近年の日本社会では、女性の就業率が上昇しています。そのような状況において、女性が抱える悩みの中で「仕事の悩み」の存在感が増していることが考えられます。
そこで本記事では、職場で発生しがちな女性特有の悩みにスポットを当てて、その実態と効果的な解決法をご紹介します。
働く女性に「仕事の悩み」は付き物
働く女性は、仕事をする上でさまざまな悩みを抱えやすいものです。ここでは、データに基づいて現状を解説します。
働く女性が増加している
日本ではここ最近、働く女性の数が増加傾向にあります。
総務省が2019年6月に行った調査によると、働く女性の数は3003万人となり、比較可能な1953年以降、初めて3000万人を突破しました。生産年齢人口(15〜64歳)の女性の71.3%、65歳以上の女性の17.7%が、何らかの職に就いています。
注目したいのが、女性の働き方が男性と異なる傾向にあるということです。上記の調査では、働く女性の55%がパート勤務などの非正規労働者だという結果が出ました。一方男性の非正規労働者は23%で、大きな差がついていることがわかります。また、女性管理職の割合も低くとどまっており、課題となっています。これらのことから、女性は職場において、男性とは異なる悩みを抱えているのではないかと推測できます。
仕事では悩みを抱えがち
男女問わず一般的に、仕事で悩みを抱える人は少なくありません。電話カウンセリング・プラットフォームを運営する株式会社バーニャカウダが行った調査によると、働く人の6割以上が仕事上の悩みを抱えていることが明らかになりました。
この調査において、悩みの有無に関しては男女差が見られなかったものの、その内容については男女間で違いが見られました。やはり、仕事をするにあたって、女性特有の悩みが存在しているのです。
女性によくある「仕事の悩み」とは?
それでは、女性は具体的にどのような悩みを抱えやすいのでしょうか。女性が特に抱えてしまいやすい仕事上の悩みを見ていきましょう。
男性と比べて待遇が悪い
まずは、職場での待遇に関する不満です。ずいぶん前から「男女平等」が叫ばれていますが、現実はまだまだ平等には程遠いようです。
女性の場合、男性と同じ仕事をしていても、同期に比べて給与が低かったり、昇進が遅かったりするケースが少なからずあるのではないでしょうか。優れた実績を出してもなかなか評価されなければ、仕事のモチベーションが上がりません。将来のキャリアをどうするかという悩みにもつながるでしょう。
仕事内容が不満
仕事内容への不満も、よくある悩みのひとつです。
たとえば、任せてもらえる仕事の幅が狭く、スキルアップができそうにないと悩む女性が少なくありません。今の会社では活かすことができても、今後のキャリアにつながりそうにないような仕事ばかりをしていると、将来への不安が生じます。
仕事と家庭とのバランスが取りづらい
仕事と家庭とどちらを重視すべきなのか、という悩みも多く見られます。
「結婚相手の転勤があったときには自分も職場を変えるべきなのか」という悩みや、「心身に負担がかかる不妊治療と仕事とを両立させられるのか」「出産後の仕事復帰はどうするのか」といった女性特有の悩みを抱える人が多いようです。
休むのが申し訳ない
働く女性の中には、産休・育休や育児に伴う時短勤務、また生理休暇などの福利厚生制度を利用する人も多いでしょう。そうした制度を利用する際に、会社そのものや、代わりに働いてくれる周りの人に対する申し訳なさや罪悪感を抱いてしまうという悩みも散見されます。
会社で設けられた制度を利用するのは当然の権利なので、気にする必要は全くないはずなのですが、普段の人間関係によっては深く悩んでしまうケースもあるでしょう。
人間関係がうまくいかない
同僚や上司・部下との関係がうまくいかないという悩みも、働く女性によくあるものです。派閥があるような職場では、特に困惑してしまいます。また、世代の異なる人とのコミュニケーションが難しいという声も聞かれました。人間関係の悩みを抱えていると、職場に向かう足取りも重くなりがちです。仕事のモチベーションを上げるためにも、どうにか解決しておきたい悩みでしょう。
女性が仕事の悩みを解決するためのポイント
上に挙げたような悩みをうまく解決するために気をつけたいポイントを3つご紹介します。仕事で悩みを抱えている女性は、ぜひ参考にしてください。
積極的にコミュニケーションを図る
職場の中で、他愛のない話ができる人をたくさん見つけましょう。特に、雑談ができる上司をひとりでも持っておくのがおすすめです。そうして信頼関係を築いていくことで、いずれは仕事の悩みも相談できるようになり、職場環境の改善につながるかもしれません。
また人間関係の悩みも、コミュニケーションの頻度を上げることで解決することがあります。少し近寄りがたいと感じる相手にも、自分から積極的に話しかけてみましょう。
オン・オフをしっかり切り替える
仕事での悩みを抱えている場合には、職場で問題解決に挑むだけでなく、プライベートの充実に努めるのも大切です。しっかりと気分転換をしてストレスを解消できれば、仕事のモチベーションも上がりやすくなります。悩んでいたことが些細なことに思えることもありますし、問題の解決法が見つかることもあるでしょう。
趣味に打ち込んだり、ショッピングや美味しい食事を楽しんだり、ゆっくりとお風呂につかったりと、仕事のことを忘れられるような活動をしてみてください。
環境を変えてみる
どうしても悩みが解決せず、心身の負担が増え続ける場合は、思い切って環境を変えることを考えましょう。今の職場よりも生き生きと活躍できる場が、きっとほかにあるはずです。不安や不満、ストレスを抱え込みすぎてパンクしてしまう前に、配置換えや転職を視野に入れて動くことをおすすめします。
まとめ
現代の日本では、仕事に就く女性が増えてきました。雇用状況の男女差やライフスタイルの変化などの影響で、働く女性は、男性と異なる悩みを抱いてしまいやすいものです。
待遇や仕事内容、仕事と家庭のバランスなど、悩みの原因にはさまざまなものがあります。問題そのものの解決に努めることももちろん重要ですが、プライベートを充実させるなど、ストレスを解消するための取り組みも大切です。悩みにうまく対処し、職場で生き生きと過ごせるように工夫してみましょう。