「ビジネスチャットツール」は登場から急速に普及し、「働き方」にも変革をもたらしました。
今では日本発の「Chatwork(チャットワーク)」と米国発の「slack(スラック)」が双璧と言えます。
そのslackは全世界で日間アクティブユーザー数1000万人以上、有料プラン利用企業数85,000社以上、日間アクティブユーザー居住国150カ国以上を誇り、日本のIT企業でも数多く導入されています。
slackの特長
・「GitHub」や「Backlog」などの外部サービスや、「bot」などのツールとの連携が簡単。作業効率も大幅にアップ
・ユーザーの入力を機に自動で判断して返答したり処理をする「bot」を作成が簡単
・マウス主体のChatworkと違って、キーボード主体で操作する
世界中で展開しているため、各国のユーザーが公開しているツールを組み込むこともできます。そういったメリットゆえにエンジニアからの支持率も高いのです。
ファイル共有で処理のスピードが大幅に向上
slackではほとんどのやりとりを画面左側の「チャンネル」と呼ばれるグループで行います。
「アイデア募集」や「デザイン・チャット」というふうにプロジェクト別やクライアント別などでチャンネルに名前を付けておけば、社外を含めたメンバーは必要に応じて参加・退出が可能なため、全員で情報が共有できます。
画面左下の名前横のアイコンからアクティブや離席中など、メンバーの状態を瞬時に確認することができるのもSlackならではの機能です。
また、以前は社内外問わず、画像や情報をやりとりする場合はメールが一般的で、大容量ファイルはセキュリティに不安の残るファイル転送サービスを使用していました。
メールは送るまでのプロセスも多く情報伝達にタイムラグが生じるのに対して、slackでは「PDF」や「Excel」、画像や動画などを直接アップロードすることができます。
IT業界の現場からは「多人数で画像やデザインを共有できるのはものすごく大きい」というデザイナーや、「短いコードとかはスニペットで共有しています」というエンジニアの声をよく聞きます。
slackとbotの連携で業務を自動化
エンジニアは自分専用のbotを作成して、さまざまな作業を自動化しており、出退勤の入力すらも任せられます。画面上の任意の場所、たとえばチャンネル内に設置したbotに「出勤」という文字を打ち込みます。
するとbotが作動して、さまざまな出退勤サービスと連携して出社時間を登録するという流れで、すべてSlack内で完結できるのです。
開発系で言えば「デプロイ」を行う場合は、修正をしたり新しく作成したプログラムをサーバにアップしてシステムを利用可能な状態にする必要があります。
サーバが一台で済むようなサービスであれば手作業でも事足りますが、大きなサービスであれば何百台ものサーバに適用させなければいけません。
そこでSlackのbotにデプロイと指示すれば、サービスに最新のプログラムを適用することができます。Slackの標準機能ではないものの、そういうbotを自らが開発することもできます。
社内外のコミュニケーションが活性化
社外の人とのコミュニケーション手段が電話の場合はどうしても一対一の情報にとどまるため、チーム内での情報共有には適していませんでした。
Slackの場合はプロジェクト毎にチャンネルを作成すれば、クライアントや外注先を含む複数ユーザーとのコミュニケーションが迅速かつ円滑に図れます。
チームの一人が発したメッセージへの返信・引用・編集・削除機能や絵文字を活用して、プロジェクトの内容や進捗状況を素早くかつ正確に情報共有することができます。
メールに付きもののかしこまった挨拶文も必要ないので、業務の効率化という点でもプラスに働きます。
また、業務の可視化という点でも有益で、管理職はチャンネルのやりとりを通して社内で今何が起こっているかを知ることができます。チャンネル内のやりとりは時系列で表示されているため、途中からプロジェクトに参加したユーザーの場合は過去のログをさかのぼって閲覧することで、仕事を円滑に進められます。
さらに一対一でやり取りするための「ダイレクトメッセージ」は、人前であえて言いたくない場合にも最適で、少人数のメンバーでディスカッションできる「グループダイレクトメッセージ」は、一度限りの会話をする際にも便利です。
テキストでのやりとりで注意すべき点は
Slackに限らずテキスト・コミュニケーション全般に言えるのが、相手の感情が見えないということです。
たとえば、面と向かって言われたら素直に受け止められることであっても、表情が見えないぶん、冷たく感じることがあります。
そうならないためにも日頃から相手に伝わるテキストを書くことが必要で、普段の2割増しくらい感情をこめなければなりません。
ちょっとキツい言い方であったとしても、感嘆符や感謝を意味する絵文字を語尾につけるだけで受け取った側の印象はまったく違ってくるのです。
Slackには表情豊かな絵文字を数多く使えるだけでなく、オリジナリティあふれる「カスタム絵文字」を作ることもできます。
それらを使って「絵文字によるリアクション」とすれば、テキストのフォローやスレッドへ返信する手間も省けます。返答だけでチャンネル内が埋め尽くされることはないので、本質的な話し合いが残るというのはとても大事なことです。
とはいえ、テキストだけではニュアンスまで汲み取りづらいこともあるので、その際は機能のひとつでもあるビデオ通話は有効です。
まとめ
Slackは言うなれば業務の自動化・効率化・可視化・合理化に欠かせないオール・イン・ワンのコミュニケーションツール。外部サービスやツールとの連携をはじめとする多彩な機能をフル活用することによって、働き方は劇的に変わります。