2011/1/19 Release

アノヒトに聞きました

大平洋子(おおひら・ようこ)
1992年宝島社入社。『CUTiE(キューティ)』編集部を経て、1998年より『spring(スプリング)』編集長に。2003年編集長として『InRed(インレッド)』創刊。2010年「ツヤっと輝く、40代女子力!」をコンセプトに、新感覚のファッション誌『GLOW』創刊。編集長として多忙ながらも輝く日々を送る。2009年船舶2級免許を取得。自分の好きなことを仕事にする、行動力あふれる40代女子。
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「自分のことだけしか考えられない、
そこから脱することができた気がします。」


はじめて編集長になったとき、
なにがいちばん変わりましたか?

「自分とは違う価値観も
受け入れなければなりません。
編集長の仕事をして、
はじめて社会とコミットした感じ。」


GLOW編集長 大平洋子さん

宝島社のファッション誌『GLOW』編集長、大平洋子さんは、
仕事の経験を重ねることで「許せるようになった」と言います。
その域に達するまでには、挑戦と苦悩の日々がありました。
それでもあきらめず、好きなことを楽しみ続けたのです。
プライベートでは船舶免許を取得。
新たなる船出のときを常に求めている、そんな印象の大平さんに、
自分自身を輝かせる「女子力」について聞きました。


編集部 宝島社はどんな会社ですか。
大平 とにかく「やるとなったらやる」会社です。
現場に携わる人間として、
よく会社が見放さずにいてくれたなと思う場面は、
これまでに何度もありました。
雑誌は浮き沈みがあるもので、
いいときもあれば、悪いときも必ずあります。
宝島社は状況が悪い中でも
簡単に休刊することはまずありませんし、
「コンセプトをがらっと変えろ」と言われることもなく。
よく後押ししてくれたなと思うことが多いですね。
編集部 蓮見清一社長(宝島社の社長)と
現場との関係はどのようなものですか。
大平 すごく緊張感がありますね。ただ、風通しはとてもいいです。
「人事部をつくると必ず官僚的になる、だからつくらない」
という社長の考え方からもわかるように、
ヨコにもタテにも、ものが言いやすい社風があります。
マーケティング会議で直接意見が言えて、
その場ですぐに決まり、すぐに実行される。
とても働きやすい環境をつくってもらっています。
編集部 厳しい部分はありますか。
大平 けっこう体育会系ですね。
出版社にはめずらしく10時出社で、
月に一度の大掃除があります。
「出版社だからといって、荷物があるのが当たり前と思うな」
と言われて、そのままにしておくと捨てられてしまうんですよ。
あとは「挨拶をきちんとする」とか、
人間として基本的なことをよく言われます。
そういうところに社長は厳しいですね。
自由放任な雰囲気をイメージされるかもしれませんが、
意外と古典的な規律がしっかりとしている会社です。
スキルアップレッスンで話をする大平洋子さん
GLOW×ヒューマンアカデミー、コラボ企画第一弾フラワーレッスンで、女性にエールを送ってくれた大平さん。



編集部 担当する雑誌とともに
大平さんが20代、30代、40代と年齢を重ねてきたことで、
変化してきたことを教えてください。
大平 40代になって、
自分のことだけしか考えられないというところから、
やっと脱することができた気がします。
家族、職場の仲間など周りの人たちといっしょになって、
みんなでステップアップしていきたい。
口先だけではなく、心からそう思えるようになりました。

仕事のことで言えば、
20代のころは自分のページのことしか
考えていなかったんです。
「自分のページさえよければいい」と
思っていたとしか思えない節があります。
編集部 自己満足の世界。
大平 担当している雑誌がどういう方向性にあろうが、
自分が納得できればそれでいいという感じで。
「この写真がかっこいいから載せるんだ」、
そんなことを本気で考えていたように思います。
だから30代になってはじめて
編集長という役割がまわってきたときに、
すごくショックを受けました。
もともと雑誌がどうやって成立しているのか、
当たり前のことながら、それをはっきりと知ることになるので。

当初は正直「わかりたくなかったな」という感じでしたね。
知らずに自分の担当ページだけをつくっていたかった(笑)。
そうした思いと、「知ってしまったからにはなんとかせねば」
という焦りですごく苦しんでいた記憶もあります。
30代は楽しかったけれど、同時に苦しかったのかもしれませんね。
編集部 編集長になって、なにがいちばん変わりましたか。
大平 世界観が変わりました。
雑誌に対する考え方、販売収益、広告収益のこと、
いろいろとわかって。
20代のころの私は編集長に言いたい放題だったので、
「あのときはほんとうに申し訳ございませんでした」
と謝りに行ったりして。それくらい大きな変化でしたね。

編集長になると、幅が求められるようになります。
自分とは違う価値観を持つ人たちのことも
受け入れながらやっていかなければなりません。
その辺りのことはとても大変だったと思います。
編集長の仕事をして、はじめて社会とコミットした感じ。
編集部 ああ、なるほど。よくわかる気がします。
大平 ところが40代になってから、すごく楽になりました。
なにかが「ぽんっ」と抜けちゃったような感じがして。
さまざまなことに直面しても、
受け入れたり、許したりできるようになった。
今がいちばんバランスのいいときなのかもしれません。

だけど、20代の自分を「青かった」というふうには思いません。
あのころキレキレに尖った自分がいなかったら(笑)、
今の自分はいなかったはずですから。
先鋭的なものが好きで、そこにはまっていった経験がなかったら、
今の仕事を続けていくのは難しかったと思います。
20代でがんばってよかった。30代でもがいてよかった。
40代になってそう思っています。
GLOW編集長 大平洋子さん
編集部 プライベートで楽しんでいることはありますか。
大平 ふだんは仕事がものすごく忙しいんですね。
ですから、暇さえあれば寝ています。
「眠いということは、魂が生まれ変わりたいと思っているから、
眠りたいときには眠ったほうがいい」と誰かに言われたので、
「じゃあ、生まれ変わってもらおうじゃないの!」と思って
寝るようにしています(笑)。
それから休日には消費者として
着たり、食べたり、料理をしてみたり。
そういうことは楽しくやっていますね。

そうそう。2009年に船舶免許を取ったんですよ。
クルーズのお披露目会に招待されて、
なんだか簡単そうに見えたんです。
海の上だったら渋滞はないし、
日ごろ見ている東京の景色も違って見える。
ふらっとドライブする感覚で
海に出られたらいいな、と思って免許を取得したのですが、
今のところ時間がなくて。
ひとりで操船するには至っていません。

自分の中では峰不二子のように、
夕陽の海を颯爽と走っているイメージがあって(笑)。
残念ながら、それはまだ実現されていません。
編集部 『ルパン三世』のエンディングみたいな感じですね(笑)。
さて、編集という仕事を通じて、
なにをクリエイティブしていきたいですか。
大平 私たちの仕事は、
世の中に大変なことが起こったとき、いちばん要らないものです。
深刻な状況下において、
ファッション誌は最初に切り捨てられてしまうものでしょう。
娯楽部的な存在ですから。
以前、ちょっとだけ入院したことがありました。
病院で働く人たちは日々つらい場面も目にしますし、
ほんとうに大変なお仕事だとあらためて感じました。
その人たちが仕事の合間に私がつくった雑誌を読んで、
楽しい時間を過ごしてくれていると聞いたんですね。

確かに最初に切り捨てられてしまう存在かもしれません。
それでも、私たちは世の中の「娯楽部」としての仕事を、
真剣に果たさなければいけない。
かなり本気で、その使命感に燃えています。
宝島社の基本方針にとして
「人と社会を楽しく元気にする情報を提供する」
とあるのですが、それは私の気持ちでもあります。
編集部 『GLOW』のコンセプトである
「ツヤっと輝く40代女子」とはどういう女性でしょうか。
大平 「輝きたい」という気持ちを持つすべての女性です。
外面にしても内面にしても、輝かせどころはみんなそれぞれ。
40代になれば自分のいいところも悪いところも
みなさんご存知なので、
「ここを輝かせたい」と思うところを輝かせましょう!
編集部 最後に、2011年に成し遂げたい目標を教えてください。
大平 自分で操船して海に出ること。
編集部 いよいよ船出のときですか。
峰不二子になるときが来ましたね。
大平 はい。早く峰不二子として輝きたいです(笑)。
付録:大平さんからの一言メッセージ

「娯楽部」としての仕事を、
真剣に突きつめなければいけない――。
大平さんが抱く使命感は、
たぶんきっと想像以上に切実なものだと思います。
本気で輝こうとする人たちが増えれば、
世の中はきっと元気になるはず。
女子のみなさん。粘って、もがいて、もっと輝きましょう!


次回は、米国NLP(TM)協会認定トレーナーの
高橋知大さんが登場します。お楽しみに!

                                 おわり


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