2011/6/20 Release

アノヒトに聞きました

小川純子(おがわ・じゅんこ)
いて座。A型。1987年から雑誌編集に携わる。『ザテレビジョン』『ミセスザテレビジョン しってる?』『月刊ザテレビジョン』『ウォーカーキッズ』『DVDでーた』を経て、2010年3月より『花時間』編集長に就任。
花時間公式サイト「花時間 web garden」
エンターブレイン公式サイト


年を重ねて自らの履歴書を思い返したとき、
変われた自分のほうが、きっと「いとおしい」でしょう。


仕事に悩む女性にアドバイスを。

「もやもやしているのなら、
まず『変わること』を目的にしたほうがいい。
変わったあとに見えてきたものを大事にするんです。」


小川さん

ポジティブシンキングがパワーの源。
『花時間』編集長の小川純子さんは、
時間を見つけては旅に出て、刺激を受けたり、癒されたり、
自分をリセットしています。
旅先で出会った素敵な言葉や光景が、
次の仕事にもしっかり活かされるのです。
さて、問題。ミュンヘンで爆発するものってなんでしょう?


編集部 ところで『花時間』には、
花を文化として根づかせるという役割もありますよね。
小川 そうですね。
そう言えば最近、アジアに進出されているお花の先生が増えています。
アジア諸国にはまだ花の文化がないんです。
経済成長で盛り上がっている中国でさえ、
ホテル装花は一流だけれども、町に花屋さんがなかったりする。
東南アジアにも、限られた花しかないというのが現状のようです。
編集部 花を使う場面が、
冠婚葬祭に限られているのかもしれませんね。
小川 そこで日本の先生方はアジア諸国に進出して、
花の文化を根づかせようとしています。
中国でも「花屋さんをやってみたい」「ホテル装花をやってみたい」
といった向上心を持つ人がたくさんいるそうです。
花のスクールの新しい市場として、可能性が見えてきています。
編集部 大きなビジネスチャンスでもあるということですね。
さて、小川さんがいちばんリラックスできるのは、
なにをしているときですか。
小川 うーん、旅行かな。旅にはよく出かけます。
「刺激をもらう旅行」と「癒されるための旅行」があって、
どちらが目的かによって旅行のタイプがまったく変わります。
「今回はカチカチ町を歩こう」「疲れているから、海辺だわ」とか。
編集部 「刺激をもらう旅行」で、好きな町はどこですか。
小川 やっぱりニューヨークはすごいと思いますね。
行くたびに発展エリアもどんどん変わっていて、
前回見たニューヨークとは全然違った表情が出てくるので。

それから、デンマークもとても楽しかったです。
年末ぎりぎりになって「旅行に行きたいな」と思って、
旅行代理店に行ったらまだ間に合うのがコペンハーゲンだけだった。
それで行ってみたら寒くてびっくり。
オーロラツアーの人たちは、がんばって来ていたのに‥‥。
編集部 防寒重装備で。
小川 そんな中、私は町を歩いてみようと身軽な感じで行ったら、
ほんとうに寒いし、日照時間も短くて。
朝8時にようやく明るくなってきたと思ったら、
午後3時には夕方になってしまいますからね。

だけど、だからこそ、長い冬の間を楽しく過ごすために、
北欧では家の中のデザインにこだわります。
家具や絵もそうだし、カーテンからなにから、
家の中をとても素敵にするじゃないですか。
そういった面で、楽しい経験がいくつかありました。
編集部 ヨーロッパの人が花をひんぱんに買うのは、
「寒いから」という理由もあるでしょうね。
花が咲いたことに対する喜びの度合いが、
きっと日本人とはだいぶ違うと思います。
小川 日本は1年中、順番に花が咲いていくでしょう。
梅が咲いて、桜が咲いて、チューリップが咲いて、
夏になってひまわりが咲く。
コペンハーゲンに住む日本人の年配の女性から聞いたのですが、
北欧ではある日突然、いっせいに芽吹くのだそうです。
その春をみんなが待っていて、
芽吹く瞬間の明るい気持ちをすごく大切にしている。

ミュンヘンでコーディネーターの人にその話をしたら、
高地にあるミュンヘンでも、ある日突然春になるんですって。
それをね、「春が爆発する」と言うのだそうです。
春が爆発する。すごく素敵な表現だなと思いました。

編集部 「癒されるための旅行」で好きな場所は?
小川 ハワイですね。
以前担当していた雑誌が休刊になったとき、
「リセットしよう」と思って、「ひとりハワイ」をしてきました。
そのとき本当は、カリブ海に行きたかったんですけど、
「海賊が出ています」と言われてあきらめたんです(笑)。

ハワイでは毎日、波の往来や夕陽が沈むのを眺めて。
波が行ったり来たりしているだけでこんなに間が持つんだ、
ということを再発見しました。
現地の女の子と犬がビーチにいて、日が沈むのをずーっと見ている。
その光景をちょっと後ろのベンチから眺めていたのですが、
「なんて素敵な癒しの絵なんだろう」と感じて、心に残っています。
編集部 ヒューマンアカデミーで勉強している女性たちに、
アドバイスをお願いします。
小川 違和感を抱え込んだままにしないで、
動いたほうがいいと思います。
「変わりたい」と思ったら、それは変わらないとね。
変わったあとに見えてきたものを大事にして、
次につなげていけばいいのだと思います。
少し抽象的な言い方ですが、
「変わること」を目的にしたほうがいい。
子どものころに花が好きだったことを思い出して、
それを仕事にしようと思うのであれば、まず変わる。

私は金融の会社から、編集者へと転職しました。
仕事がつまらなかったわけではないし、上司にも恵まれていたけど、
「なにか違う」という違和感を持ちながら自分に問い続けました。
それで23歳のときに泣きながら上司に言って、会社を辞めたのです。
その結果、今の自分があるわけですよね。

それが正解かどうかはわかりません。
でも、自分の人生は自分で責任を取らなければならない。
変わらなかったことで後悔を抱えながら年を重ねていくよりも、
年を重ねて自らの履歴書を思い返してみたとき、
変われていた自分のほうが
きっと「いとおしい」と思えるでしょう。
そんな未来を想像しながら、一歩踏み出してみましょうよ!
雑誌「花時間」と書籍「花図鑑」
「花時間」2011年夏号 価格1450円(税込)
編集部 天職について、どう考えていますか。
小川 天職は、「旅の友」だと思います。
長い旅の友としてずっと寄り添って、語り合いながら、
「ここで道を逸れてみる?」とか、
「今度はこっちの路地に入ってみる?」とか、
相談しながらずーっと寄り添ってくれる。
仕事がそういう存在であればいいし、
そんな天職に出会えた人はラッキーだと思います。
編集部 今後、挑戦したいことを教えてください。
小川 最近、「日本語って素敵だな」と今さらながら思うようになって。
源氏物語1000年を機に、『源氏物語』を読んでみたんです。
ところが全然わからない。それがすごく悔しくて。
わからない理由が、ひとつひとつの言葉。
たとえば、出てくる色の名前もとてもいっぱいあってわからない。

電子時代になって、誰もがわかる言葉で紡ぐことも重要だし、
多くの人に読まれることも大事なんだけど、
ちょっと一回、日本語をひもといてみたいと思ったんです。
長い年月をかけて培われてきた
美しい言葉の意味合いのようなものを、
いつかどこかで発表できたらいいですね。
まあ、その計画はあまりにも壮大で、
今は目先の『花時間』が待っていますけど(笑)。
編集部 現在『花時間』では、どのような仕事を進めていますか。
小川 秋号の仕込みで、「バラ」がテーマです。
『花時間』は今年の秋号で20周年を迎えるので、
書店さんでどう展開するのか、
生産者さんから読者へ花をプレゼントできないかとか、
記念コンテンツについても決めつつあります。
それから恒例の『花時間』カレンダーが秋に出るので、
その制作もスタートしています。
編集部 まさに休みなし。
そのパワーってどこから出てくるんでしょうか。
小川 ね、私も不思議。ほんとうに健康で。
かなり打ちひしがれたりすることもあるのですが、
一晩眠るとすっきりと前に進めます。
ポジティブシンキングで「なんとかなるか〜」という性格は、
昔からずっと変わっていないかもしれません。
編集部 お話をうかがって、元気づけられました!
小川 ほんと〜? そうだったらうれしいけど(笑)。

とても気さくで楽しくて、
どんな質問にも一所懸命に答えてくれる素敵な女性でした。
ちょっとだけ気が早いけど、
『花時間』20周年、おめでとうございます!


次回も、お楽しみに!

                                おわり

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