ライフスタイルに合わせて働き方を選ぶ
Webデザイナーの働き方はさまざまです。Web制作会社に籍を置くというのが一般的ですが、主婦業のかたわら仕事をしている女性Webデザイナーも多く、最近は世界各地を転々としながら仕事をするノマドワーカーも増えてきました。Webデザイナーという職業はスキルさえあれば、ライフスタイルや目的に合わせて働き方を選ぶことができるのです。主な勤務先は以下の通りです。
・Web制作会社/システム会社※ベンチャー企業
・デザイン事務所
・企業のデザイン部
・自社サービスを手がける企業
・派遣
・フリーランス
Webデザイナーの仕事に何を求めるか
どういう働き方をするかは、各々が仕事に何を求めるかによって変わり、Webデザイナーの多くは三段階のプロセスを経てベテランの域に達します。まず一段階目はデザイナーのこだわりを持って仕事に取り組み、二段階目はスキルアップやキャリアアップに励み、デザイン力と同時にマネージメント能力を上げていきます。三段階目はちょっと落ち着いてきて、仕事だけでなくプライベートも充実させたいという気持ちが高まってきます。単にプライベートを充実させたいならばフリーランスというふうに、何を目的にするかで働き方も大きく変わってきます。そこで目的ごとのメリット/デメリットを解説していきましょう。
収入を求めるなら
収入を求めるなら、大手企業のデザイン部や派遣が安泰です。中小企業の場合はIR情報や財務内容を調べて、安定した売り上げがあるかどうかを見極める必要があります。ただ、大手企業はデザインの制限が多いうえに、やることがほぼ決まっているため毎日のルーチンに飽きてくる恐れがあります。物づくりを極めたいと思っている人には物足りないかもしれません。
スキルアップを目指すなら
スキルアップを目指すなら、ベンチャー企業がおすすめです。案件の内容も面白いものが多く、デザインの自由度も高くなります。案件も日々変わり、会社の体制自体が変わることだってあります。社長が今日は「A」をやると言っていたのが、明日は「B」をやるとか「C」をやるとかというのは日常茶飯事です。そのため時代の移り変わりだけでなく環境の移り変わりにも耐えられる人、めまぐるしい展開を楽しめる人に向いています。と同時に、Webデザイナーとしてのスキルアップ/キャリアアップという点でも大きな可能性を秘めています。また、自社サービスを提供している企業は同様に自由度が高いので、将来的に起業する時にもいろいろと役立ちます。さらにWebデザイナー向けのセミナーや学校で講師を務めている人はベンチャー企業出身者もしくは在籍者が多く、人に教える情熱が備わっている人ならば副業としても最適です。
プライベートを充実させるには
プライベートを充実させるには、企業の規模の大小よりも「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」などの取り組みを積極的に行っていることに着目するべきです。ベンチャー企業のなかには週数日のみ出社してあとは在宅勤務の「リモートワーク」を取り入れているところが多く、完全なる在宅勤務「フルリモートワーク」も珍しくはありません。しかし、起業して間もないベンチャー企業は自転車操業になりがちで、プライベートを充実させるには不向きです。フリーランスの場合は副業的にやっている人はまだしも、Webデザイン一本で生計を立てるにはそれ相応の仕事量が必要なため「気楽ではあるけど、思ったよりもプライベートの時間が少ない」と言う人も少なくはありません。
クリエイターとしてのこだわりを通すなら
クリエイターとしてのこだわりを通すなら、やはり先に挙げたようにデザインの自由度の高いベンチャー企業、もしくはフリーランスになることです。フリーランスの場合は仕事を軌道に乗せるまでに半年から1年はかかるものの、「最初は金銭的にきついけれど、案件が入りだしてからは右肩上がりになるのが面白い」という声をよく耳にします。デザイン面で多少の妥協は付いてまわるものの、クライアントから直に反応が返ってくるのはフリーランスならではの醍醐味で、次にもつながります。
人間関係に悩みたくないなら
人間関係に悩みたくないなら、これは何を求めるかによって変わります。大勢のなかに埋もれてひっそりとデザインに取り組みたい人は大人数の会社に、数人でああでもないこうでもないと意見交換しながら仕事したい人や同僚との距離感が近い方がよいのであれば少人数の会社がいいでしょう。ほとんど女性だけで構成されている会社は「意外にさっぱりしている」ということもあります。
まとめ
数年前までは世界各地を旅しながらWebデザインで生計を立てる人がいるとは誰も思っていなかったことで、ここにきて起業するWebデザイナーも増えています。手に職があることを強みとして、Web業界の著しい発展とともに、Webデザイナーの働き方は今後ますます多岐に渡っていくことでしょう。