目次
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  1. 1. フランスの日本語教育需要
  2. 1. フランスの日本語教育機関数はランク外
  3. 2. アメリカやオーストラリアと比べても日本語学習者は少ない傾向
  4. 2. フランスで日本語教師として生計を立てるのは難しい?
  5. 1. 日本語教師の仕事のみで働いている人は少ない?
  6. 3. それでもフランスで日本語教師として働きたいなら
  7. 1. フランスで日本語教師として働くために必要な資格
  8. 2. フランスでの求人が探せるWebサイト
  9. 3. ワーキングホリデー制度を利用する方法も
  10. 4. まとめ

日本の文化やアニメなどのファンも多く、親日のイメージがあるフランス。そんなフランス国内で、日本語教師の職はどの程度需要があるのでしょうか。

ここではフランスの日本語教育事情や日本語教師だけで生計が立てられるのかなど、フランスで日本語教師に就くための方法について解説しています。フランス以外の国で募集されている日本語教師の待遇と比較したい場合の参考としてもお役立てください。

フランスの日本語教育需要

 

結論からいうと、フランスは日本語教育が盛んな国であるとはいえないようです。国際交流基金がおこなった調査データをもとに、その理由について解説します。

 

フランスの日本語教育機関数はランク外

国際交流基金(Japan Foudation)2018年5月~2019年3月(※一部2019年7月)までの期間を対象におこなった「2018年度海外日本語教育機関調査結果 (速報値)」によると、フランス国内で日本語教育を実施している機関の数は10位以内に入っておらず、ランク外となっています。

 

アメリカやオーストラリアと比べても日本語学習者は少ない傾向

「2018年度海外日本語教育機関調査結果 (速報値)」では、日本語学習者の数も調査しています。その調査結果によれば、ベトナムや中国、タイ、ミャンマーといったアジア諸国は日本語学習者の数で上位ランクインしています。また、アメリカやオーストラリアといった英語圏の国も10位以内に入るようです。こうした国々と比べると、フランスは日本語教育が盛んな国であるとは考え難いのが現状です。

 

ただし、1990年代から徐々にフランス国内の日本語学習者の数は、増えてはきているようです。2019年時点での日本語学習者は6,700名程度いるといわれています。2019年のフランスの人口はおよそ6700万人ですので、フランス人全体からみれば、まだまだ極わずかではありますが、日本語を学んでいる人が増えている傾向にあることは覚えておいてよいでしょう。

 

フランスで日本語教師として生計を立てるのは難しい?

 

仮にフランスで日本語教師の職に就くことができたとして、日本語教師の仕事だけで生計を立てることはできるのでしょうか。

日本語教師の仕事のみで働いている人は少ない?

実際のところ、現地で日本語教師のみで生計を立てて働いている人は少ないようです。ただでさえ少ないフランス国内の日本語教師の求人もパートなど非正規の募集が多く、非常勤講師を含む日本語教師の給与は500ユーロ~1300ユーロなどの価格帯が多い傾向にあります。2020年3月現在、1ユーロはおよそ120円程度であるため、日本円に換算すると6万円~15万円ほどとなり、フランスの物価は日本と同等かそれ以上であること、フランスの平均月収がおよそ2,200ユーロであることなどを考えても、日本語教師だけで生計を立てるのは難しいといえそうです。

フランスは日本人が在留している上位国10位以内に入っており、フランス在住の日本人自体は多いことから、すでにフランスで暮らしている日本人が臨時講師として日本語教師をしているケースも考えられるでしょう。

それでもフランスで日本語教師として働きたいなら

 

上記の通り、決して楽とはいえないフランスでの日本語教師の道ですが、「それでも働きたい!」という人のために、知っておきたい情報について解説します。

 

フランスで日本語教師として働くために必要な資格

フランスで募集される日本語教師の応募資格には、以下のような条件が多いようです。

・日本語教師養成講座420時間コースの修了

・日本語教育能力試験に合格

・修士課程の日本語専攻修了者

上記すべての条件が必要な場合もあれば、いずれかを持っていれば歓迎、といったものもあります。

フランスでの求人が探せるWebサイト

 フランス国内での求人を探す際、以下のようなサイトも確認してみるとよいでしょう。

・Pôle Emploi(ポールアンプロワ)

フランスの職業安定所が運営しているサイトです。すべてフランス語表記となっていますが、フランス語が苦手な場合は翻訳機能などを活用して求人情報を確認することができます。

Webサイト:https://www.pole-emploi.fr/accueil/

 

・OVNI(オヴニー)

在仏日本人用のサイトです。フランスでの暮らしやイベント情報、おすすめスポットなどの情報がメインですが、求人が掲載されることもあるため、定期的にチェックしてみるとよいでしょう。

Webサイト:https://ovninavi.com/

ワーキングホリデー制度を利用する方法も

一定条件に該当すれば、就労ビザ取得の代わりにワーキングホリデー制度を利用してフランスで働くことも可能です。

ワーキングホリデーが使える人の条件は以下の通りです。

 

・満18歳以上30歳未満(申請時)

・仕事に就く意思があり、フランスについての知識を深めるための渡航であること

・過去にフランスのワーキングホリデービザを取得していない

・子供同伴でない

ワーキングホリデー制度では、就労ビザのように仕事の種類で取得の難易度が上がることがないため、上記の条件に該当するなら利用してみることをおすすめします。

 

まとめ

 

フランスは親日的な国として知られていますが、日本語教育の需要はあまり多くはなく、日本語教師だけで生計を立てるのも難しいのが現状です。しかし、フランス在住の日本人は多く、ワーキングホリデーを利用すれば就労ビザよりも容易に働くことができるため、生のフランスを肌で感じながら「どうしてもフランスで働きたい」と考えている人は、覚悟をもってチャレンジしてみてください。