目次
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  1. 1. CAD利用技術者試験の難易度と試験に向けた学習方法
  2. 2. CAD利用技術者試験を受けた感想と合格の喜び
  3. 3. 講師からのお二人へのメッセージ
  4. 4. CAD利用技術者試験1級 最高得点受賞のお二人の声

この度、2024年11月10日(日)に行われた「CAD利用技術者試験1級(後期)」の「社会人スクールその他教育機関、企業」部門でヒューマンアカデミー名古屋校の受講生お二人が最高得点の実績を出され表彰を受けられました。「建築」最高得点の実績を出された乾亜希さんと、「機械」最高得点者の猪飼陸さん、そして受講中の恩師である佐嵜知香子講師が母校のヒューマンアカデミー名古屋校に集合し、リアルな話をお伺いしました。(2025年2月取材)

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CAD利用技術者試験センター「合格者表彰制度」について
「CAD利用技術者試験」を主宰する「CAD利用技術者試験センター(一般社団法人コンピュータ教育振興協会<ACSP>)」は、2次元CAD 利用技術者試験ならびに3次元CAD 利用技術者試験の各1級合格者を団体6部門(大学/短大/高等専門学校、専門学校、高等学校、職業訓練校、社会人スクールその他教育機関、企業)+一般の計7 部門に分け、各部門の最優秀者(最高得点者)を表彰しています。

・CAD利用技術者試験 2024年度後期 合格者表彰のご案内(外部サイト)
https://www.acsp.jp/cad/commendation.html
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・2024年度後期CAD利用技術者試験 1級(建築)最高得点者
乾亜希さん 42歳/女性
受講講座:建築CAD短期講座(ヒューマンアカデミー名古屋校 修了生)
出産前に働いていた、建築業界・CADオペレーターにもう一度復帰するためにヒューマンアカデミーに入学しCADの学び直しを行う。

・2024年度後期CAD利用技術者試験 1級(機械)最高得点者
猪飼陸さん 27歳/男性
受講講座:機械CAD総合講座(ヒューマンアカデミー名古屋校 修了生)
結婚を機に転職し、その会社で認めてもらうためにCADをゼロから学ぼうとヒューマンアカデミーに入学。

・ヒューマンアカデミー名古屋校 CAD講座講師
佐嵜知香子 講師
<経歴>
ゼネコン・土木会社でのCADオペレーター歴25年(受託含む)、ヒューマンアカデミーでの講師歴21年(担当講座:建築CAD総合・機械CAD総合:他)大学・専門学校のCAD・3次元CAD講師、企業研修Revit・CATIA講師など。
<保有資格>
◇Autodeskプロダクトスペシャリスト ◇Autodeskソリューションエキスパート◇グラフィソフト認定トレーナー(GAT)資格  

CAD利用技術者試験の難易度と試験に向けた学習方法

本日はお集まり頂きありがとうございます。
まず、佐嵜講師にお伺いします。CAD利用技術者試験1級の難易度はどのようなものでしょうか?

<佐嵜講師>CAD講座の学習内容は、答えがあるものを写していくところから勉強を進めていく流れですが、図面を見ながら解答のないものに答えていくのはCAD講座の受講生にとって試験が初めてになります。それができるようになるにはかなりの時間がかかりますし、そのような難易度が高い試験に対して高得点で合格するには多くの時間と努力が必要です。
また、建築の場合は実務に近い図面が問題に出ますので、その図面を読み取れるというのは初学者には相当難易度が高い試験だと思います。機械の場合は、試験の中に3問あるのですがその内の2問は理屈を理解していないと答えられない問題です。2次元で作っているものを頭の中で正確に立体を想像できないと答えられない問題なので、創造力や応用力を問われる難しい試験だと思います。

ありがとうございます。それでは乾さん、猪飼さん、試験に向けてどのように学習を進めましたか?

<乾さん>受講開始時には週2日、試験の1カ月前には週3日、ヒューマンアカデミー名古屋校に通学するスタイルで1日4~5時間、教室で学習していました。最初の頃は1日で図面を1つ完成する程度のスピードでしたが、試験直前には1日で3図面作成できるようになりました。
学科に関しては、校舎に行かない日に勉強しましたがそれほど時間はかけなかったと思います。作図の試験対策として過去問題をいただいていたので教室で過去問題にトライし先生に添削してもらうという流れを繰り返し、全部で14図面の過去問題を3回転は実施しました。

<猪飼さん>私はほぼ毎日学校に来てひたすら実技の学習を進めていました。学科に関しては、前職は全く異なった業界にいたので、ゼロからのスタートでそれなりに時間は使いました。暗記は苦手な方ではなく順調にすすめられたので図面の作成に比重をおき、学校に行かない日は会社に行き現場でも描きながら勉強できたのでそれも大きかったと思います。試験前までには機械は過去問が28問あるのでそれを5周は実施しました。

CAD利用技術者試験を受けた感想と合格の喜び

実際に試験を受けていかがでしたか?

<乾さん>試験直後、手ごたえはあったので自分が得意な図面の問題が出てラッキーだったと思いました。試験結果発表はネットで見て合格を確認していました。数日後、荷物が届いたので合格通知が届いたと思っていましたが、同封書類を見たら、最高得点者と書いてあるのを見てびっくり、良かったなという感想でした。

<猪飼さん>実際の試験を受けると実技は過去問題と違うパターンで少し焦りました。時間もギリギリだったので、試験結果をオンライン上で確認した時には合格しているのを知って受かって良かったが感想でした。実は引っ越ししていて前の住所に試験結果の書類が届いていて、マンションの退室の立ち合いの時に届いているのを見つけて妻が開けて最高得点と書いてあって驚いた感じでした。

佐嵜講師は、お二人が最高得点者になったと聞いた時の気持ちはいかがでしたか?

<佐嵜講師>第一声は「あっ」でした。ヒューマンアカデミー名古屋校はここ数年、社会人スクール、その他教育部門で最高得点者を何回か輩出していて、機械が3回連続、建築は1年ぶりの4回目でした。私自身は全く意識しておらず、いつも「おめでとう!」ってワーって騒いでいる感じでした。今回は機械・建築両分野1位ですよってスタッフさんから聞いてまず驚き、じわじわきて、汗かいて・・・喜びました。
実は今までは、建築の添削担当だったので、機械の添削担当も初めて行いました。機械の立体の問題をどのように分かってもらうかを少し悩んでいて、猪飼さんが先行して学習を進めていたので、猪飼さんにどう理解してもらうかを意識して考えていました。私も以前そうでしたが、立体の想像に慣れるためにモデルそのものを目の前で見て把握するのが一番覚えやすかったのでInventorで立体を作ってそれを図面に展開して猪飼さんに渡しました。立体の想像に役立ったのかなと思いほっとしました。
乾さんは以前、経験があったので、CADの操作をなるべく効率よく描ける方法を説明するように意識していました。試験勉強を進めていくと煮詰まってしまうので、雑談しつつ添削しながら間違い部分も伝え、気負うことなく学習を進められるよう気にかけていました。同じ部分で間違いやすかったのですが試験では対応できたのを知って嬉しく思います。

 

講師からのお二人へのメッセージ

佐嵜講師として、これから現場で活躍されるお二人にどのようなCADオペレーターになってほしいですか?

<佐嵜講師>お二人とも自分のやり方はある程度確立されてきていると思いますが、仕事では同じ図面が出てくることはないので、その都度の対応が素早く対応できるCADオペレーターになってほしいと思っています。また、自分が扱っているものに対して愛情を持ってほしいということと、私たちが作ったものは消費者・お客様・クライアントの方など、実際に利用される方がいらっしゃるので、そういった方々に対して心を込めて作ってほしいと思います。

– CADの仕事の魅力はどのようなところですか?

<佐嵜講師>CADオペレーターの魅力は自分が想像していなかったものに巡り合えるお仕事であり、そういったモノに触れることで良い刺激が受けられる仕事だということが魅力だと思います。CADの仕事はいろいろなやり方を見つけていくことや、立体を妄想しながら考えていくこともやりがいです。仕事は地味な部分もありますが、いかに楽しくできるか、効率よくできるか、自分らしいやり方を見つけるかというところが魅力だと思っています。

CAD利用技術者試験1級 最高得点受賞のお二人の声

最後に、お二人から今回の最高得点受賞のご感想をお願いします。

<猪飼さん>私は、結婚を機に新たな仕事としてCADを始めることになり、2次元・3次元どちらもしっかり学べる駅近のスクールだったのでヒューマンアカデミー名古屋校に決めました。全く違う分野からだったのでつまずくことも多かったですが、映像は比較的かみ砕いて説明してくれているので分かりやすく、先生はとても気さくで質問にはしっかり答えてくれました。試験に合格しなければならないプレッシャーの中で無事合格できたことにはホッとしましたし自信にもなりました。CADを学んでみたいと考えている方には難しくとらえずにお絵描きソフトなんだなと思って楽しみながら学んでほしいと思います。

<乾さん>私は、子どもが小学生になり、また仕事復帰したいなと思ったのがきっかけでCADの学習を始めました。15年のブランクがあるため、もう一度学び直して「私はCADできます」というアピールで会社に勤めたいと思っていました。子供が学校に行っている間にヒューマンアカデミーに通い、学習していましたので家事と勉強の両立もできました。就職活動の面接時には受賞した最高得点者の賞状もカバンに入れていつでもより出せるようにしていました。仕事も決まりましたので今後は、図面以外にもお仕事を任せてもらえるように頑張っていきたいと思います。

ありがとうございました。お二人の今後のさらなるご活躍を祈っております。