「IoT」とは「Internet of Things」の頭文字を取った単語で、「アイ・オー・ティー」と読みます。 日本語では「モノのインターネット」と呼ばれ、「身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組み」のことを指します。
IoTの世界では、パソコンやスマートフォンだけでなく、テレビやエアコンなどの家電製品、ウェアラブル機器、自動車など、あらゆるモノがインターネットにつながります。これにより、モノ同士が相互に通信し、遠隔でもモノのまわりの状況を計測、認識したり、動作させることが可能となります。
IoTとは「センサーが組み込まれたモノが、インターネットによって繋がるようになったこと」ですが、このつながりによって、さまざまな新しいビジネスが可能となり、新しい価値を生み出していきます。
「スマートフォン」を例に取ってみましょう。それまではあくまで通信機器であった携帯電話がインターネットにつながり、さまざまなサービスと一体化されたことでモノそのものの価値を超え、新しい価値を生み出しました。別の言い方をすると「ハードウェアからソフトウェアへモノの価値がシフトした」とも言い表せます。IoTの普及は、このような「(価値の)サービスへのシフト」を促していくことでしょう。そのため、IoTでビジネスを考えるためには、単なる家や工場のインテリジェント化ではなく、"新しい価値を生むサービス"という視点で考えていく必要があります。
最近広まりつつあるタクシー業界における配車アプリは、IoTを実践して多くの人に利用されている例といえます。 GPSを配備したタクシーがシステムと連携し、スマートフォンで地図から指定するだけの簡単操作でタクシーがあなたのもとに来る仕組みが、全国47都道府県で提供されています。単に配車だけでなく、事前の料金検索・キャッシュレス決済・日時指定の予約などの機能もあり、すべてがスマートフォンだけで利用できます。 デバイス(タクシー・GPS)+ネットワーク+配車・決済を組み合わせたこのサービスも、「モノ」であるデバイスがインターネットを通じてアプリケーションと一体となったIoTの良い例と言えるでしょう。 このIoTを活用したサービスは「タクシーは拾う時代から、選ばれる時代」に変える力を持っています。長くタクシー会社として歴史を作ってきた企業が、新しい時代のサービスエンジニアリング企業に変化したことを意味しています。
航空機メーカーにエンジンやその他の機材・システムを提供しているある海外の会社は、機材の販売・保守だけなく、IoTによって航空機の飛行中も自社のエンジンの状況をリアルタイムでモニタリングし、障害状況等を解析し続けています。
飛行中エンジンの状況をモニタリングすることで、トラブルの発生箇所や、メンテナンスを必要とする箇所を着陸前に知ることができるようになりました。交換が必要な部品がどれかわかれば、あらかじめ部品を手配することで、遅滞なく整備が完了できるようになります。特にその部品が稀少部品だった場合、目的地へ到着し、点検が完了した後に手配して取り寄せる必要があったため、整備の時間に大きなロスが発生して結果的に航空機の運行の遅れにつながっていました。IoTの技術がこれを解消することに成功したのです。
また、個々の機体につけられた様々なセンサーから得られるデータを解析することで、運行費用の大きな部分を占める燃料代の削減が可能となりました。これまでパイロットの経験と技術まかせであった燃料の効率利用について、どのようなフライトパターンが最適なのかを分析することが可能となったからです。
モノとモノがつながり、想像もつかない多様なソリューションが生まれ、私たちの未来は劇的に変わるかもしれない可能性を持っています。
IoTは、人間の負担を大幅に減らしてくれると大いに期待されています。例えば、道路に組み込まれたセンサーのおかげで自動運転が主流になれば、運転する手間はなくなります。その時間を活用して、映画を観たり、仕事をしたりすることが可能になります。その結果として、IoTの普及とともに価値の重点が「ハードウェアからソフトウェアへ」、「モノからサービスへ」とシフトしていくことになります。
そのような流れの中、どんなエンジニアが必要とされるのでしょうか?
価値あるサービスの構築に貢献するには、IoTに固有の技術要件――例えばデバイスの特性を踏まえたインフラの構築、データを収集・分析するプラットフォームの提供、アプリケーション開発などが求められます。
インフラやプラットフォームについては、既に様々なサービスやクラウドシステムが登場しているため、それらをうまく組み合わせてアプリケーションサービスを構築することが主流になるかもしれません。
アプリケーション開発は、そのサービスを提供する部門が主体で行われます。なぜなら、それがサービスや事業の競争力に直結するからです。技術的なスキルのみでなく、ビジネスモデルの企画・設計や適切な技術やサービスを選択する目利き、それらを組み合わせる技術といった「サービスと技術を橋渡しするクリエイティビティ」が求められるでしょう。
いずれにしても、まずはソフトウェアエンジニアとして基礎力を身に着けた上で、最新のIoT技術要素を習得する必要があります。
モノからサービスへシフトする流れをしっかりとつかみ、エンジニアとしてのキャリアをひとつずつ積み重ねていくことが大切です。
経済産業省の発表によれば、2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人口は減少に向かうと予想されています。既に2015年時点で約17万人のIT人材が不足しており、今後IT人材の供給力が低下するにもかかわらず、ITニーズの拡大によってIT市場は今後も拡大を続けることが見込まれるため、IT人材不足は今後ますます深刻化し、2030年には約59万人、最大で79万人まで人材の不足規模が拡大するとの見方がされています。
●2015年の人材不足規模:約17万人
●2030年の人材不足規模:約59万人/最大で79万人
全体的にニーズが拡大するとされるIT業界の中でも、特に需要が増していくのが「先端IT技術」と呼ばれるIoT/ビッグデータ/人工知能の3分野です。それらを担うIT人材は「先端IT人材」と呼ばれ、2020年には約4.8万人が不足することが予想されています。
先端IT技術の成長と市場拡大の予想には、データ量の増加・ハードウェア処理能力の上昇・AIの進化に伴う新たなビジネスサイクル(①データ収集→②データ蓄積・解析→③現実世界へ(制御・サービス)→再び①データ収集~)への期待があります。
新サービスの創出によりビジネルモデルや事業そのものの変革をもたらすIoTエンジニアは、今最も注目を集めるエンジニア職種のうちのひとつです。
総合コース ※学習サポート対象 |
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エントリーコース (文系のためのプログラミング入門講座) |
基礎コース ※学習サポート対象 |
実践コース ※学習サポート対象 |
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目的 | IoT技術基礎講座を受講するために、「数学的素養」および「プログラミング的思考力」を事前に身につける | IoTエンジニアに必要な基礎的な知識・スキルを身につけ、支援のもとに開発を遂行できるようにする | IoTエンジニアに必要な実践的な知識・スキルを身につけ、自律的に開発を遂行できるようにする |
対象 |
以下のいずれかに該当する方 ●アドミッションテストで一定レベルに達していない ●キーボード(ブラインドタッチが望ましい)が使えない ●学習過程においてプログラミングの経験がない ●n進数や論理演算が全く理解できない |
ソフトウェア開発未経験者、もしくはC・C++言語での開発未経験者で、リアルタイム制御技術をベースとしたIoTエンジニアを目指す方 | C・C++言語でのソフトウェア開発経験者で、リアルタイム制御技術をベースとしたIoTエンジニアを目指す方 |
前提 知識 |
必要なし | 基本的なPC操作(ブラインドタッチを含む)および中学校レベルの数学 | IoT技術「基礎」研修内容、 または、それに準ずる知識 |
目標 | 基礎的なPC操作、プログラミング基礎、数学演算を習得する | ETSSスキルレベル1 | ETSSスキルレベル2 |
授業 内容 |
●キーボード操作(ブラインドタッチ)学習 ●プログラミング学習入門(Scratchを用いたロジック学習) ●数学演習(n進数、論理演算、命題、集合など)を繰り返し学習する〔1〜10日間〕 ※eラーニング主体で受講者によって異なる。 |
ロジック学習 表現対象を論理的に分析し、そのロジックをフローチャートで表現する方法の基礎を習得する。 IoT技術基礎 コンピュータに関する基礎知識、ソフトウェア開発に必要な基礎的な知識・スキルを習得する。 プログラミング実習・1 C言語の基礎文法を修得する。 Linuxの基礎コマンドを修得する。 プログラミング実習・2 C言語の文法を一通り修得する。 MISRA-Cベースのコーディング規約を習得する。 |
IoT技術応用 IoTシステム開発の現場で必要とされるリアルタイム制御技術、ネットワーク技術、セキュリティ技術についての知識を習得する。 IoT開発手法 IoTシステム開発を行うにあたっての開発手法(設計技法、テスト技法、デバッグ手法)についての知識を習得する。 |
受講 形式 |
eラーニングによる自習形式 | eラーニングによる自習形式 オンライン学習サポートあり |
eラーニングによる自習形式 オンライン学習サポートあり |
入会金 | 11,000円(税込) ※受講生は入会金は無料です。 |
11,000円(税込) ※受講生は入会金は無料です。 |
11,000円(税込) ※受講生は入会金は無料です。 |
費用 | 27,500円 (税込) |
438,900円 (税込) |
191,400円 (税込) |
総合コース(基礎コース+実践コース) 572,000円 (税込) |
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期間 | 1ヶ月 | 6ヶ月 | 2ヶ月 |
総合コース(基礎コース+実践コース) 6ヶ月 |
「わからない」をそのままにせず、次のステップへ進む前に現役エンジニアへの質問やFAQでしっかり確認。豊富な学習サポートで基礎を確実に身につけ、効果的な学習を促します。
名古屋大学理学部物理学科にてX線天文衛星搭載望遠鏡を研究。卒業後、株式会社セックに入社。
スマートフォン向け電子マネーアプリの開発やコミュニケーションロボットの研究・企画などに従事しています。
Pythonやクラウド連携などのIoT最新技術のノウハウを有しています。
神戸大学大学院理学研究科にて博士号を取得後、株式会社セックに入社。
非接触型IC搭載ソフトウェアの開発の経験の他に、新入社員向け教育講師も務めました。
情報セキュリティスペシャリストやデータベーススペシャリストなど、組込み開発エンジニアとして幅広い分野の資格を保有しています。
セックでは、人材のプロ化を強力に推進しています。新入社員教育は、「基礎なくして、高度な専門性なし」の理念のもと、6ヶ月をかけて実施しています。
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
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実践 教育 |
〈ソフトウェア基礎〉 ■ロジック:論理的思考を学びます。 ■C言語:プログラミングの基礎を学びます。 ■アセンブラ:機械語の理解を通してコンピュータの動作原理を学びます。 |
〈プログラミング演習〉 仮想コンピュータ(コンピュータのシミュレータ)の設計・製作に取り組みます。開発手法について習得するとともに、コンピュータやプログラムの動作原理について理解を深めます。 |
〈システム構築演習〉 リアルタイムシステム(即時性の要求されるシステム)の設計・製作に取り組みます。力のある方は、簡易オペレーティングシステム(OS)の設計・製作にも取り組みます。 |
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基礎 教育 |
■ コンピュータサイエンス: コンピュータやソフトウェア工学の基礎を体系的に学びます。 ■ ネットワーク/データベース: ネットワーク技術とデータベース技術の基礎を学びます。 ■ 開発手法:開発方法論・技術規約や、オブジェクト指向開発について学びます。 |
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ビジ ネス |
ドキュメンテーション、ビジネスマナー、問題分析トレーニングなど |