2011/9/7 Release

アノヒトに聞きました

根岸菜穂子(ねぎし・なほこ)
1996年大学卒業後、出版社で雑誌編集に携わる。1997年 株式会社リクルートフロムエーに入社、『フロム・エー』編集を担当。2000年より『ケイコとマナブ』編集部へ。デスク、副編集長を経て2008年『ニッポンの仕事777』『好きを仕事にする本』の編集長を担当。2009年4月より『ケイコとマナブ』編集長を務める。休日の楽しみは夫婦で海辺をドライブすること。
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「やりたい」と思った時点で、
それは自分に向いている仕事なんですよね。


どうして直感を信じられないのでしょうか?

「才能に差があると思うから、自信がなくなる。
ほんとうは人の才能に差なんてなくて、
がんばれるか、がんばれないか、
それだけだと思うんです。」


『ケイコとマナブ』編集長 根岸菜穂子さん

『ケイコとマナブ』編集長として活躍する根岸菜穂子さん。
「とにかく編集がやりたい!」と突っ走って夢をつかみ、
編集者の道を一筋に進んできたプロフェッショナルです。
「もっと直感を信じて、とにかく一歩踏み出そう!」
と呼びかける根岸さん。
熱いメッセージがあふれるインタビュー後編。
迷わずに、とにかく読んでみてください!


編集部 根岸さんは、どうして編集の仕事を選んだのですか。
根岸 私は学生時代から編集の仕事を志望していました。
選んだ理由のひとつとして、
母が出版社で経理の仕事をしていまして、
出版の仕事は面白いということを聞いて育ったということがあります。
もうひとつの理由が、
周りの人たちから「発想が変わっている」
と言われることが多かったこと。
「発想力を活かせる仕事ってないかな」と思ったんです。

「なにがなんでも編集がやりたい」と思って
就職活動をしていたのですが、
実際に編集者になってみて思うのは、
「編集がやりたい」と思っていたころは、
編集のことなんてなにひとつ
わかっていなかったということです。
具体的になにをするのかわからないまま、
「なんだかわからないけど、とにかく編集がやりたい!」
と思って就職活動をしていたんですね。
そのときの気持ちって、すごく力があったなと思っています。
編集部 好きだから突っ走る。そのパワーですね。
根岸 『ケイコとマナブ』の読者の方と
お会いする機会があるのですが、
そのときに感じるのは、
どうもみなさん慎重になりすぎている気がして。
編集部 もしかしたら、
頭でっかちになってしまっているのかもしれませんね。
根岸 たとえば
「Webの仕事に興味があるのですが、
Webデザイナーとプログラミング系と
どちらがいいかわからなくて。
でも、DTPもいいかもしれないんですけど‥‥」と迷って、
そこで立ち止まってしまう方が多いようです。
編集部 考え過ぎて、動き出す前に立ち止まってしまう。
根岸 「やりたい」と思った時点で、
それはたぶん、自分に向いているんですよね。
私は「親の刷り込み」と「他人の評価」の掛け合わせだけで
突っ走って編集者になりました。
そして今でも編集者として働いていますから、
深く考えていなかったわりに向いていたなと思います。

だから迷っている方を見ていると、もどかしくて。
もっと直感を信じて、まず一歩を踏み出せばいいのに。
そういうことを強く思っています。
編集部 どうして直感を信じられないのでしょう。
根岸 ほとんどの方は「自信がない」っておっしゃるんです。
「才能に差がある」と思っているのでしょう。
私は人の才能には差はなくて、
がんばるか、がんばらないか、
それだけだと思うんです。
「ここまで」と思ったら、そこで終わってしまう。
「もっと、もっと」と思えればがんばれて、
どんどん上達していきますよね。
はじめから「私は才能ないし」「向いてないし」とか、
そんなふうに思わないで、
「自分ががんばれる場所」を探せばいいのだと思います。
編集部 新しい仕事に向かってチャレンジする場合、
基本的なスキルを学ぶことももちろんなのですが、
プラスアルファの部分も必要になってきますよね。
根岸 そこで重要になってくるのは、おそらく人脈だと思います。
そして人脈こそ、スクールで得られるものだと思います。
自分と同じ志を持って学んでいる人たちと
出会える機会はなかなかありません。
でもスクールであれば、先生や同期の方との人脈を築いて、
いずれ一緒に仕事をしたり、協力しあうこともできるでしょう。
スクールという場の価値はそこにこそあると、私は思っています。
『ケイコとマナブ』編集長 根岸菜穂子さん
編集部 振り返ってみて、編集は「天職」だったと思いますか。
根岸 「天職だった」のではなくて、
「天職にした」のだと思います。
そもそも天職というものはないのかもしれなくて、
なにかを続けていくうちに
やがて天職になるのではないでしょうか。

仕事を始めたころ、私はほんとうにダメ編集者で、
「もっと共感してもらえる記事がつくりたい」
と思いながらやってきました。
振り返ってみると、
自分なりにけっこうがんばったなと思います。
その結果として、
ようやく「編集が天職」って言ってもいいのかな、
と自分で思えるようになってきた感じです。
編集部 仕事で悩んでいるとき、
支えになるものはなんでしょうか。
根岸 読者の方からの手紙ですね。
喜びの手紙をいただくことがものすごく多いんです。
「この本に出会えなかったら」‥‥(思わず、声をつまらせる)
編集部 ‥‥(びっくりしながら、じーんとくる)
お仕事で感動できるって、
ほんとうに素晴らしいと思います。
根岸 「この本に出会えなかったら、自分は変われなかった」という声を、
よく読者の方からいただくんです。
「迷っている人の一歩を踏み出すきっかけになりたい」と
いつも思っているので、そういう声がすごくうれしいですね。
‥‥すいません、泣いちゃったりして。
編集部 いえいえ、とんでもないです。
そこまで思い入れがあってつくっていらっしゃるというのは、
プロフェッショナルとして立派なことだと思います。
根岸 『ケイコとマナブ』には、
みなさんの人生がかかっているんですよね。
もしも、私たちがいいかげんなことを言ってしまったら、
読者の方が転身の道を間違ってしまうかもしれません。
その人の人生に対して大変なことをしてしまうことになります。
また、「人生を変えるために、一歩踏み出そう」
というメッセージを発信し続けている媒体は、
今、『ケイコとマナブ』しかありません。
だからこそ、大きな責任を感じています。

『ケイコとマナブ10月号』(8/25発売)
*関西版、東海版、福岡版では色などが若干違います。

編集部 ところで、周りの人たちから
「発想が変わっている」と言われてきたそうですが、
子どものころからですか。
根岸 小学校のとき夏休みの宿題に
「発明考案展」と「標語」が必ず入っていました。
私はその2つについて、1年かけて考えていたんです。
編集部 発明と標語が生きがい!
根岸 当時、缶ペンケースが流行っていて、
私は鉛筆の裏に磁石をつけようと考えました。
初心者マークを鉛筆の形に切って、接着剤で止めて。
そうすると缶と鉛筆がくっついて、
キャップをしなくても揺れたときに芯が折れない。
そういう発明をしたんですね。
「これは絶対に賞を取る!」って思いました。

そうしたら先生が、
磁石の吸着力がちょっと弱いと思ったんでしょうね。
缶ペンケースの内側にも磁石をつけて、
プラスマイナスで強化してしまったんです。
私は「缶」という特性を活かして
くっつけたことが面白いと思っていたわけですよ。
ところが勝手に、先生が磁石をつけて出展してしまったんです!
それで落選してしまった。
‥‥今でも「先生のせいだ」と思っています(笑)。
編集部 大人が余計なことをするから。
わかってない!
根岸 わかってない!
‥‥と、そういうことを考えていましたね。
編集部 お休みのときはなにをしていますか。
根岸 家が郊外なので、よくドライブをします。
私は運転ができないので夫に乗せてもらって。
それで車の中で大声で歌っています(笑)。
編集部 移動型カラオケボックス(笑)。
根岸 海沿いをびゅーんと走って、気持ちいいんです。
それから、雑誌を読むのも好きです。
編集者目線ではなく、完全に読者になってしまいます。
雑誌をめくるワクワク感が好きなんですね。
「ここから人生が変わるんじゃないかな」
と必ず思いながら、ページをめくります。

たとえばファッションであっても、
それが人生を変えるきっかけかもしれないと私は思っています。
すごく素敵なコーディネートが雑誌に載っていて、
「このコーディネート、素敵だな」とワクワクしたことで、
そこからいいことが起こっていくような気がするんです。
編集部 これからチャレンジしていきたいことはありますか。
根岸 まずは『ケイコとマナブ』を
より多くの悩んでいる人の“きっかけ”を作る本にしていくことが、
今の目標です。
自分としては「こうしたいのにな」と思っているけど、
そうなっていない部分もまだまだいっぱいあります。
そこをきちんとした形にして、
自分の思い描く本に、より近づけていきたいと思います。

前任の編集長はリーダーシップを持ち、
方向性を打ち出してぐいぐいと引っぱっていく方でした。
私はそういうタイプではありませんから、
はじめは「どうして私が編集長をやるんだろう?」って、
ちょっとわからなかったくらいだったんですね。

だから私はやり方を変えて、
スタッフのみんなに助けてもらいながら
がんばっていくことにしたんです。
就任当時のメンバーには「みんなで編集長をやろう」と言って、
みんなで会議をして、合意を取っていくという形でやってきました。
編集長にもいろいろなタイプがあっていいと思うんですよ。
編集部 自分の人生ですもの、自分のスタイルで進むべきですよね!
どうもありがとうございました。
一生ものお仕事発見BOOK
『一生モノお仕事発見BOOK』
ヒューマンアカデミーとケイコとマナブとのタイアップで制作された
「一生モノのお仕事」をテーマにした一冊。
書店、大学のヒューマンアカデミーパンフレットラックに設置中です。


付録:根岸さんからの一言メッセージ




読者の人生をよりよいものにするために、
真剣に仕事に取り組んでいる根岸さん。
こういう人につくってもらえる『ケイコとマナブ』は、
とても幸せな雑誌だと思いました。

次回も、お楽しみに!


                               おわり

↓今回のインタビューでは語りきれなかった理想の職種の見つけ方を根岸さんが色々と教えてくれます↓

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