職場に勤務することができる自由度にあります。派遣先が仕事を斡旋してくれますので、いろいろな職種で実務経験を積むことができるでしょう。派遣先で興味がある職種が見つかれば、転職を考えるというのも一つの方法です。
フリーランスを目指す
フリーランスという選択肢もあります。最近よく耳にする副業など、在宅フリーランスで活動するのもよいでしょう。本業の傍ら副業で経験を積めば、本業として生計を立てられる可能性もあります。
まとめ
CADオペレーターという職種はとてもやりがいがあり、自分が描いた図面からさまざまな商品や製品が生まれるという楽しみがあります。資格を取得すれば、選択肢も広がり、求職や職場において、有利に活動することができるでしょう。
現在、CADの資格はあまり認知されていないため、CADに関する資格取得はライバルに差をつけるチャンスとも捉えられます。記事を読んで興味が湧いた方は、ぜひ資格取得を目指してみてください。
<執筆者>
氏名:田村 光広
実務歴:土木施工管理・CAD12年
プロフィール:土木施工管理業務・CADオペレーター・施工管理業務支援・ライター。工業高校卒業後、建設会社へ就職。測量会社を経て、土木業界に勤務する傍ら、ライターとしても活動中。