2011/1/5 Release

アノヒトに聞きました

大平洋子(おおひら・ようこ)
1992年宝島社入社。『CUTiE』編集部を経て、1998年より『spring』編集長に。2003年編集長として『InRed』創刊。2010年「ツヤっと輝く、40代女子力!」をコンセプトに、新感覚のファッション誌『GLOW』創刊。編集長として多忙ながらも輝く日々を送る。2009年船舶2級免許を取得。自分の好きなことを仕事にする、行動力あふれる40代女子。
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「好きだからこそ、
仕事している自分の姿を想像できたのです。」


競争意識は強く持ってきましたか?

「競争どころか毎号恐る恐る、
暗闇を懐中電灯で照らしながら
進んできたような感じです。」


GLOW編集長 大平洋子さん

「ツヤっと輝く、40代女子力!」をコンセプトにした
新タイプの雑誌『GLOW』を創刊した編集長、大平洋子さん。
「ブランドアイテム付録」という手法で話題を集め、
多くの女性たちの支持を得る宝島社のファッション誌とともに
編集の道を歩んできました。
「好きなことを続けてきたらこうなった」と言う大平さんに、
新しいものをつくり出す楽しみについて語ってもらいました。
女子のみなさん! なにかを探しに外の世界へ踏み出そう!


編集部 宝島社で数々のファッション誌を手掛け、
40代女性に向けた新感覚のファッション誌
『GLOW(グロー)』を創刊された、
大平洋子編集長にお越しいただきました。
まず、大平さんが編集というプロフェッショナルな仕事を
選ばれた理由を教えてください。
大平 「編集者になりたい」という具体的な気持ちは
学生時代にはなくて、けっこうぼんやりとしていました。
ただ、学級新聞をつくったりするのは好きでしたね。
大学時代、就職を考えなければならない時期になって
はじめて編集を仕事として考えるようになりました。
当時の社会情勢は現在とは違っていて、
就職先の選択肢がたくさんあった時代です。
証券会社、キャビンアテンダント‥‥
さまざまな仕事をしている自分を思い浮かべてみました。
なかなかピンとくるものがない中で
唯一、具体的に仕事内容を想像できたのが
編集の仕事だったんです。

楽天的な性格なので「なんとかなるだろう」と考えて、
出版の世界を目指して就職活動を始め、
ファッション業界誌の出版社に入社することができました。
ただ、その会社でのお仕事は
コレクション情報の配信などが中心で、
自分が思うような内容とちょっと違っていたんですね。

当時、私は宝島社のファッション誌
『CUTiE(キューティ)』に注目していました。
どうやら『CUTiE』はカオスみたいだ、なにかが起こっている、と。
編集部 ぐつぐつとした熱を、誌面から感じていたわけですね。
大平 これは面白そうだと思っていたところ、
たまたまご縁があって『CUTiE』の編集長をご紹介いただけたんです。
そこから宝島社の仕事をすることになり、今に至っています。
編集部 宝島社に入社して、
「これが自分のやりたかった仕事だ」と感じましたか。
大平 はじめはわからなかったですね。
ただ、企画を出せば新しいことにチャレンジできる、
そういうところはすごく面白かったです。
宝島社に入社してすぐに、『CUTiE』のお姉さん版
『spring(スプリング)』を1996年に創刊して、
その7年後の2003年にさらにそのお姉さん版『InRed(インレッド)』を創刊。
そこからまた7年経って、
2010年に「40代女子」に向けた『GLOW』を創刊しました。
振り返ってみると、息つく暇もなかったというのが実感ですね。
GLOW発売中
宝島社「GLOW」2月号
2010年12月25日(土)発売 定価:680円
編集部 好きなことを選んできたという、仕事に対する大平さんの考え方は、
就職・転職活動をしている人たちの参考になると思います。
大平 好きだからこそ、自分がその仕事をしている姿を想像できた。
そして実際に仕事を始めたときに、
さまざまなアイデアや企画を出すことができたのだと思います。
もちろん、自分の好きなものを
すぐには見つけられない人もいるでしょう。
だとしたら、自分から探しに出ていくべきです。
自分の内側から出て、外側と接触しなければ
好きなものに出会えないと思うので。

ちょっとしたことでも見逃さずに、
自分が得意なこと、苦手なことをたくさん探していく。
就職・転職で悩んでいる人がいたら、
いろいろなものを探しに外に出てみてはどうでしょう。
それが私からのアドバイスかな。
編集部 これまで、他誌との競争意識は強く持ってきましたか。
大平 競合という意味での競争心はあまり持ってこなかったですね。
部数的には「これくらい成功できたらいいな」
という希望はずっとありますけど。
というのも、私がやってきた雑誌は、
王道のファッション誌とはちょっとずれていて、
「異端」「ニッチ」と言われながら逆風をいつも感じていました。
でも、自分たちが新しいことにチャレンジできている
という確信があったので続けることができた。
その結果として今があるという感じなんですね。

他誌との競争どころか、毎号恐る恐る、
暗闇を懐中電灯で照らしながら進んできたみたいなもので、
あちこちにぶつかって。
いつの間にか多くの読者に
支持してもらえるようになっていたという感じです。
編集部 雑誌を創刊するときの
「生みの苦しみ」について教えてください。
大平 創刊のためには、ものすごいパワーが必要です。
『GLOW』で久しぶりに創刊の仕事をやってみて、
あらためて力の入り具合がまったく違うと感じました。
ないものをつくるわけですから、
とにかく根気よく、ビジョンを発信していかなければなりません。

さらにビジョンをコンテンツに落とし込んでいくときには、
とても具体的な説明が必要です。
編集スタッフ、スタイリスト、カメラマン、
ビジョンを表現する制作スタッフ全員の間で
常にコンセンサスを取っていかなければなりません。
「着地点はこういう感じになる」という確認を、
ひたすら繰り返していくのはとても大変なことです。

それと同時に、
クライアントや代理店に説明に行きます。
「データ(新しい市場への裏づけ)はあるんですか?」とか、
そういう世界になって、それに対しても答えていかなければなりません。
全国の書店に向けて、販売のお願いもします。
編集部 宝島社は、女性誌にブランドアイテムの付録をつけるという手法で
成功されています。
読者と付録との関係について、どのように考えていますか。
大平 結論から言うと、
雑誌をまだ手に取っていただけていない方々に
その雑誌の魅力を知っていただくためのツールとして、
ブランドアイテムの付録はとても効果的な役割を果たしてくれています。
たとえば『InRed』の場合、思い切って定価を下げて、
ブランドアイテム付録を毎号つけるようになってから、
3年半の間、一度も前年比を割ることなく伸び続けて、
70万部の雑誌にまで成長しました。

『InRed』の創刊当時、30代向けの女性誌は、
「幸せ奥さま」と「キャリア女性」を
ターゲットにしたものしかありませんでした。
その中で『InRed』はちょっと特殊な、
新しい感じでつくっていたのですが、
「どうせこれまで見たことのある、あんな感じでしょ」と思われて
なかなか手に取ってもらえないケースが多かったのです。

ところが毎号ブランドアイテム付録をつけることで話題になって、
それをきっかけに雑誌の中身も見ていただけるようになった。
「付録にひかれて買ってみたけど、
雑誌の内容は思っていたものと全然違っていた」
という反響をいただきました。

私はそのとき、「30代女子」という言葉をはじめて使いました。
そのキャッチコピーを中吊り広告で目にして、
「あっ、自分のことだな」と思ってくれた女性がたくさんいた。
付録とキャッチコピーが相乗効果を生んで、
そのテイストがなんとなくわかる年代の人たちに
買い続けていただけたのだと思っています。
編集部 付録の手法は、『GLOW』にも継承されていますね。
大平 きっかけはブランドアイテム付録だったとしても、
その後は雑誌の内容を気に入って購入してくださる読者が
着実に増えていったということです。

こうした実績があるので、
『GLOW』でも迷わずブランドアイテム付録をつけるべきだと判断しました。
雑誌の中身がまったく違うことを知ってもらうためには、
とにかく手に取ってもらうことが最優先だと考えたからです。
編集部 『GLOW』には、
大平さんご自身の興味の対象がたくさん入っているのでしょうか。
大平 はい。
私は自分の興味が大いに入ってしまうタイプだと思います。
「好き」と思えないとできないんですよ。
私に足りないところは、そこかもしれません!
GLOW編集長 大平洋子さん


王道ではなく、異端。
誰かに「ノー」と言われても、そこらじゅうにぶつかっても、
自分自身の「好き」という感覚を頼りに進んでいく大平さん。
後編は「彼女はどうして海を目指すのか?」です。
お楽しみに!


                                 つづく


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