- 1. ■NLPとは?セラピーやカウンセリングの現場から生まれた実践的心理学
- 1. Neuron(神経回路)
- 2. Linguistic(言語)
- 3. Programming(プログラミング)
- 4. NLPは「脳と心のマニュアル」とも呼ばれている
- 2. ■NLPのメリットとは?
- 1. コミュニケーション能力が向上する
- 2. プレゼンテーション能力がアップする
- 3. 悩みや問題などの解決方法が身につく
- 4. 他者の深層心理を理解できる
- 3. ■NLPを知ることで身につく技術5つとは?
- 1. バックトラック
- 2. ペーシング
- 3. モデリング
- 4. アンカーリング
- 5. リフレーミング
- 4. ■まとめ
新しいセラピーの手法として、近年注目されているのがNLPです。
NLP は、1970年代に2人の心理学博士が基礎理論を確立し、3人の天才セラピストの言動などを研究したことによって見出されました。現在では、ビジネスや教育などさまざまな分野で使われています。
本記事では、NLPとはどういったものかを解説し、身につけることで得られる効果5つを紹介します。
■NLPとは?セラピーやカウンセリングの現場から生まれた実践的心理学
NLPを英語で書くと「Neuro- Linguistic-Programming」となり、それぞれの頭文字を取った言葉です。これを日本語にすると、「神経言語プログラミング」になります。
まずは、それぞれの単語の意味やNLPの詳細について見ていきましょう。
Neuron(神経回路)
「N」は「Neuron」の頭文字で、神経回路を指します。つまり、日頃人間が生活するうえで感じる、五感に関わる部分です。
私たちは、外界の情報や経験を聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚を使って脳に伝え、その情報を認識し、記憶として保持しています。
Linguistic(言語)
「L」は、「Linguistic」の頭文字で言語や言葉を指します。
人間は、五感を使って外界の情報・経験を認識し、認識したものに言語による情報を加えて記憶を確実なものにします。言葉には、コミュニケーションとして使うもののほかに、身振り手振りなどの非言語的なものも含まれます。
Programming(プログラミング)
「P」は、「Programming(プログラミング)」の頭文字です。
プログラミングと聞くとコンピュータのイメージが強くなりがちですが、私たち人間もコンピュータと同じようにプログラミングによって動いています。例えば、「Aという事象が発生したらBというパターンで身体を動かす」などのように、人間の脳もプログラミングされているのです。
NLPでは、この習性を利用しています。
NLPは「脳と心のマニュアル」とも呼ばれている
NLPは「脳と心のマニュアル」とも呼ばれ、脳の仕組みを利用した心理学です。
例えば、人間の脳は快楽・喜びを追い求め、不快感のあるものは遠ざけようとする特性があります。
NLPはこの特性を利用し、安全・安心を感じられるように誘導して、イメージを書き換えているのです。
■NLPのメリットとは?
NLPには脳と意識の仕組みを利用して、これまでの行動や心理を望ましい状態に変える、長所を伸ばすなどの効果・学びが期待できます。
ここでは、NLPのメリットを紹介します。
コミュニケーション能力が向上する
NLPを学ぶことで、コミュニケーション能力が向上します。
コミュニケーション能力を向上させるには、相手の心の動きを理解し、伝えたいことを正確に話す必要があります。
NLPを学ぶことによって自分の考えを理解できるため、相手が誤解するような答えを出すことも少なくなるでしょう。
プレゼンテーション能力がアップする
プレゼンテーションを成功させるためには、相手を納得させられるような構成にしなければなりません。
NLPを学び、戦略的アプローチの方法や存在力・影響力の上げ方、NLP言語が身につくことで、相手を納得させられるプレゼンテーションが可能になるでしょう。
悩みや問題などの解決方法が身につく
NLPでは、自分の感情や行動を知ってコントロールする技術や、状況を把握する方法を学ぶため、人間関係の悩みや問題の軽減につながります。また、相手がなぜ悩んでいるのかも把握できるようになるでしょう。
NLPを学ぶことで、悩みや問題の解決につながるとともに、再び同じ状態になったときの解決方法が身につきます。
他者の深層心理を理解できる
NLPは、深層心理の原理・原則を知ることにもつながります。相手が何を欲しているのかがわかるようになり、コミュニケーションも円滑になるでしょう。
その他にも、自身の目標を明確にすると、人生の方向性が明らかになり、目標達成意欲の向上にもつながります。
■NLPを知ることで身につく技術5つとは?
NLPは、“理由”よりも“方法”に注目する心理学です。
通常の心理学であれば、ある状態になった理由に着目するのに対し、NLPでは「どうすれば望む状態になるのか」に注目します。つまり、どういったアプローチで望む状態になれるのかが大切になってきます。
また、NLPを学ぶとコミュニケーション・自己変革・目標実現など、さまざまなスキルを身に付けることができ、心理状態の改善が期待できるでしょう。
なお、各スキルを細かく見ていくとさまざまなテクニックがあります。ここでは、代表的な以下の5つについて解説します。
バックトラック
バックトラックとは、相手が話した内容をそのまま返す(オウム返しする)ことです。
プレゼンテーションで「その案は○○が問題では?」と質問されたら、そのまま「○○が問題と思われるんですね」のように返すことがそれにあたります。
相手の主張をそのまま返すことで、「あなたの言い分はわかります」というメッセージになり、その後の相手の主張も冷静に受け止めやすくなるでしょう。
また、謙虚さや誠実さが伝わりやすい効果もあります。
バックトラックは信頼関係を構築するのに効果的なテクニックです。
ペーシング
ペーシングとは、相手の呼吸や話し方、状態などにペースを合わせることです。バックトラックと似ていますが、言語を返すのではなく、相手の呼吸、話し方、声のトーン、表情、姿勢など非言語的な部分を観察して、同じような行動を取ることを指します。
自分と似ている部分を見つけた相手は、安心感や親近感を持つようになります。
相手の動作をよく観察し、視覚感覚が優位なのか、聴覚感覚が優位なのかを判断して、それに合わせてペーシングするとよいでしょう。
ペーシングもバックトラック同様、信頼関係を築く際に役立ちます。
モデリング
NLPでいうモデリングとは、自分が望んでいる結果を出し続けている人の行動や考え方を真似し、モデルになった人と同じような結果を得ることを可能にするスキルです。
なりきるためには、フィジカル・メンタル・スキル・フォーカスなどを学び、学んだことを実践するために日常的になりきっていきます。結果的に、真似した行動や考え方が自分のものになり、モデルと同じような成果を得る可能が高くなります。
モデリングはNLPのなかでも重要なスキルであり、このテクニックを用いることで、高い成果につながるといわれています。
アンカーリング
アンカーリングとは、自分が目指す状態になるためのきっかけを作ることです。アンカーリングの手順は以下のとおりです。
- 自分が目指す状態を考える
- その時の状態の視覚・聴覚などの感覚を具体的にイメージする
- イメージした状態を実際に作る
- 3で感情が最高潮になる直前で、特定の動作を入れてアンカーリングする
特に大切なのが、手順3の特定の動作を入れる部分です。日常的に行う動作ではあまり効果がないため、特徴的でありながらも人前で行ってもおかしくない動作にするとよいでしょう。
リフレーミング
リフレーミングとは、物事・出来事のとらえ方(考え方)を変えて、ネガティブな感情から脱することです。何事も考え方によってプラスの思考になり、選択の幅を広げることができます。
例えば、目的地まで歩いて半分ほどの距離まで来たときに「まだ半分もある」とネガティブに考えるのではなく、「もう半分も進んだ」と考えるだけでとらえ方が大きく変わってきます。
■まとめ
仕事に限らず、人生においては想定していないことがよく起こるものです。そのたびに落ち込んでいたら、心や身体がいくつあっても足りないでしょう。どこかで気持ちの切り替えが必要になりますが、切り替えるためのスキルが“NLP”です。
ここで紹介したもの以外にも、NLPにはたくさんのスキルがあります。ビジネスおいて、大きく役立つものばかりです。
自身のことや家族・上司・部下とのことで悩んでいる人は、NLPを学び、自身の望む未来を手にしましょう。