目次
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  1. 1. フランス人の性格は仕事にも反映されている?
  2. 1. フランス人の性格的特徴とは?
  3. 2. フランスと日本での働き方に対する考え方の違い
  4. 2. ワークライフバランスを実現させたフランス人の働き方
  5. 1. そもそも労働時間や休暇が国の法律で決められている
  6. 2. フランスの基本的に2種類ある雇用形態
  7. 3. 仕事以外のリフレッシュタイムを充実させて仕事効率を上げる
  8. 1. アフター5は軽く1杯
  9. 2. フランスの夏休みは1ヶ月間?
  10. 3. プライベートを充実させる!?驚きの制度
  11. 4. まとめ

最近フランス人の働き方が、「仕事の効率化」や「ワークライフバランス」の観点から日本でよく参考にされています。つまりそれは、日本とフランスの働き方はとても「対照的」ということに他なりません。

フランスで働こうと考えているならば、前もってきちんとその違いを理解しておくことが重要と言えます。

今回は、フランス人の働き方を理解するために、性格や雇用形態、それから驚きの制度などについてご紹介していきます。

フランス人の性格は仕事にも反映されている?

まずはフランス人の性格や労働に対する姿勢といった、基本的なところから理解していきましょう。

フランス人の性格的特徴とは?

フランスは「黙っていては損をする」という考え方が強い国です。だから自己主張をしっかりします。「他人に迷惑をかけなければ、個人の判断でルールを破っても良い」と考える人もいます。

 

それからおしゃべり好きで、せっかちで、運転も荒い。よく例えられるのが大阪人。実際パリに住んでいる日本人の中でも、関西出身の人の方が住みやすいと考える傾向が高いようです。

フランスと日本での働き方に対する考え方の違い

労働に対する考え方も、日本人とまったく違います。根底に「人生のすべてが仕事なのではない」という考え方があり、休暇も社会全体でしっかり取ります。

 

特に顕著なのが残業に対する考え方です。日本では、残業をすることは、会社への忠誠心ととらえられ、美徳と考えられる傾向がありますが、フランスはまるで正反対。フランス人は「残業するのは仕事ができないから」「能力が低いから」と考えます。残業する人は、決められた時間の中できっちり成果を出せない人と考えられてしまうのです。

ワークライフバランスを実現させたフランス人の働き方

では具体的に、労働時間や休暇、雇用形態について見ていきましょう。

そもそも労働時間や休暇が国の法律で決められている

もちろん日本にも労働基準法がありますが、フランスとは内容が大きく違います。

 

まずフランスの法律では、週の労働時間が35時間と、日本よりも5時間も少ないです。それから「フランスはバカンスの国」と言われますが、休暇の多さも特徴で、1930年代に導入された「バカンス法」によって、誰もが1年に5週間もの有給休暇を取得できます。

 

またこれらの法律は日本よりも厳格で拘束力が強く、抜け道も少ないのがフランスの特徴です。

フランスの基本的に2種類ある雇用形態

フランスの雇用形態は、「管理職」と「それ以外」で大きく2種類に分かれています。法律上で「カードル」と呼ばれる、課長や部長に相当するような役職と、「カードル以外」です。

 

そして多数派のカードル以外の人の場合、1週間の労働時間は、上記で述べました通り日本よりも5時間少ない35時間と決まっていて、基本的に1日7時間を週5日働けば残業に悩まされることはなくなります。給料はあまり高くないものの社会保障が充実しており、住宅や子育てなどで国からサポートを受けられ、贅沢はできないながらも文化的な生活を問題なく過ごせます。

 

カードルの人たちはもう少し労働時間が長くなります。ですが収入は増え、社会保障で受けられる権利も良くなる傾向があります。しかしながら稼げば稼ぐほど税金が高くなる累進課税制度は日本よりも強いという面もあります。

仕事以外のリフレッシュタイムを充実させて仕事効率を上げる

まだまだフランスには、様々な驚くべき考え方や制度がありますので最後にその一部をご紹介します。

アフター5は軽く1杯

日本人1人当たりの平均の年間労働時間は1745時間ですが、フランスはなんと266時間も少ない1479時間。

 

そのためアフター5の余裕がかなりあり、多くの飲食店で「ハッピーアワー」というディナータイムより安く飲食ができるサービスが実施されています。5時過ぎにスーツ姿のビジネスマンが陽気にお酒を飲んでいるのは、フランスでは普通の風景なのです。

フランスの夏休みは1ヶ月間?

上記ですでに述べました通り、5週間の有給休暇が法律によって決められているので、夏休みはまるまる1ヶ月取れます。日本ではゴールデンウィークやお盆休みなどで、せいぜい長くても1週間ですが、フランス人はたっぷりと休む。一般的に夏休みと言うと8月の1ヶ月間で、その間は不動産屋や銀行と連絡が取れなくなることもよくあります。

プライベートを充実させる!?驚きの制度

さらに極めつけが、2016年5月に決まった「オフラインになる権利」。

 

従業員数50人以上の会社では勤務時間外に会社のメールをチェックしてはならない、連絡を取ってはいけないという行動規範の策定を、法律によって義務化した制度です。最近は携帯やスマホが普及したため、労働時間外にメールのチェックができるような環境になってしまったのでこのような法律ができたわけですが、ちょっと日本の会社では考えられないことではないでしょうか?

 

まとめ

今回は、「フランスの働き方」についてご紹介しました。

「会社に一生を捧げる」という美徳がある日本人と比べ、フランス人は仕事を人生ととらえることはなく、あくまで人生の一つの側面ととらえています。そしてプライベートの時間をとても大切にする考え方や制度が浸透しているのです。