目次
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  1. 1. ベトナムで日本語教師として活躍中!佃佳祐さんインタビュー
  2. 2. 学生の日本語力が向上し喜んいる姿を見るのは、充実感とやりがいを感じます。
  3. 3. 日本語教育だけでなく、人材育成者としてのキャリアを積み重ねたい。

ベトナムで日本語教師として活躍中!佃佳祐さんインタビュー

 

営業職として働いていた佃さんは、海外、特に東南アジアでの就職を目指して退社しましたが、家庭の事情もあり海外就職を一時断念した時期があったそうです。しかしある時、知人を通して日本語講師養成講座を知ります。これを機に日本語教師養成講座を受講。現在では、日本語教師としてベトナムの現地で学生達に日本語を教えています。

今回は、そんな日本語教師としてベトナムで働く佃さんに、仕事内容や海外で働くやりがいなどを伺いました。

 

  • お話を伺った人

お名前:佃 佳祐さん
現在のお仕事:ベトナムにて、学生に日本語を教授

学生の日本語力が向上し喜んいる姿を見るのは、充実感とやりがいを感じます。

 

海外勤務の日本語教師を目指したきっかけはなんでしょうか?

もともと海外、特に東南アジアで仕事がしたいという希望があり、自身のキャリアの付加価値になればと考えて日本語講師養成講座を受講しました。初めは仕事をしながらだったのですが、学んでいくうちに「教えること」、「学生の日本語力を伸ばす」という仕事にやりがいを感じて、日本語講師を本格的に志すことにしました。

 

現在のお仕事先と仕事内容、日本語教師歴を教えてください。

2015年12月に日本語教育能力検定試験に合格しまして、2016年9月から現在に至るまではベトナムで勤務しています。

業務の内容は、技能実習生に対する日本語教育や、日本語の指導に必要な教材を作成したり、日本社会における基本的なマナーやモラル指導です。

そのほかにも校内のイベント企画や学校運営のサポートなどもしていますね。

 

ベトナムを選んだ理由をお聞かせください。

就職した当時はEPA(※)で介護の実習生受け入れが始まり、ベトナム人が日本へどんどん入国するという状況でした。それもあってベトナムという国やその国の人の気質などを知りたいと思い、ベトナムで働くことを選びました。

※EPA経済連携協定。特定の国や地域間で貿易や投資を促進させるための条約。

 

海外で日本語教師をやっていて良かったと思う瞬間はどんなときですか? また、海外での仕事はどんなところにやりがいを感じますか?

中々日本語が伸びない学生に対して自習方法を指導したり、会話練習を行ったりして粘り強く指導し続けた結果、学生の日本語力が向上したのはうれしかったです。学生が喜んでいる姿をみると講師として充実感とやりがいを感じます。

 

海外で日本語教師として働いてきた中で、心に残るエピソードがあれば教えてください。

初めて担当のクラスを持って入学当初から指導を行っていた学生が、いよいよ日本へ渡航するという日のことなのですが、その学生が花を持って泣きながら日本語で感謝の気持ちを伝えに来てくれたことがありました。

自分が指導した学生が日本語で精一杯伝えようとする感謝の気持ちがうれしくて、今でもその学生達のことを覚えていますし、時々連絡も取っています。

 

海外の日本語学校ならではの苦労や、海外ならではの醍醐味についてお聞かせください。

日本語能力試験JLPTのN3やN2の資格を持つ現地の日本語講師から、日本語についての質問をされることがあります。学校内では学生に対して初級レベルの日本語を教えていますが、現地の講師からは中級や上級レベルの日本語の文法構造や表現の使い分けについての質問がくるんですね。

そういったときは教えるのが大変だと感じることもありますが、日本語講師としては良い勉強になっています。

 

日本語教育だけでなく、人材育成者としてのキャリアを積み重ねたい。

 

海外で日本語教師として働く魅力を人にPRするとしたら?

海外では生活環境や現地の人の考え方が、良くも悪くも日本と全く違うことが多いです。

日本では「和をもって貴しとなす」の精神が好まれると個人的に感じていますが、海外ではむしろ周囲の顔色をうかがわず、自身の意見をはっきり示す姿勢が好まれるように思います。

 

日本と違う環境の中で周囲とコミュニケーションを取りながら自分の考えを相手に理解してもらい、仕事を進めていくという経験は大変でもありますが、おもしろくもあります。

「日本との違い」を「おもしろい」と感じられる人は、自身の見識を広めるために一度海外に出てみてはいかがでしょうか。

 

日本語教師になってみて養成講座での学びが活かされていると感じるのは、どんなときですか?

日本語教師として自分の授業を向上させるための研修を受けますが、その研修では養成講座で学んだことを意識して研修に取り組むことが多いです。養成講座で学んだことは、日本語教育能力検定試験のためだけではなく、教育の質を向上させるために身につけるべき教養だったと感じます。

 

教壇に立ってみての感想、外国人生徒さんの印象は?また、日本人学生と比べてどうですか?

実習生の場合は、ただ仕事のためだけに日本語を学んでいる生徒もいます。そのような生徒は日本語学習に対するモチベーションが低いので、「日本の魅力」や「日本語への興味付け」を目的に盆踊りや折り紙などの文化体験のような授業も実施しています。

一方で、家族の生活のために日本へ渡航する実習生もいます。そのような生徒は、周囲よりも学習や仕事に対する熱意や意識も高く、優秀な人材として日本国内でも重宝されるように感じます。

 

今後の目標・夢などをお聞かせください。

実習生の教育では日本語だけでなく「日本企業に合った人材育成」という人事的な観点での指導も求められます。現在も国内で実習生の需要があるため、日本語教育を含め企業に向けた人材育成者としてキャリアを積み重ねていきたいと考えています。

 

これから海外での日本語教師を目指す方に、アドバイスやメッセージをお願いします。

海外では良くも悪くも日本と同じ状況ではないため、環境が整ったところで仕事がしたい方は国内で働いたほうが無難かもしれません。

海外での生活や仕事を充実させるためには、自分で考えて工夫を凝らし、そのことに楽しさを見出す必要があります。そういった環境に身を置きたい方や、自分の力を試したい方は、ぜひ海外で働くことに挑戦してみてほしいです。

 

 

ご協力ありがとうございました。