- 1. webデザイン技能検定はweb業界で唯一の国家資格
- 2. どんな人がwebデザイン技能検定を受験すべきなの?
- 1. 将来web関係で活躍していきたい人
- 2. 現在webエンジニアをしている人
- 3. webサイトの運営などをしたい人
- 3. webデザイン技能検定の試験について
- 1. webデザイン技能検定3級
- 2. webデザイン技能検定2級
- 3. webデザイン技能検定1級
- 4. webデザイン技能検定を突破するためには
- 1. 試験の受験日を決める
- 2. 過去問を解く
- 3. スクールに通う
- 5. webデザイン技能検定を受験する際の注意点
- 1. 面接においてスキルのアピールとなるのは2級以上
- 2. 資格を取得することを目的にしない
- 6. webデザイン技能検定はwebデザインに携わるなら受験して損はない
webデザインに関する国家資格であるwebデザイン技能検定とは、どのような試験なのでしょうか?また、試験を受けるべき人とはどのような人なのでしょうか?
webデザイン技能検定1級、2級、3級それぞれの難易度、合格後に得られる評価について詳しく解説していきます。
webデザイン技能検定はweb業界で唯一の国家資格
webデザイン技能検定とは、web業界で唯一の国家資格であり、業界内でも注目されている検定試験です。運営は「NPO法人インターネットスキル認定普及協会」が担っており、元々は都道府県知事が国の実施計画に基づいて行うものでしたが、2001年より施行された改正職業能力開発促進法などによって、指定試験機関で実施ができるようになりました。
webデザイン技能検定は、webデザイナーを目指す上で必要となる知識や技術が問われる試験です。試験区分は1級から3級までが存在しており、2級や1級の難易度は高くなりますが、webデザインに関する一定の知識を身につけているという証明になります。
1級から3級全てにおいて筆記試験(マークシート式)と実技試験(試験用のパソコンで作業)があり、知識だけでなく実際に手を動かしてデザインを制作することができるのかが問われます。
どんな人がwebデザイン技能検定を受験すべきなの?
webデザイン技能検定を受験するべき人とはどのような人なのでしょうか?
現在、web関係の仕事をしている人だけではなく、将来的にwebデザインを仕事にしたい人にも向いているようです。以下で詳しく解説していきます。
将来web関係で活躍していきたい人
webデザイン技能検定の試験では、webサイトのデザインやアーキテクチャ(訪れたユーザが直感的に利用できるようなわかりやすいサイトの構造)に関する知識が問われます。web系の仕事をする際、非常に役立つでしょう。
webデザイナーやwebディレクターなど、将来的にweb制作の領域で活躍したい人にとっても有効な試験といえます。
現在webエンジニアをしている人
すでにwebエンジニアとして就業中の方にとってもwebデザイン技能検定を受験することは有効です。
webエンジニアの業務をする上で、ユーザにとって直感的にわかりやすいデザインを構築する知識は必要となってきます。検定の受験を通して学ぶことができる様々なデザインに関する知識を身に付けておくことで、現在よりも広い範囲の業務を任せられる機会が増えるでしょう。
エンジニアとして活躍できる領域を増やすことは、自分自身の市場価値を上げることにも繋がります。
webサイトの運営などをしたい人
副業でブログの解説や、独立して何かwebサイトを作りたい、と考えている人にも有効です。
WordPressなどのフレームワークを利用することで、簡単にwebサイトを構築できる時代になってはいますが、サイトに来訪したユーザが求める情報にスムーズにアクセスできるデザインについて知っておくことで、運営するwebサイトの目的が達成しやすくなるでしょう。
webデザイン技能検定の試験について
ここではwebデザイン技能検定の試験時間、出題形式、受験料、受験資格をチェックしていきましょう。
これらは1級から3級では全く異なるので、それぞれの違いについて説明していきます。特に1級と2級には受験資格が必要なので、申し込む前に注意が必要です。また、それぞれの検定がどのくらいの難易度なのか知りたい方に向けて、難易度や合格率などについても具体的に解説していきます。
webデザイン技能検定3級
学科試験 | 実技試験 | |
試験時間 | 45分 | 60分 |
出題形式 | 筆記試験(マーク方式) | 課題選択方式
※試験用のPCでwebデザインに関する課題に取り組む |
受験料 | 5,000円 | 35歳以上は5,000円、35歳未満は3,000円 |
受験資格 | webの作成や運営に関する業務に従事している者
及び従事しようとしている者 |
webデザイン技能検定3級は他のIT系の資格と比較しても難易度はそれほど高くなく、誰でも合格しやすい試験であるといえます。毎年のwebデザイン技能検定3級の合格率は60%から70%です。しっかりと試験対策を行い、基本的な勉強をしておけば十分に合格を狙えるでしょう。
webデザイン技能検定3級では、筆記試験においてインターネットの仕組みやwebデザインの入門的な内容に関する問いが多く出題され、高度なデザイン技術や知識が問われることはめったにありません。また実技試験では、HTMLやCSSを使ってシンプルな内容のwebサイトを制作するという課題に取り組むことになります。
デザインの能力があるかどうかを確認するのは2級からで、また、1級や2級とは異なり、3級には明確な受験資格はありません。名目として、webの作成や運営業務に携わっているという条件はありますが、基本的には誰でも試験を受けることができます。
webデザイン技能検定2級
学科試験 | 実技試験 | |
試験時間 | 60分 | 120分 |
出題形式 | 筆記試験(マーク方式) | 課題選択方式
※試験用のPCでwebデザインに関する課題に取り組む |
受験金額 | 6,000円 | 35歳以上は12,500円、35歳未満は7,000円 |
受験資格 | 以下のいずれかに該当 ・2年以上の実務経験(※2)を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校(※3)を卒業又は普通職業訓練修了した者 ・大学(※3)を卒業した者 ・高度職業訓練(※3)を修了した者 ・3級の技能検定に合格した者 |
※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。
※2:実務経験とは、webの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたwebの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。
webデザイン技能検定2級は受験資格が必要となる検定です。2年以上のweb制作の実務経験や、web制作に関する学校で教育を修めた経験がある、もしくはwebデザイン技能検定3級に合格している必要があります。
100点満点中70点以上が合格ラインとなっており、合格率は約40%~50%です。ある程度、実践的な知識が問われるので、本当の意味でwebデザインの能力があるかどうかを確認できるのは2級以上ということになります。
webデザイン技能検定2級の筆記試験には、3級と同じくインターネットの概論やwebデザインに関する知識を問うものが多いですが、3級よりも専門知識を必要とする問いが出題されます。また実技試験でも、より実践的な課題が出されるようになり、例えばHTMLやCSSでのコーディングに加えて、画像の作成・加工や、データのアップロードを含むwebサイトを管理する能力が試されます。
出題範囲が広く、過去問の内容とは異なることも多いため、試験勉強の際には勉強の範囲を絞らず、体系的にしっかりと対策する必要があるようです。
webデザイン技能検定1級
学科試験 | 実技試験 | |
試験時間 | 学科90分 | 作業実技試験180分
ペーパー実技試験60分 |
出題形式 | 筆記試験(マーク方式) | 課題選択方式
※作業実技試験は試験用のPCでwebデザインに関する課題に取り組む。 ペーパー実技試験は配布される回答用紙に回答を書き込む |
受験金額 | 7,000円 | 25,000円 (実技はペーパー実技含む) |
受験資格 | 以下のいずれかに該当 ・7年以上の実務経験を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3) 後、5年以上の実務経験(※2)を有する者 ・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者 ・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者 ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者 |
1級の技能検定において、学科試験に合格した者 |
※1:当該実技試験が行われる日が、学科試験の合格日より2年以内である場合に限る。
※2:実務経験とは、webの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたwebの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。
1級も、2級や3級と同じく学科試験と実技試験の2つに分かれていますが、学科試験に合格している人だけが実技試験を受けることができます。また学科試験を受ける際にも、7年以上の実務経験を有する者、など厳しい条件が設けられています。
1級の試験に合格すると、厚生労働大臣よりwebデザイン技能士の合格証書が発行されます。合格すると、webデザイナー、webディレクター、プランナー、プログラマー、企業のweb作成、運用、web関連技術の指導などにおいて、国家が認める能力を身に付けた人材であるという客観的な評価を受けることになります。国家資格ということもあり、就職や転職の際にはwebデザインの領域に詳しいというアピールポイントになるでしょう。
webデザイン技能検定1級は2級や3級よりも試験の難易度が高くなります。特に筆記試験・実技試験ともにより幅広い知識と経験が必要になります。例えば、2級・3級とは異なり、実技試験では自身でwebサイトの設計と計画を作成する設問が出されます。また、デザインだけではなくサーバーサイドの領域の知識が必要な課題も出題されるため、デザインの実務経験がある人にとっても難易度が高い試験といえるでしょう。
webデザイン技能検定を突破するためには
webデザイン技能検定を突破するためには、どのような準備を行う必要があるのでしょうか。ここでは合格を目指すなら必須ともいえる対策を紹介します。
試験の受験日を決める
まずはいつ受験をするのかを決めましょう。試験日までに、どのようなスケジュールで対策を実施するのかを決定しておく必要があります。
webデザイン技能検定の出題範囲は非常に広いため、まとめて学習するのではなく、毎日少しの時間でもコツコツと進めることがおすすめです。
過去問を解く
webデザイン技能検定の多くは過去問から出題されるケースが多いです。公式サイトには過去問が掲載されています。試験の難易度は年によって大きく変わるため、なるべく複数年の過去問にトライしましょう。問題を解いていてわからない部分が出てきたら随時インターネット上や書籍等で調べるようにしましょう。
スクールに通う
独学では少し不安という方は、Webデザインを学ぶことができるスクールに通うことをおすすめします。
スクールではWebに関する最新情報を得やすく、ポイントを押さえた学習が可能です。試験勉強をするうえでの疑問点を講師に直接質問でき、検定合格に向けて計画的に学習を進めることができます。スクールの受講生と切磋琢磨しながら勉強でき、教え合うこともできるというメリットもあります。
webデザイン技能検定を受験する際の注意点
webデザインだけでなくweb全体に関して幅広い知識があることを示すwebデザイン技能検定ですが、やみくもに受験すればよいというものではありません。ここでは、webデザイン技能検定を受験する際に注意しておきたいポイントについて解説していきます。
面接においてスキルのアピールとなるのは2級以上
合格難易度が高い資格ほど、世間的な評価の対象にもなります。webデザイン技能検定に関しては、3級は受験制限もなく、取得の難易度が低いのでスキルのアピールとしては十分とはいえません。実際、面接などにおけるアピール材料として考えるのであれば、受験制限が設けられており、高い難易度を持つ2級以上の取得が必要になります。
資格を取得することを目的にしない
webデザイン技能検定の2級以上を保有していたとしても、webデザイナーの転職活動においては、持っている資格よりも「実際に何が作れるか」という実務経験の方が重視されやすいのが実情です。決して資格取得を目的にせず、あくまでスキルを高めることを目的にしましょう。試験勉強を進めつつも、実務を通して経験を積むことも大切です。
webデザイン技能検定はwebデザインに携わるなら受験して損はない
webデザインの仕事に興味を持っている人にとって、webデザイン技能検定は受験して損はない資格です。
ただし、ここで注意しなければならないのは、資格の取得がゴールになってしまわないようにすることです。あくまで資格取得はなりたい自分になる為の手段であり、目的地までの過程でしかありません。
本当に大切なことは、受験を通して得られる知識や技術であることは頭に入れておきましょう。まずは3級から受験してみて、さらに、自身のスキルの確認や・証明として2級以上にも挑戦してみてはいかがでしょうか。