人々の悩みや心に抱える問題を解決して、メンタルケアを行ってくれるカウンセラー。なんとなく「カウンセラー=悩み相談を聞いてくれる人」というイメージを持っていても、実際にカウンセラーとはどんな仕事なのか、どんなスキルが必要なのか知らないという方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、カウンセラーの仕事内容と求められるスキルをご紹介します。カウンセラーをする上でおすすめの資格もご紹介するので、これからカウンセラーを目指している方はぜひチェックしてください。
カウンセラーとはどのような仕事か
そもそもカウンセラーとは、心理学に基づいて人々が心に抱える病や悩みを解決する手助けをする仕事。主に依頼者の話を聞く「カウンセリング」をすることで、メンタルケアを行います。心理カウンセラーと呼ばれるのが一般的ですが、求められている場や所持している資格によって名称が異なり、スクールカウンセラーや産業カウンセラーなどと呼ばれることも。
一方的に解決方法を指示するのではなく、あくまでも行うのは「依頼者が自分で問題を解決できるようにするためのサポート」というのが特徴で、依頼者の心に寄り添って二人三脚で解決を目指します。
カウンセラーに必要な5つのスキル
カウンセラーには資格こそ必須ではありませんが、心に問題を抱えた人のケアやサポートを行うために、いくつかのスキルが必要となります。ここでは、カウンセラーに必要とされる5つのスキルをご紹介するので、自分に備わっているか確認してみましょう。
傾聴力
まず1つ目は、相手の話に適切に耳を傾ける力。依頼者の問題を解決するためには、まず話を聞かなければなりません。「話を聞く」というと受動的な行動のように思えますが、カウンセラーで大切なのは「アクティブリスニング」という、積極的に聞くことで物事の本質を主体的に捉えるスキルです。
相槌や質問の仕方を工夫して、依頼者が話しやすくなるような話の聞き方ができると良いでしょう。
分析力
カウンセラーには、悩みに潜む本質を見つけ出すための分析力も必要になります。実は、悩みや問題を抱えている人は自分が苦しい思いをしていることは分かっていても、「何が原因か」までは分かっていないことがほとんどです。
そのため、カウンセラーは話の中から依頼者の人間性や価値観などを把握して原因を見つけ出し、問題を正しく把握できる分析力を持っていなければなりません。
言語化力
問題の解決方法が分かったとしても、依頼者にその方法が伝わらなければ意味がありません。心に問題や悩みを抱えている人には周りの人の意見が伝わりづらいこともあるので、相手の心に伝わるような言葉選びをして考えを伝えられる言語化力は大切です。
キャリアや経験を積むことで鍛えられるスキルでもあるので、言語化力のスキルに不安がある方は「どんな伝え方をしたら分かってくれるかな…」と常に考えることを意識すると良いでしょう。
人間への興味・関心
どんなに専門的な知識を持っていたとしても、依頼者の心に寄り添うことができないカウンセラーは信頼されず、問題解決がとても難しいものになってしまいます。カウンセリングには信頼関係が大きく影響してくるので、「この人はどんな人なのだろう」という興味や関心を持ち、相手を理解しようと努める必要があります。
知識欲
メンタルケアは、どんどんと新しい知識や技能が生み出されている分野。一昔前では当たり前だったカウンセリング方法が、今では間違っているとされていることもあります。また、1人1人に適したケアやサポートを行うためには、専門的な知識が必要です。
つまり、大学で心理学を履修したり、カウンセラーの関連資格を取得したりしたらそれで終わりにするのではなく、常に専門知識を更新し続ける必要があるのです。しかし、常に学び続けるというのはなかなか難しいもの。もともと知識欲がある人でないと、続けられないでしょう。
カウンセラーの仕事に活かせる資格
カウンセラーに必須の資格はありませんが、取得しておくことでより的確なケアができるようになる資格は数多くあります。国家資格から民間資格まで様々なものがありますが、ここではその中でもおすすめの3つご紹介。
カウンセラーとしてステップアップしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
公認心理師
最初におすすめなのは、公認心理師。公認心理師とは2017年に施行された「公認心理師法」によって定められた資格で、心に悩みを抱えている人やその家族のケアやサポートを行うことができます。活躍の場はスクールカウンセラーから企業内の相談室、ハローワークや児童相談所など多岐にわたり、需要が高い資格といって良いでしょう。
大学及び大学院で心理学などを履修していることや、実務経験が2年以上あることなど、受験資格のハードルがとても高いのが特徴で、取得までにかなり時間を有する資格でもあります。心理学に関する初めての国家資格ということで、信頼性の高い人気資格です。
臨床心理士
民間資格ではありますが、1988年から実施されている権威ある資格。国家資格である公認心理師が施行されるまではカウンセラーの中で最も一般的な資格で、全国で約35000人の資格取得者がいます。こちらも教育や福祉、司法や産業など活躍の場は幅広く、民間資格でありながらも社会的信頼性がとても高いのが特徴です。
現状、公認心理師と臨床心理士のどちらを取得した方が就職などにおいて優位になる、ということはあまり聞かれていないので、合格率が高いという理由で臨床心理士の取得を目指すのも良いでしょう。
NLPプラクティショナー
NLPプラクティショナーとは、「Neuro Linguisutic Programming(視覚言語プログラミング)」の頭文字をとった資格。1970年代にアメリカで生まれた心理プログラムで、より良い自分やより良い状態を手に入れるための手助けを行います。
カウンセラーが心の状態をマイナスからゼロに戻す支援をするのに対して、NLPプラクティショナーはマイナスからゼロ、さらにプラスを目指す支援をする、と考えると分かりやすいでしょう。対象者が心に問題を抱えている人以外まで広がるので、これからますます活躍が期待される資格でもあります。
全10回のコースを受講すれば資格取得が可能なので、簡単にスキルアップしたい方に最適です。
まとめ
心に問題を抱えている人々が、心を健康な状態に戻せるようにサポートを行うカウンセラー。そんなカウンセラーに必要なのは、「傾聴力」「分析力」「言語化力」「人間への興味・関心」「知識欲」の5つのスキルです。しかし、自分に全て備わっていないからといって、カウンセラーになる夢を諦める必要はありません。心理学やカウンセリング技法を学び、経験を積むことでスキルの向上は可能です。
記事内でご紹介した資格を取得するのも、スキルアップの手段の1つ。自分にどんなスキルが足りないのかを把握して足りない部分を補い、より良いカウンセラーを目指しましょう。
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