プログラミングとはプログラムを書く作業であり、コンピュータ言語を記述してシステムを作っていくことです。本を購入して学ぶことでプログラミングの知識を得ようとする人は多いですが、そこには落とし穴があります。ここではその注意点を解説していきます。
プログラミングにおける本の役割とは
何か新しい物事を学ぶ時に多くの人が思い浮かべるのは「本」を利用した学習方法。プログラミングにおいても本で学ぶことは有効だとされています。ところで、本を用いてプログラミングを学ぶ具体的なメリットは何でしょうか。詳しく解説していきます。
体系的な知識を身に付けられる
プログラミングを本で学ぶメリットの1つ目は、体系的に知識を身につけられる点です。
特にプログラミングの勉強を始めて1年以内で、まだ断片的な知識しか持っていないという人には、書籍を活用することをおすすめします。本を読むことでこれまで身につけた知識を体系的に整理することができるので、理解をより深めることが出来るでしょう。読み進めるうちに、自分が気づいていなかった知識の穴を埋めることにも役立つはずです。
また、すでに特定の言語はマスターしており、新たなプログラミング言語を学びたいと思った際にも、本を使った学習は効果的です。書籍には既に学んできた言語との違いや特徴について1からわかりやすく解説されているので、新しい言語の習得も早まるでしょう。
特定の分野に特化した知識を得られる
特定分野の知識を習得する際にも本を活用することは有効です。特にIT分野の知識は専門性が高く、最新の書籍を読むことで身に付けられることが多いです。
もちろん特定分野に特化した情報はインターネットを利用して得ることもできますし、ネットの方が情報のスピードが速い場合もあります。ただし、ネットで見つけた記事を読むだけでは、順序だてて体系的に知識を身に付けるのは難しいです。そのため、本を活用する事が必要となってくるのです。
プログラミングを始める人がいきなり本を買うべきでない理由とは
本を読むことで「体系的な知識」を身につけられることがわかりました。また、特定分野の知識習得が可能である点についても本は有効です。しかし、特にプログラミング初心者が本を購入する際にはいくつか注意すべき点があります。以下で詳しく見ていきましょう。
途中で挫折する確率が高い
本による学習は、知識をインプットするという点においては有効ですが、初心者にとっては途中で挫折しやすいという危険性もはらんでいます。特に、本を読むだけでアプトプットする機会が無いと、実際にコンピューター上でどのように動作するのかイメージができないため、読み進めるモチベーションが非常に低下しやすくなります。手を動かさずに文章だけを読んでも、実際にコーディングできるようにはならない点は覚えておきましょう。
また、本だけで学習を進めると、エラーが生じてつまづいた際に解消法を見つけられずに行き詰ってしまうケースも多く見られます。可能であれば、自分より詳しい人に聞ける環境を作ったうえで、本を活用するとよいでしょう。
このようにプログラミング初心者が本のみで学習するのは途中で頓挫する可能性が高く、本の購入費だけがかさむ結果につながりやすいので、注意しましょう。
必要な情報の取捨選択ができていない
本を活用して学習をする際には、その一冊を通じてどのような知識を身に付けようとしているか、目的意識を持つ必要があります。自分が知りたいことが決まっていない状態で読み進めたとしても、文字を追いかけるだけで知識を習得する事には繋がりません。
本を読むことが目的化しないように、事前にどのような情報を得ようとしているのかを決めておき、目次で該当する箇所の当たりをつけてから読むようにしましょう。自分が現在必要としていない情報については、思い切って読み飛ばすことも大切です。
プログラミングの本を活用する方法とは?
初心者がプログラミングの本を活用する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。オンラインサービスとの併用や自分に合った本の見つけ方などを紹介します。
事前にオンラインサービスでプログラミングがどういったものかを把握する
プログラミングについて全く知らないという人は本を読む前に「オンラインサービス」でプログラミングについて触れてみることをおすすめします。
自分の書いたソースコードによってコンピュータが動くという感覚は、文章だけでは理解することは難しいので、簡単な内容をゲーム感覚で学べるオンラインサービスを利用してみましょう。ここでは実際にどのようなサービスがあるのか紹介します。
3分動画で無理なくオンライン上で学べる!「ドットインストール」について
プログラミングをオンライン上で学習できるサービスとしておすすめなのは「ドットインストール」です。このレッスンは約3分の短い動画で提供されています。短く簡潔にまとめられているので、仕事の合間などのすき間時間を利用して気軽に学ぶ事ができます。
動画はPCだけでなく、スマートフォンからも視聴可能です。ホームページの作り方から、ブラウザで遊べるシンプルなゲーム、フレームワークを使ったウェブサービス、iOS/Androidアプリの開発まで、幅広い内容のレッスン動画を提供しています。レッスンでは開発環境を整備するところから教えてくれるので、プログラミング未経験者でも安心です。
イラストでプログラミングについて学べる!「Progate」について
プログラミング学習においては、イラストで学べる「Progate」も人気のサービスです。「初心者から、創れる人を生み出す」をサービス理念として掲げており、プログラミング初心者の人向けにわかりやすく理解できます。イラスト中心のスライド動画で構成されており、自分のペースで学習・復習しやすいことが特徴です。
実際にプロダクトを作りながら学習できるので身に付きやすいのが利点です。ブラウザ上でコードを書き、すぐに実行結果を確認することができるので、トライ&エラーの中で実践的な力が身につきます。環境整備などの準備も一切不要で、プログラミングの実践ができるのも嬉しいポイントです。「Progate」を利用してプログラミングを学び、プログラマーの世界に挑戦して夢を実現した人のサクセスストーリーも紹介されています。
自分の目的に応じた本を選択する
プログラミングがどういうものかを理解したなら、本を購入して学習を始めるとよいでしょう。本を購入する際は、自分の目的に応じた本を選ぶようにしましょう。
現在は様々なプログラミングに関する本が出版されていますが、本のタイトルが目を引いたという理由だけで購入していては無駄な出費をしてしまうだけです。せっかく本を購入しても、自らが達成したいと思う目標に繋がらない内容だったり、自分の理解度を大きく超えるレベルの本であれば、途中で投げ出してしまうでしょう。
よって、本はインターネットで購入するのではなく、書店に足を運んで、本の内容を確認してから購入することをおすすめします。ただし、プログラミングを初めて学習する人が本を選ぶ場合は、本の中身を確認したところで、自分に合った本なのかどうかの判断が難しいでしょう。プログラミングについて詳しい知り合いにおすすめに本を聞いてみたり、インターネットで本の評判を調べてみることも必要になってくるでしょう。
手を動かしながら読み進める
本はただ読むだけではなく、記述されているサンプルコードを実際にPCのテキストエディターに打ち込みながら進めることで知識として定着しやすくなります。書かれている内容を自分でタイピングして入力する必要があるので、ソースコードを書くこの上ないトレーニングとなるでしょう。インターネットのサンプルコードを単にコピーするだけでは、自力でプログラミングをする力は身につきません。
また、サンプルコードはただ実行するだけでなく、自分で好きなように中身を変えてみる「遊び心」も大事です。例えば、サンプルコード内の「10」と書いてあるところを「20」に変化させると、どのような変化が起こるのかを体験することも学習の1つといえます。
ソースコードの中身を変化させることは、そのソースコードの仕組みを理解していないとできないことなので、自ずと理解力の向上に繋がるでしょう。遊びながら手を動かして、基本から応用にステップアップしていく事が大切です。
本で学んだことをアウトプットする
本で学んだプログラミング知識をアウトプットすることで、より知識が深まります。SNS、ブログ、勉強会などに、自分の学びを発信するのがおすすめです。特にSNSで発信することは非常に手軽であり、費用も時間も掛からずにアウトプットする機会を作ることができます。
SNSはFacebook、Twitter、Instagramなど様々ありますが、Twitterはリアルタイムで様々な人が「つぶやき」を行っているので、検索をかけて勉強仲間を探してみてもよいでしょう。「#プログラミング」「#プログラミング初心者」などの「ハッシュタグ」で検索をかけてみてもよいかもしれません。
同じくプログラミングを勉強している人やプログラマーとして活躍している人のフォロワーとなる事で、その人の発言をリアルタイムで確認できます。自分と同じようにプログラミングを学習した人がどのような活躍をしているか知ることはモチベーションアップにも繋がります。
SNS以外にも、身の回りの人に直接話す、勉強会などで発信するなどもよいでしょう。自らの背中を押してくれる人達と繋がり、勉強会などで深い知識を習得していきましょう。また、そういったコミュニティはプログラミングの学習を終えてプログラマーとして就業した後においても、大切な繋がりになるでしょう。
プログラミングにある程度触れてから本を活用するようにしましょう
プログラミングを始めたての頃は、早く技術を習得したいという気持ちがはやり、いろんな本を買ってしまいがちです。しかし、焦って手あたり次第に本を購入するのは失敗のもとです。ある程度のプログラミング知識を身に付けてから、本選びを始めることをおすすめします。
本を通じて体系的な知識を身につけられたなら、将来的にプログラマーやシステムエンジニアになるという選択肢もでてきます。学習時にアウトプットの癖をつけておけば、web系の業界で働く人との情報も交換できるようになり、就職先や起業相手が見つかる可能性もあります。自分の将来を変えるため、本を通じてスキルを高めていきましょう。